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2009年4月17日 (金)

Zoobooks

本日、Peregrine Fundで注文したZoobooksのBirds of PreyとEaglesが届きました。いずれも17ページの小冊子で、子ども向けの本です。この両者は、去年の10月15日の記事で紹介したワシ/猛きん類の原書です。前者は1980年、後者は1983年に初版が出ましたが、何度も再版されたらしく、手元に届いたものは、前者が2005年、後者が2007年となっていました。

値段は両冊とも2.75ドルでしたが、送料として20ドル請求されました。さらに、Peregrine Fundへの入会を勧められてしまい、年会費として25ドル支払いました。その他、若干の割引があったらしく、合計49.96ドルということになりました。

内容は、基本的には既に入手した和訳版と同じはずだったのですが、細部に違いがありました。例えば、Eaglesでは世界のワシ類をFish Eagles and Sea Eagles,、Harpy Eagles、Snake Eagles、Booted Eaglesの4グループに分けて扱われていますが、和訳版ではFish Eagles and Sea Eaglesにヤシハゲワシが含まれていたものの、今回入手の原書には含まれていませんでした。おそらく、ヤシハゲワシは結局はEagleではなくViltureという扱いに戻ったため、はずされてしまったのでしょう。英語文献でのこの鳥の扱いは、ワシ類に含める場合はVulturine Fish Eagle、ハゲワシ類に含める場合はPalm Nut Vultureという名称になります。

他にも、写真など、細部にいくつかの相違があり、和訳版を見慣れていたので、違和感がありました。日本語の書籍でもそうですが、子ども向けの本など、何度も再版を繰り返すと、写真や図版など入れ替えが行なわれることがしばしばあります。

面白かったのは、Zoobooks通信とでもいいましょうか、英語の子ども新聞のようなものが綴じ込まれていたことです。低年齢層の読者の描く猛禽のイラストなどが多数、収録されており、興味深かったです。英語圏では、子どもに対しても野生動物の魅力について熱心に普及しているのですね。

今回、この小冊子を購入したのは、和訳版を読んでから、原書ではどのような文章で書かれているのか読んでみたかったからです。翻訳の勉強をしているということもありますが、英文活字中毒者としては、原書に目を通してみる必要があると感じました。

2009年2月27日 (金)

vulture, buzzard

今日は東京で初雪が降りました。ぼくが起床したのは昼過ぎでしたが、居間で愛猫チビタがストーヴに当たっていました。チビタは風邪を引きましたが、薬を飲ませたところ、元気を取り戻しました。しかし、尿に赤いものが混じっていたので、23日の月曜日、獣医師に相談したところ、膀胱炎の可能性があるということで、また薬を処方してもらいました。粉薬で、生クリームやマーガリンやヨーグルトに混ぜて与えたところ、簡単に飲んでくれました。それどころか、薬そのものをペロペロ舐めたりしました。先代のネオタは飲ませるのに苦労したので、手間がかからないやつです。生後9か月目のチビタは、生まれて初めて雪を見たので、驚いたように見つめていました。後ろ姿があどけなかったです。

今日も夕方からバイトにでかけました。フランス語学校の授業後の黒板消しです。ぼくは火曜日の午前中にフランス語の会話のクラスに出席していますが、ここには英語のクラスもあり、アメリカ人、イギリス人、オーストラリア人の講師もいます。以前は学生としてしか出入りしていなかったので、直接お世話になった講師しか知らず、英語のクラスはとっていないので、英語講師の知り合いはいなかったのですが、バイトを始めてから知り合いができました。校内で出会ったとき、フランス語で挨拶することもあれば、英語ですることもあります。

そして今日、とある英語のクラスに入り、黒板を消そうとしたところ、vultureおよびbuzzardの単語が書かれているのが目に入りました。前者はハゲワシまたはコンドル、後者はノスリの意味です。猛禽好きとしては当然、ピンときます。どうも、コモドオオトカゲについて授業で扱ったようで、それらしき単語もありました。早速、講師名を確認しました。顔馴染みのアメリカ人男性講師でした。その後、学校の駐車場で、そのアメリカ人講師がバイクに乗って帰宅しようとしているところに出会いました。その先生と出会ったとき、いつも軽く会話をしています。因みに、その先生はぼくが軍事マニアだと知っているらしく、会うと敬礼することがあるので、答礼しています。以前、担任だったフランス人女性講師から聞いていたようです。その先生も、ぼくにColonelという渾名をつけ、今でも校内で出会うとそう呼びます。これも、あちらの人々だからユーモアです。日本人からやられると厭味でしかありませんが。そもそも、ぼくという人間はものの考え方や価値観などの点で、一般の日本人とズレているところがあります。生まれる国を間違えたのだとつくづく思います。

ともあれ、そのアメリカ人講師に出会ったので、早速話しかけました。

“I saw your blackboard. I like birds of prey.”

“Birds of prey?”

“Raptors.”

最近では、猛禽類のことをraptorsと呼ぶことが多いようですね。もっとも、以前、別の英語講師との会話でraptorsを使ったところ、恐竜のことだと勘違いされましたが。

“Vulture and buzzard are not birds of prey. They are scavengers.”

vultureは死肉食だから、猛禽ではないのですね。でも、ノスリは猛禽ではないのでしょうか。いや、アメリカ英語ではbuzzardとはノスリのことではなく、コンドルの俗称だったような…。

“Scavengers? Are buzzards buteo-hawks?”

“Buzzards are vultures.”

やはり、コンドル類の俗称でした。

“I see. Like Turkey Buzzard?”

最後はヒメコンドルの名を出すことでお茶を濁しました。この先生は別に猛禽類の専門家ではないので、一般名称であることを頭に入れておく必要があります。

なお、RRFのミズーラ大会でいろいろな人と猛禽の話をしました。その際、日本には7種のワシがいる、とよく説明しました。このワシとはeagleのことなので、クロハゲワシ(Eurasian Black Vulture)は含めず、代わりにクマタカ(Mountain Hawk Eagle)が加わります。こういう話を日本人の鳥好きにすると、まず敬遠されますが。

2009年2月 3日 (火)

Winged Masters of the Sky

本日、バイトから帰宅したら、Amazon.comに注文していたMichael PetersenのBirds of Preyが届いていました。副題はWinged Masters of the Skyです。本体12.99ドル+送料8.98ドル=合計21.97ドルでした。日本円では、本体1214円+送料840円=合計2054円でした。

本書は去年の3月24日の記事で紹介したRichardsのBirds of Prey(副題Hunters of the Sky)と同じような大型本で、写真が豊富です。去年、出版された本で、168ページとそれほど分厚くはありませんが、読み応えは充分です。

表紙の写真はハクトウワシなので、北米産の猛禽本だと思っていましたが、世界各地からセレクトされていました。収録種は、サンショクウミワシ、ハクトウワシ、アメリカチョウゲンボウ、メンフクロウ、アメリカフクロウ、クロノスリ、クロコンドル、カリフォルニアコンドル、クーパーハイタカ、カンムリカラカラ、ワシミミズク、アカケアシノスリ、イヌワシ、オオタカ、カラフトフクロウ、アメリカワシミミズク、シロエリハゲワシ、ジサイチョウ、モモアカノスリ、トキイロコンドル、ラナーハヤブサ、トラフズク、コチョウゲンボウ、ミサゴ、コシジロウタオオタカ、ハヤブサ、カタアカノスリ、アカオノスリ、コノハズク、チュウヒワシ、シロフクロウ、ハイタカ、ウスユキチュウヒ、ミナミチュウヒ、ヒメコンドル、トルクメンワシミミズクの36種です。ジサイチョウが含められてるのが本書のユニークな点です。コンドル類が意外に多かったのが印象的でした。

著者は南アフリカで生まれて教育を受けましたが、ヨーロッパやアメリカを含めてグローバルに活躍し、イギリス人女性と結婚し、現在はブリストル在住とのことです。

本書は大型本ながら、写真も奇麗で、文章も平易なので、日本人の猛禽ファンにとっても読みやすい好著だと言えます。堅苦しい専門書ではなく、一般の読者にとっても親しめ、視覚効果も期待できます。何よりも、著者の猛禽類への思いやりが伝わってきます。邦語訳されても、充分に価値はあるでしょう。

2009年1月26日 (月)

The Scottish Ospreys

本日、AbeBooksに注文していたPhilip Brown著のThe Scottish Ospreysがイギリスの古書店から届きました。本体17.32ドル+送料13.04ドル=合計30.36ドルでしたが、ポンド表示では、本体11.35ポンド+送料8.80ポンド=合計20.15ポンドでした。

本書は1979年に出版され、副題はFrom Extinction to Survavalで、スコットランドで一度絶滅したミサゴを復活させる活動についての記録です。大型本で、30年前に出た本としては写真がきれいです。

著者のPhilip Brownは1913年生まれ、新聞社に務めましたが、第二次世界大戦中は王室空軍(RAF)に籍を置きました。戦後、鳥類学者となり、1946年にRoyal Society for the Protection of Birds(RSPB)のスタッフとなり、1952~1963年の間、書記を務め、1978年に引退しました。

内容は以下の通りです。

1.Birds of Prey in General―Ospreys in Particular

2.Extirpation of Ospreys in Scotland

3.Ebb-tide

4.Alarms and Excursions

5.Summer of Frustration

6.See them―see them not

7.The Balloon Goes Up

8.Disturbers of the Peace

9.A Clutch for the Taking

10.Ospreys and Chickens

11.Harvest of the Years

ミサゴはスコットランドでは一度、絶滅しています。魚を食害するための駆除、DDTによる汚染、そしてエッグ・コレクターの仕業です。ミサゴだけでなく、アカトビやオジロワシも被害に遭っています。

再導入はRSPBによって行なわれました。1954年に1つがいが繁殖して2羽が巣立ちましたが、その後は芳しくなく、1957年には1羽もいなくなりました。1962年まで1つがいのみが繁殖していましたが、1963年に2つがいとなり、1967年ごろから徐々に増え始めました。そして、本書出版の前年である1978年には22つがいのうち11つがいが繁殖に成功して、約20羽が巣立ちました。

ヨーロッパの多くの国と同様、イギリスは一度、徹底的な自然破壊を行ないました。ヒグマやオオカミは絶滅させられたことはよく知られています。それに対する反省のためか、現在の自然と向き合う姿勢が完成したのかもしれません。

同じ島国の日本では、オオカミは絶滅したものの、猛禽類は今のところ1種も絶滅しておらず、国土に占める森林面積も保たれています。これは欧米のようなキリスト教に基づく自然を征服すべきものとして捉えるのではなく、自然と共存しようという考え方が昔から根づいていたからではないでしょうか。

なお、P. Brown & George Waterston共著のThe Return of the Osprey(1962)も同時に注文しましたが、こちらはまだ届いていません。

2009年1月21日 (水)

南アフリカの古書店

去年の10月18日に、Gargett著のThe Black Eagleについての記事を書きましたが、これに関連するエピソードです。

この本は最初、AbeBooksで検索したとき、6月1日に南アフリカの古書店に注文しました。本体40ドル+送料14ドル=合計54ドルでした。6月3日に発送したとのメールが来ました。10月6日ごろに届くということでした。船便で送ってくるのでしょうが、気長に待つことにしました。

そして、ぼくがアメリカから帰国したあとの10月上旬になって届きました。ところが、それは傷モノでした。AbeBooksの広告にはAs Newと表示されていましたが、ページに穴が開いている上、表紙は破れており、背表紙に亀裂が入っていました。それで、10月8日に改めてイギリスの古書店から注文し、それが届いてから10月29日に件の本をRefundしました。南アフリカの古書店の店主は驚いた様子で、別の本と交換してもいいというメールをよこしましたが、既にイギリスから購入していたので、郵便局から航空便で返送しました。送料に3600円かかりました。

そして11月27日にAbeBooksからメールが来たのですが、南アフリカの古書店からクレームが入ったらしく、返送した本にコピーした形跡がある、2日以内に返事をよこさないと、今後の取引は断る、ということでした。そこで、本が傷んでいたので返送した、同じ本をイギリスから購入したので自分はコピーする必要はない、もし本にその形跡があったのならそれは昔の持主の仕業だろうと返答しました。Abebooksからは翌28日に、了解したとの返事がきました。そして1月8日に、ぼくのクレジットカードに本の代金と送料を返金するとの知らせが入り、1月14日に送料が倍の28ドルがプラスされた合計68ドルが返金されました。

ところが1月15日に南アフリカの古書店からメールが入り、かなりヒステリックな調子で、ぼくのことを不誠実だのペテンだの詐欺だのと罵倒し、ぼくに返金したAbeBooksは盗賊行為にも等しいと言っていました。まあ、この店もAbeBooksに加入している10,000軒以上の書店の一つに過ぎないので、今後はそこから本を購入しなければいいだけのことですが。

外国人からここまで罵詈雑言を浴びせられたのは初めてです。気がついたら、結構いろいろな形で外国人とコミュニケーションするようになっていました。外国人と接するときには、日本人として恥ずかしくないように言動に気を遣いますが、相手が横暴な態度に出た時には毅然として対処するように心掛けています。そういえば、11月に手紙をくれた中国人の女性にはまだ返事を出していません。無視したまま終わるのは後味が悪いので、近日中に返答しなくてはと思っています。

2009年1月19日 (月)

The Journal of Raptor Research 4

本日でアクセス数は30,000件に達しました。1日の平均アクセス数は30件です。

1月13日に届いたThe Journal of Raptor ResearchのVolume42 Number4 December2008です。表紙のイラストはミサゴの親鳥が巣の中にいる雛に魚を運び込んでいるものですが、巣は砂漠にあり、サボテンに囲まれています。日本における“海のタカ”のイメージからかなりかけ離れています。そういえば、RRFのミズーラ大会で、南米で越冬しているミサゴはドラードを喰っているという発表があったのですが、汎世界的な分布を誇る猛禽は凄いものです。

内容は以下の通りです。

Region-wide Trends of Nesting Ospreys in Northwestern Mexico: A Three-Decade Perspective.

Eye Injuries in Long-eared Owls (Asio otus): Prevalence and Survival.

Small Mammal Prey Selection by Two Owl Species in Southeastern Brazil.

Breeding Season Diet and Prey Selection of the New Zealand Falcon (Falco novaeseelandiae) in a Plantation Forest.

A New Species of Large, Terrestrial Caracara from Holocene Deposits in Southern Jamaica (Aves: Falconidae).

Breeding Biology and Diet of the Long-legged Buzzard (Buteo rufinus) in the Eastern Junggar Basin of Northwestern China.

Lice of Chilean Diurnal Raptors.

続いてShort Communicationsです。

Observation of Two Hawk-Eagle Species in a Humid Lowland Tropical Forest Reserve in Central Panama.

Birds in the Diet of Wintering Long-eared Owls (Asio otus) in the Danube Delta, Romania.

Barred Owl, Predation on Hermit Thrush and Ovenbird Fledglings.

最後にLettersです。

Crested Caracaras Feed on Pecans in South-central Texas.

Peregrine Falcon Nesting in Tree Stick-nest in Alaska.

Prevalence of Anthracophora rusticola (Coleoptera: Cetoniidae) in Nest of the Chinese Goshawk (Accipiter soloensis).

特筆すべきはジャマイカで発見された絶滅した大型の地上性カラカラの記事です。脚の骨の写真が載っていましたが、現生種のカラカラよりもかなり巨大でした。飛べなかったようです。

また、チリ産の猛禽の寄生虫の論文もありました。ぼくは昆虫には疎いのでさっぱりなのですが、このような研究まで取り上げられているので、猛禽の世界は奥が深いです。

Lettersにアカハラダカの巣に棲みつく甲虫の幼虫の記事がありました。ロッキー山頂でホークウォッチングをしたとき、「北米のハイタカ属は、オオタカ、クーパーハイタカ、アシボソハイタカの3種だ」と言われたので、「日本ではオオタカ、ハイタカ、ツミの3種が対応している。それ以外にアカハラダカが渡り鳥として通過するが、ハイタカ属には珍しく、カエルを主食にしているためか、雌雄差が小さい」というような話をしました。

2009年1月13日 (火)

低年齢層の猛禽本

本日、AbeBooksに注文していた猛禽本が2冊届きました。なぜ購入したかというと、年末で1割引のクーポン券をくれたので使ってしまったわけです。

1冊目はEugene Potapov & Richard Sale共著のThe Gyrfalconで、オーストラリアの古書店から購入しました。本体66.83ドル-割引6.68ドル+送料17.00ドル=合計77.15ドルでした。2005年に出版された本で、題名通りシロハヤブサのモノグラフで、かなり専門的です。ざっと見てみたところ、数式やグラフなどが多数あり、今のぼくには高度な内容でした。また、鷹狩りに使用された歴史についても解説されていました。いずれ、チャレンジしてみるつもりです。実はこの本、RRF2008年度大会の会場でButeo Booksが出品していましたが、他にもいろいろな本を買ってしまったので、買いそびれていたものです。

2冊目はJill Bailey著のBirds of Preyで、1988年出版の子ども向けの本です。アメリカの古書店から購入し、本体14.91ドル-割引1.49ドル+送料9.00ドル=合計22.42ドルでした。この本は、去年の10月に出版された山崎亨さんの空と森の王者イヌワシとクマタカに参考文献として挙げられていました。低年齢層対象ではありますが、内容はしっかりしています。猛禽類全般についての必要事項は漏れなく取り上げられています。そして、イラストが多用されているので非常にわかりやすいのです。ページ数や収録数は限られていますが、一般向けの専門書の中核部分を凝縮し、低年齢層向けに要約したようなものです。この本も、英語圏では多数出版されている類書の1冊にすぎず、特に注目されている本ではありません。しかし、そのような本の1冊をとっても子どもに対して伝えるべきことはきちんと伝えているのですから、本を作る側の高い思想が感じられます。

なお、今日はRaptor Research Foundationの会誌も届いたのですが、これについては後日書きます。

2008年10月19日 (日)

The Journal of Raptor Research 3

9月24~27日とモンタナ州で開催されたRaptor Research Foundationの2008年度大会に出席しましたが、留守中にAbeBooksで注文した洋古書4冊とともに、The Journal of Raptor Researchが届いていました。これは他の書類の下に埋もれていたので、今日になって初めて目を通しました。取りあえず、内容を列挙します。

Peregrine Falcon Survival and Resighting Frequencies on the Washington Coast, 1995-2003

Diet of Snow Owls Wintering in Wast-Central Montana, with Comparisons to other North American Studies

Natural History of the Threatened Bearded Screech-Owl (Mugascops barbarus) in Chiapas, Mexico

Foraging by Swainson's Hawks in a Vineyard-Dominated Landscape

Surveys of Himalayan Vultures (Gyps himalayensis) in the Annapurna Conservation Area, Mustang, Nepal

Occurrence of Nematode Parasites in Raptors in Beijing, China

次にShort Communicationsがあります。

Behavioral, Conditioning and Techniques for Trapping Barred Owls (Strix varia)

Genetic Variation Between Subspecies of Common Kestrels (Falco tinnunculus) in Beijing, China

Status of Golden Eagles in the Texas Panhandle

最後に、Lettersがあります。

A Peregrine Falcon in Flight Retrives Nesting Falling from a Clife

Besra Sparrowhawk (Accipiter virgatus) Predation on Prey Larger than Itself

まだ読み込んだわけではありませんが、質問などありましたら、何なりと。ぼくのわかる範囲でお答えします。なお、最近は忙しいので、返答に時間がかかるかもしれません。

2008年10月18日 (土)

The Black Eagle

本日、AbeBooksで注文していたValerie Gargett著のThe Black Eagleがイギリスの古書店から届きました。本体32.22ドル+送料13.90ドル+追加料金19.24ドル=合計65.36ドルでした。合計で本体価格の倍以上となってしまいましたが、本書は去年購入したThe Vultures of Africaと同じくらいのヴォリュームがあり、日本の某古書店(某野鳥雑誌に広告を載せているが、やたらと高価な上、希望者が複数の場合は抽選となるので、非能率的)で18,000円で売られていたことを考えると、安いものです。イギリスから注文すると、船便のために待たされることが多いのですが、早く読みたかったので、航空便で送ってくれと注文したところ、10日ほどで届きました。

本書は題名通り、コシジロイヌワシの1種類徹底モノグラフです。著者のGargett博士は女性で、南アフリカ出身ですが、ジンバブウェで研究しており、オーストラリアのアデレードに在住していたこともあります。コシジロイヌワシを専門に研究し、論文も多数執筆しています。彼女の研究はジェフ・ワトソン著の「イヌワシの生態と保全」でも引用されています。先月、日本鳥学会の立教大会のとあるポスター発表で、オオタカがハイタカを捕食するという話が出たとき、「アフリカではコシジロイヌワシがクロオオタカを捕食して、そのクロオオタカがアフリカオオタカを捕食し…」と口走ったところ、ある年配の男性から、「それって、ガーゲットさん?」と訊かれました。それなりに著名な方のようです。

この本は、The Vultures of Africaと同じようなモノグラフで、Peter Steynによると、これまでに執筆された最もすばらしい猛禽類のモノグラフ、という書評がありました。ジンバブウェのMatabo Hillsでの観察が中心となっていますが、先哲の残した文献も多数、参考にされています。1990年に出版されましたが、その後の猛禽本でも参考文献として取り上げられている名著です。

内容は、とにかく徹底しています。食物について、ジンバブウェでは98.1%がハイラックス、その他、ウサギ、サル、小型レイヨウ、マングース、リス、アフリカタケネズミなどの哺乳類、ホロホロチョウ、シャコなどの鳥類、オオトカゲ、プレートトカゲなどの爬虫類となっていました。南アフリカではヒヒの幼獣も捕食されていました。ケープハゲワシを補殺したものの、食べなかったとか、一方ではシロガシラハゲワシの雛を捕食したとか、ヒゲワシの獲物を横取りした例もあります。また、ヒョウを攻撃した目撃例もあるそうです。

他にも、繁殖習性や、雛の兄弟殺しなど、興味深い解説があります。この本を完読するのは時間がかかりそうですが、読んでいて引き込まれそうです。

女性の筆による猛禽本としては、Penny Olsen著のWedge-tailed Eagleというオナガイヌワシのモノグラフがあります。これも読んでみたいものです。

2008年10月15日 (水)

ズーブックス ワシ/猛きん類

本日、Amazon.co.jpのマーケットプレイスで注文していたジョン・ボネット・ウェクソ著のズーブックス・シリーズのワシ/猛きん類が届きました。本体1250円+送料340円=合計1590円でした。新品同様でした。

この本は1985年に邦訳出版されました。著者はZOO BOOKSシリーズで多数の動物の本を著していますが、本書はEaglesおよびBirds of Preyの2冊の原書を1冊にまとめて翻訳されたものです。監修者は増井光子さんです。

本書は中3のときに近所の図書館で借りて読んだことがあります。内容は子ども向けですが、かなりマニアックでした。というのも子ども向けとはいえ、翻訳ものですから、日本人の著者とは別の視点で書かれているのも当然で、日本で出版されている通常の書籍では得られない情報が満載でした。現在のぼくにとっては取るに足らない内容であっても、中学生時代には日本語で読める情報のみが頼りでしたから、もう夢中になって読みふけったものです。そのときの感覚を思い起こすために、マーケットプレイスで出品されているのを見て、即購入しました。

内容は、前半部分がワシ類(英名でEaglesと総称されているもの)について、後半部分がタカ・ハヤブサ・フクロウなど、猛禽類全般について扱っています。ワシ類は猛禽類の代表格とみなされているためか、世界的視野で見たしっかりとした構成です。この“ワシ”にはクマタカ類が含まれ、ハゲワシ類やヘビクイワシは含まれていません。但しヤシハゲワシはウミワシ類に含めているので、扱われています。59種のワシ類を、オウギワシ類(カンムリノスリを含む)、ウミワシ類、ヘビワシ類、真正ワシ類(イヌワシ・クマタカ類)の4グループに分けて解説しています。この手法は英語圏の猛禽本では一般的ですが、日本で出版されている本ではなかなか見当たりません。翻訳ものの特色と言えます。加えて、子ども向けにこのような本が出版されるということは、日本では今後も望めないでしょう。

本書は、海外の猛禽類の情報に飢えていた中学生時代のぼくにとって、刺激的な本でした。今まで知らなかった種類の猛禽類がイラストで紹介されていたからです。必死になって覚えました。出版社としては、そのような効果を狙ったわけではなく、あくまでも低年齢層の読者が自然に親しめることを目的として翻訳出版をきめたのでしょうが、外国の原書を翻訳すると、どうしても日本人の著者による本では得られないマニアックな情報が手に入ります。洋書に手を出す以前の、洋書を読むなんて考えられなかった年齢のぼくには刺激的な内容でした。

ただし、当時はこの本は書店では見かけなかったので、返却したらそれっきりでした。猛禽類に対する情熱はあったものの、どこから情報を得られるのかよくわからなかったからです。高校受験を控えていた時期でもあり、猛禽類への思いは不完全燃焼に終わりました。高2のころから日本野鳥の会のバードショップで洋書漁りを始めたものの、読みこなすことができず、また、同好の士もいなかったため、いつしか縁遠いものとなってしまいました。

現在は洋書をネットで入手でき、完璧とは言えないまでも読むこともできます。しかしながら、書店で洋書漁りすることもなくなりました。洋書販売部で、BIRDS OF PREYの題名を見て、心をときめかせた時期がなつかしいものです。あのころは読めなかった本が読めるようになったことはいいのですが、当時の情熱を保持できれば言うことはありません。

2008年10月14日 (火)

The Migrations of Hawks

本日、AbeBooksで注文していたDonald S. Heintzelman著のThe Migrations of Hawksがオーストラリアの古書店から届きました。本体41.12ドル+送料23.00ドル=合計64.12ドルでした。この本を注文したのは9月、アメリカ旅行の出発前です。オーストラリアから注文すると少し待たされます。

本書は1986年に出版され、369ページと少しヴォリュームがあります。題名通り、猛禽類の渡りについての本です。それも、日本の出版社がしばしば出しているような地域限定のものではなく、世界の猛禽類の渡りを総括的に述べたものです。

内容に関しては、まだ読んだわけではないので、目次だけ並べても仕方がないので、今回は触れないでおきます。そもそも渡りという分野には疎い上、ざっとページをめくってみただけでも図表やグラフなどが満載で、とっつきにくい感じがしました。このような本を読みこなせるようになるのは、相当先のことだと思われます。ただ、何も努力しなければ、一生読むことはないので、いつかは読めるよう、前進あるのみです。

それだけで終わってしまってはつまらないので、この本の思い出について触れておきます。この本は高校時代、日本野鳥の会のバードショップで見かけた記憶があります。表紙を見て思い出しました。当時、ぼくはバードショップで猛禽関係の本を見つけると、英語が読めないくせに強引に買い込んでいました。特に、図鑑タイプの本には目がありませんでした。英文の解説が読めなくても、写真やイラストを見ているだけで楽しかったからです。そういった本を眺めながら、次第に英文に慣れてきました。しかしながら、この本は購入を控えました。というのも、当時のぼくには難解すぎたからです。写真やイラストがなかったこともありますが、このような英文ぎっしりの分厚い本は身分不相応(?)に感じたものです。そういうわけで、買い逃し組になりました。なお、やはりバードショップで売っていたHawks in Flight(Dunne, Sibley & Sutton, 1988)は難解と思いつつも購入しました。

ぼくのHPは現在、「各種解説」を進めています。これからはハヤブサ類にとりかかる予定です。このページは300種以上の猛禽を扱う以上、広く浅くになりますが、いずれはイラストも取り入れようと思っています。それが済んだら、猛禽類の生態(狩り、渡り、繁殖etc.)や人間との係わりあい(保護、文化、鷹狩りetc.)などにも範囲を広げるつもりです。そのため、現在では読めない本でも、いつか役に立ちそうなものは購入しています。

2008年10月12日 (日)

イーグル ~誕生から巣立ちへ~

本日、Creative Coreで注文していたイーグル ~誕生から巣立ちへ~が届きました。ナショナル・ジオグラフィックのカンムリクマタカの映像作品で、かなり以前に製作されたものですが、日本では去年になって初めてDVD発売されました。

この作品の存在を知ったのは、とある友人からです。彼とはネットで知り合ったので、直接会ったことはありませんが、Eメールと電話で遣り取りしていました。彼はカンムリクマタカが三度の飯よりも好きな男でしたが、わけあって書籍からではなくネットで情報収集していました。その友人がこの番組の元版であるTalon-An Eagle's Storyを入手したというので、Amazon.co.ukで検索してみたら、VHSのみで、品切れでした。ナショナル・ジオグラフィックの番組はヴィデオ化されてもほとんどはすぐに絶版になってしまうので、手に入らないだろうと思っていましたが、つい先月に日本でDVD化されたので、購入しました。

内容は南アフリカの亜熱帯の山麓で野生動物映像作家マイバーグが3年にわたってカンムリクマタカの子育てを撮影したドキュメントです。彼は巣の近くに櫓を立てて観察しました。主人公であるタロンと名づけられたカンムリクマタカの雛が卵から孵化して巣立つまでの様子を追ったものです。

カンムリクマタカの餌となる動物も紹介されています。ヴェルヴェットモンキーやヒヒといったサル類が挙げられます。ヴェルヴェットモンキーは警戒心が強いので、雄が上空で鳴いて注意を引き、雌が不意討ちをかけるという方法で狩っています。ヒヒを狩るシーンはありませんでしたが、マイバーグの語り口からすると、ヒヒも餌食となっているようで、実際にカンムリクマタカを警戒しているようでした。一方、ヒヒもカンムリクマタカの雛を捕食することもあり得るようです。

また、ノドジロイワオオトカゲやハダダトキも狩られていました。一般にカンムリクマタカの餌動物の大半が哺乳類で、爬虫類と鳥類はごくわずかと言われていますが、このつがいはさまざまな動物を幅広く捕食しているということでした。

一方、ハタオリドリやヤモリなどは獲物にするには小さすぎるせいか、カンムリクマタカの巣の近くでも平気なようでした。ヤモリなどは抱卵中の母鳥の背に乗って、水分を求めてたかる針のないハチを捕食していました。

猛禽類は一般に、雌が雄よりも大型ですが、カンムリクマタカも雌雄で並ぶと明らかに体格差がありました。マイバーグによると、雌が抱卵したり、孵化後間もない雛の面倒を見ている間は体重の軽い雄が狩りに専念するようです。雛が成長すると、雌も狩りに出て大型の獲物を持ち帰るようになりました。

カンムリクマタカは外国産の猛禽類ではメジャーな部類で、かつ人気絶大なようです。その一因として、アッテンボローのThe Life of Birdsが挙げられると思います。何しろサルを襲って鷲づかみにするシーンが捉えられていますから、文句なしに説得力があります。また、最近では化石人類を捕食したことが知られています。

日本の出版事情を考えると、外国産の猛禽類についての情報はなかなか出版物では入手できません。洋書が読めれば別ですが、一般の鳥好きには扉が開かれているとは言い難いものがあります。件の友人も海外のHPを翻訳ソフトで読んでいるそうです。そうした状況下で、動物園を別にすると、海外の猛禽が一般人の目に触れる機会はTV番組などの映像媒体が最も普遍的と言えるでしょう。この作品も、日本語で見聞きできる貴重な情報源となるでしょう。

2008年10月 6日 (月)

Days with the Golden Eagle

留守中に届いていた本の最後の1冊の紹介です。Seton Gordon著のDays with the Golden Eagleです。1927年に出版された本で、本体123.24ドル+送料8.18ドル=合計131.42ドルです。これも7月にイギリスの古書店に注文していましたが、やはり2か月以上かかりました。

著者のGordonはイギリス(特にスコットランド)の自然に関して多数の著書があり、1955年のThe Golden Eagle: King of Birdsは平凡社から「イヌワシの生態」として和訳されており、こちらは訳書も原書も既に入手済みです。まず、訳書の内容を読んで頭に叩き込み、原書と照らし合わせるという読み方をしています。翻訳の勉強として読んでいるのですが、この本には本書Days with the Golden Eagleの内容がかなり引用されています。それで読んでみたくなったわけです。

本書もまだ完読したわけではありませんが、以下のような内容です。

1. Scottish Earies of the Golden Eagle

2. A Pair of Eagles and Their Home Life: The First Four Weeks

3. A Pair of Eagles and Their Home Life: Abel Survives his Ill-treatment

4. A Pair of Eagles and Their Home Life: Feathering

5. A Pair of Eagles and Their Home Life: Preparing for the Wide World

6. A Pair of Eagles and Their Home Life: Conclusions

7. The Country of the Eagle: Early Spring in the Cairngorms

8. The Country of the Eagle: April on the Roof of Scotland

9. The Country of the Eagle: A Highland Forest in Spring

10. A West Highland Eyrie

11. The Country of the Eagle: The Fionn Leirg and its Twelve Shielings

12. The Country of the Eagle: A Lochaber Deer Forest in May

13. The Country of the Eagle: Ben Cruachan in Snow

14. Eagles, Grouse Preserving and Sheep Farming

15. The Country of the Eagle: A High Corrie of the cairngorms: Garbh Choire Mor in Spring

16. Highland Stories of the Eagle: Sheep and Deer

17. Highland Stories of the Eagle: Foxes and Cats

18. Highland Stories of the Eagle: Grouse, Goose, Peregrine, and other Victims

19. Highland Stories of the Eagle: Miscellaneous

20. The Country of the Eagle: Loch A'an of the Eagle Cairngorms: Midsummer

21. Traditions of the Eagle

22. The Country of the Eagle: Autumn in the Isle of Skye

23. The Status of the Golden and Sea Eagles, Past and Present

各章の題名のみを列挙するのもどうかと思うので、最後の章に目を通してみました。イギリスには現在、イヌワシとオジロワシの2種のワシが分布していますが、かつてはそれぞれの若鳥が別種とみなされていたため、4種だと思われていたようです。イヌワシは成鳥がGolden Eagle、若鳥がRing-tailed Eagleと区別され、オジロワシも成鳥がWhite-tailed EagleまたはCinereous Eagle、若鳥がSea Eagleと区別されていました。

2008年10月 5日 (日)

BrownのBirds of Prey

一昨日および昨日に続き、留守中に届いていた本の紹介です。今回は猛禽本です。BrownといってもかのLeslie Brownではなく、別人のPhilip Brown著のBirds of Preyという本です。1964年に出版され、ハードカヴァーですが124ページと軽い本です。本体7.22ドル+送料8.20ドル=合計15.42ドルと安価でした。7月に注文しましたが、イギリスで注文すると船便で送ってくるようで、2か月以上かかりました。

本書はイギリスの猛禽類(フクロウ類を含む)についての本で、それほど専門的ではなく、一般向けの読み物といった感じです。

内容は以下の通りです。

1. The Golden Eagle

2. The Osprey

3. The Falcons

4. The Harriers

5. The Red Kite

6. The Buzzards

7. Sparrowhawk and Gos

8. Owls

9. Persecution and Protection in Perspective

1種類について書かれたものと、グループを解説したものがあります。ざっと目を通してみると、イギリスでの生活史を中心に平易な文章で語られています。イヌワシの章では、Leslie BrownやSeton Gordonの著書が引用されていました。

ここのところ、惰性で本を買っていますが、猛禽本にもあまり目を通していません。いずれはシノプシスでも書かなければと思っているのですが、本書もいつになるのかわかりません。

2008年10月 1日 (水)

ノースウェスト航空機

日付は変わっていますが、前日の話の続きです。日本時間では今日になっているからです。

ノースウェスト航空機に乗り込んだとき、窓側席でした。隣には日本人らしい年輩の女性が座っていました。しばらくして、ぼくの前の席にやはり日本人らしい女性が座りました。その人の顔を見たとき、驚愕しました。昔の彼女にそっくりだったからです。それだけではありませんでした。その人の連れとおぼしき男性がその隣の座席に腰掛けました。彼女とはもう10年以上も会っていません。そのときには、他人のそら似だと思いました。正確には、そうであることを願いました。

やがて機は出発しました。窓側席で嬉しいのは、離着陸時にあります。飛び立った直後に見える地上の風景です。

しばらくして、ぼくの隣の女性が何か話しかけてきました。ぼくは日本語で応答しました。すると、英語で話しかけられました。その人はフィリピン人だということでした。その人は通路側に腰かけていたので、トイレに行く際には、立ってもらわなければならないなと思っていました。

その後、ステュワーデス(アメリカ人)が機内食を配り始めました。ビーフとチキンがあり、どちらかを選択するようです。ぼくは鶏肉が食べられないので、ビーフにするつもりでした。ところがぼくの番になったとき、ビーフは残っていないので、チキンにしてくれと言われました。そこで、I can't eat chicken.と答えました。ステュワーデスは別の通路にいた男性の乗務員に、ビーフはないかと声をかけてくれ、おかげでビーフにありつけました。そのとき、前の座席にいた女性が振り返ってぼくのほうを見ました。そのときには、やはり同一人物だと思いました。彼女はぼくが鶏肉を食べられないことを知っているはずだからです。

そのとき、財布に残しておいた10ドル札で、ビールとワインを購入しました。酔っ払って寝てしまおうと思ったからです。しかし、眠れませんでした。結局、トイレに2回行った他、まる10時間、座席についていました。この間、前の座席からの会話が聞こえないようにイヤホンをつけっ放しにし、前の光景が目に入らないように、帽子を目深にかぶったままにしていました。とにかく、一刻も早く、成田に到着することを願っていました。

日本時間の午後5時半、成田に着くと、さすがにイヤホンをはずさざるを得ませんでしたが、そのとき、前の座席の会話が耳に入りました。そこでわかったのですが、その2人は日本人ではありませんでした。会話が日本語ではなかったからです。隣のフィリピン人女性もそうでしたが、その機には日本人以外の東洋人がたくさん載っていました。彼らは成田で別の国際線に乗り換えていました。日本人の乗客はごくわずかだったようです。

手荷物を受け取ったあと、入国審査があり、税関で申告しました。といっても、書籍だけでしたが。申告書に、「書籍 200ドル」とだけ記入して提出したら、あっさりと通してくれました。

京成スカイライナーに乗る前に、パンとコーヒーで食事しました。その場には、長い棒を持った警官が目を光らせていたのですが、東南アジア風の男性が不審者だと思われたのか、警官から身体検査されていました。

9日ぶりの我が家は特に変わってはいませんでした。ただ、愛猫のチビタ(生後4か月)は一回り大きくなった感じがしました。熱帯魚4匹も無事で、留守中に世話をしてくれた母に感謝です。鏡を見たら、ロッキーの山頂で紫外線を浴びたせいか、日焼けしており、髭が伸びていたので(剃らなかったから)、ワイルドな顔立ちになっていました。留守中にAbeBooksで注文していた洋古書が4冊届いていましたが、それについては後日書きます。

2008年9月30日 (火)

シアトル空港

8泊9日のアメリカ旅行も今日でいよいよ最終日です。この1週間、アドレナリンが出まくっていたせいか、1週間が1年くらいに感じられたものですが、あっという間のようでもありました。

昨日の夕方に寝る前に飲んだ睡眠剤が効いたせいか、ずっと寝ていました。午前3時にモーニングコールを頼んでいましたが、その直前に目が覚めました。荷物を整理すると、5時ごろにフロントでチェックアウトし、シャトルバスで空港まで送ってもらいました。下車するとき、運転してくれたホテルの従業員に礼を言って、1ドル札をチップとして出し、「日本にはこういう習慣がないので、最初は戸惑いました」と言って別れました。

ミズーラ空港では搭乗手続きをした際に、手荷物を預けました。往路は大して荷物を持っていなかったので、機内に持ち込みましたが、現地でいろいろ買い物をしたので(といっても書籍のみです。3年前のベルギー・フランス旅行も似たようなものでしたが)、持ち歩くのがしんどかったので、助かりました。成田まで預かってくれるということでした。その後、空港でジュースやチョコレートを買い漁って時間をつぶし、7時にアラスカ航空機に搭乗しました。1時間半の飛行の後、7時半にシアトル空港に到着しました(シアトルはミズーラと時差1時間)。

シアトル空港では、成田行きのノースウェスト航空に乗り換えるはずですが、出発が午後2時半ということで、7時間待たされることになりました。この間、シアトル水族館に行こうかとも思っていたのですが、帰りの便に乗り遅れる恐れもあったので、空港内でぶらぶらしながら時間をつぶしました。どうせなら、シアトルで1泊すべきだったと思いましたが、あとの祭りでした。ここでも飲食しながらぶらぶらしていたのですが、サンドウィッチはヴォリュームがあって旨かったです。また、空港内のバーでビールを飲みました。ここではパスポートの提示を求められましたが、カウンターの女性は親切で、ミズーラ滞在について話をしたりもしました。

午後1時ごろ、出国手続きをしました。入国手続きに比べて驚くほど簡単でした。出発ゲートでもまた待たされましたが、ここでも買い喰いしていました。ジュースが高く、3ドルでしたが、最後なので出し惜しみはしませんでした。ただ、機内ではビールとワイン両方を購入するつもりだったので、10ドル札は手元に残しておきました。

午後2時半、ノースウェスト機に搭乗しました。嬉しいことに窓側席でした。といっても、離陸と着陸時しか楽しめないのですが、中央席よりはましです。10時間の空の旅は退屈ですが、景色を楽しむのも乙なものでしょう。日本は10月1日に入っているはずです。

2008年9月29日 (月)

Elk Country

ここのこころ、ぼくは不眠症です。去年までは病院から処方された睡眠剤なしには眠れませんでした。それを飲まなくなってようやく1年が過ぎたというのに、今度は普段経験しないようなことをすると、興奮して眠れなくなってしまうのです。体は疲れているのに、頭が妙に冴えてしまうのです。今回の学会もそうでした。一昨日は最終日でしたが、閉会パーティーが終わって帰宅しても、1時間ほど寝た程度で目が覚めてしまいました。昨日はホークウォッチングで、十数年ぶりの登山だったのにもかかわらず、やはり1時間ほどで目が覚めました。そこで、しばらく休息したあと、会場のホテルの売店で購入した30枚の絵ハガキを書き始めました。

前日、宿泊しているホテルのフロントで切手を購入しました。しかしながら、アメリカ国内用の42セント切手が26枚しかありませんでした。合計10ドル92セントでしたが、きっかり10ドルだけ請求されました。とりあえず、26枚分貼り付けました。この切手には金額が額面表示されず、Foreverと書かれていました。将来、郵便料金が変わっても、そのまま使えるという意味らしいです。

ハガキの宛先ですが、日本の友人や知人29人と、13年前にカナダでお世話になった人に宛てて書きました。アナログ人間らしく、一通一通心をこめて手書きでした。午前中いっぱいかかってやっと書き終えました。

その後、フロントへ行ってまだ切手はないかと訊ねたところ、42セント切手しかなかったので、4枚購入しました。日本まで送るには94セントかかるので、残りは郵便局で買うことにしました。そこでホテルのシャトルバスで郵便局まで往復で送ってもらいました。運転手はガラの悪そうな人でしたが、気さくで、日本についていろいろ質問してきました。山について訊かれたので、浅間山は今でも噴火しているが、富士山は旧火山で、200年以上前に噴火した記録がある、というようなことを説明しました。

郵便局では窓口で並んでいると、後ろにいた年配の女性がいろいろ世話を焼いてくれ、窓口の職員にも説明してくれたりしました。カナダへ出す一通は窓口に出し、27セント切手を58枚購入し、日本へ送るハガキに2枚ずつ貼り足しました。シール式だったので、貼りやすかったです。貼っている最中に昨日のホークウォッチングのメンバーだった女性と偶然にも出会い、少し話しました。ポストに投函したあと、シャトルバスで宿に戻りました。

その後はホテルに隣接しているファーストフード店で食事し、Sleep, sleep...の予定だったのですが、頭が冴えて眠るどころではなかったので、ホテルの近辺を散歩することにしました。しばらく歩くと、上空をタカが1羽、飛んでいました。双眼鏡を持っていなかったので、肉眼でしか見ることができませんでしたが、アカオノスリのようでした。

さらに歩くと、Elk Countryなる場所につきました。Visitor Centerなる建物に入ると、エルク(アメリカアカシカ)の博物館で、入場無料でした。エルクをはじめ、さまざまな野生動物の剥製が展示されていました。エルクはムースに次ぐ巨鹿とあって、バイソンと並んでも遜色がないように見えました。また、狩猟に関するものや、ネイティヴ・アメリカンの文化についての展示物もありました。ここを運営しているRocky Mountain Elk Foundationの募金箱があったので、1ドル8セント投入しました。なぜ8セントかというと、小銭を処理するためです。

その後、宿に戻りました。眠くはなかったのですが、ここ数日の平均睡眠時間が1時間程度だったので、本当に眠らなくてはまずいと思いました。明日は帰国です。途中で倒れたら洒落にもなりません。フロントに、午前5時にチェックアウトするから、3時に起こしてくれと言って、睡眠剤を飲んでベッドに入りました。

2008年9月28日 (日)

ロッキー山頂のホークウォッチング

4日間続いたRaptor Research Foundation2008年度大会は昨日で終了しました。今日はField Tripsの日です。ぼくはBozeman付近のBridger Mountainsでのホークウォッチングを申し込んでいました。しかしながら、Glacier National Parkの真南に新しいタカの渡りルートが発見されたことで、予定変更となりました。リーダーはHawkWatch InternationalのSteve Hoffman氏です。

午前6時、会場となったホテルのロビーで集合しました。10人のパーティーでしたが、ぼくは5人のグループで1台の車で乗り合わせることになりました。リーダーのSteveの他、NoraとJanetの年輩の女性2人、運転手はJessieという若い女性でした。前日、ぼくに予定を教えてくれたのはNoraでした。車に乗り込んでシートベルトを締めると、まだ暗いうちにスタートしました。

その後まる3時間、ひたすら走り続けていました。そうしているうちに、少しずつ明るくなり始めました。街路樹の枝にミサゴの巣がありました。8:30ごろ、道路わきの店で休憩しました。ここでNoraからマフィン、リンゴ、バナナ、それにミネラルウォーターを受け取りました。Steveから、「きみのために作ったんだ」とものすごく大きなハンバーガーを渡されたときには感激しました。店ではコーヒーを1杯注文しました。Jessieと少し会話をしました。彼女は教育関係の仕事をしているということでした。その後、再びスタートし、路上にあったイヌの死骸をよけたり、道路わきにウシやウマや野生のオジロジカがいたりしました。近くをアカオノスリが飛んでいたのですが、Steveは「レッドテイルド・バザード」と、バザードの部分を強調して呼んでいました。ノスリ類はヨーロッパではBuzzardですが、アメリカでは単にHawkなのですが。

9時ごろ、山の麓の駐車場につきました。Jessieが双眼鏡と上着(すごくきつかった)を貸してくれました。別の車2台も加わり、総勢10名でした。あと、イヌ1頭でした。その後は1時間ほどかけて山頂までテクテク登りました。登山は学生時代以来でしたが、苦になりませんでした。ただ、他のメンバーの台詞に「グリズリー」という語が頻発したので、少し心配でした。イヌを連れて行ったのは、いざというとき、相手の注意をそらすためだったのでしょうか。登山中、ベリーの実が多数あり、つまんで口にしたりもしました。シロイワヤギの食事あとも散見できました。

山頂は尾根になっており、その一角に陣取ってホークウォッチングとなりました。まず、アシボソハイタカが出現しました。続いてクーパーハイタカ、ハヤブサ、ハイイロチュウヒ、アカオノスリ、アメリカチョウゲンボウが現れ、イヌワシまでいました。イヌワシは成鳥も若鳥もいましたが、成鳥はこのあたりになわばりを構えているようでした。あたりの地形は一望できましたが、針葉樹が所々に生えているだけで、山肌がむき出しになっており、ワシの目から見て獲物を探しやすいように感じました。アカオノスリは13年前にもカナダで見ましたが、Harlan's Hawkと呼ばれる尾の赤くない亜種でした。今回見たものは尾が真っ赤でした。ハクトウワシの若鳥もいました。コチョウゲンボウはサーヴィス精神旺盛(?)なことに、頭上わずか数mの所でキッキッキ…と鳴きながら何度も旋回し、近くを通りかかったアシボソハイタカを相手に空中戦を演じたりしていました。猛禽以外の鳥ではワタリガラスが多く、あとはアメリカムシクイ類などの小鳥がいました。ワタリガラスはイヌワシにモビングしたり、アカオノスリの若鳥を包囲したりしていました。ワタリガラスのほうが大きかったので、ノスリの若鳥はひやりとしたのだと思います。

正午には昼食をとりました。先ほど渡されたハンバーガーに喰らいつきましたが、一度に全部食べるのは無理でした。また、メンバーで雑談もしていました。15歳の少年からぼくの両親くらいの年代の人もいましたが、老若男女関係なく、猛禽好き同士で会話を楽しんでいました。ぼくもいろいろ話をしました。日本人相手、特に初対面の人にそういう話をしたりすると敬遠されることが多いのですが、ここではそんなことは関係ないようでした。その間、他の登山客とも出会いましたが、イヌを連れている人が多かったです。このあたりにはピューマやオオヤマネコもいると聞かされました。

午後4時ごろ、下山し始めました。その途中で、シマリスを見たり、シロイワヤギを何度も見たりしました。駐車場まで下りたとき、そこの木の梢にコマツグミがいました。

それから、3時間かけてミズーラに戻りました。その間、どんどん暗くなっていきました。路上にオジロジカがいたり、電線に止まっているアメリカワシミミズクを3度も見ました。ミズーラに着くと、ガソリン代として各自20ドルずつJessieに渡しました。そして、「来年、スコットランドで会いましょう」といって別れました(行けるかどうかわかりませんが)。

会場のホテルのフロントで宿への車を呼んでもらいました。そこで、Ettaに会いましたが、彼女は明日、イヌワシへの標識を見学するということでした。羨ましいと思いましたが、まだ機会はあると思って、宿へ戻りました。

明日は1日、フリーです。日本へ出すハガキを書いたあとは、またSleep, sleep...ということになりそうです。

2008年9月27日 (土)

RRF大会最終日

今日はRRF大会の最終日です。いつものように宿で朝食を摂ると、7:00ごろ、シャトルバスで会場まで送ってもらいました。そこのレストランで、30代くらいの女性とさしで同じテーブルになりました。彼女は朝食を注文していました。ぼくは満腹していたのですが、何もないのはどうかと思ったので、ビールを注文しました。話の内容はいつもと同じようなものでしたが、それなりに弾みました。

8:00から午後5:00まで、シンポジウムがありました。この間もいろいろな発表があったのですが、全部ぶっ続けに顔を出したのではなく、ときどきコーヒーやお菓子などを口にしながら、他の会員と談話していました。午後2:00ごろ、Sean S. Wallsという人がラジオトラッキングについて発表していました。この人とは初日の開会パーティーで知り合い、何度か会話をしていました。彼はオオタカの研究者であるRobert E. Kenward博士と共同で研究をしているそうです。内容はまったくわかりませんでした。日本語で説明されてもわからなかったと思いますが、ひと口に猛禽研究といってもいろいろな分野があるわけで、奥が深い世界であることを実感しました。

この日は別の書店がテーブルを出し、猛禽本を並べていました。去年出版されたRaptor Research and Managementなる分厚い本を60ドルで(David Hancock著のThe Bald Eagle of Alaska, BC and Washingtonをおまけにつけてくれた)、Jerry Olsen著のSome Time with Eagles & Falconsを20ドルで購入しました。また別の店で猛禽本ではありませんが、Ice Age Mammals of North Americaという氷河時代の哺乳類についての本があり、立ち読みしてみたところ、ネコ科の進化についての解説があったので食指を刺激されましたが、本を買いすぎていたので、帰国後にAmazonで買えるだろうと思って見送ることにしましたが、出店していた人がぼくの内心を見透かしていたのか、ただでくれると言ったので、ありがたく頂戴しました。閉会前で店をたたむ直前だったからのようです。

午後4時ごろ、さすがに疲れたので、いったん宿に帰って休息することにしました。タクシーで戻り、宿の人に「7時ごろ、また会場に行く」と言って、少し眠りました。6時45分に起こされて、再びタクシーで会場に向かいました。ぼくが寝ている間に会場ではSilent Auctionが行なわれていたようです。

午後8時から閉会パーティーでした。食事はバイキング形式だったので、並んでいましたが、出席した人数が多かったので、少し待ちました。ぼくの後ろに並んでいた女性が、Brownという名札だったので、「Leslie Brown博士の御親戚ですか」と訊いてみました。もちろん冗談です。彼女は「Brownとは英語圏に多い苗字だから」と言っていました。また、「あなたは鷹匠ですか」と訊かれました。この学会で出会った多くの人からは学生だと思われたのですが、鷹匠かと質問してきた人は彼女の他にもう一人いました。食事中、ワインを2杯飲んだので、少し眠くなりましたが、最後なのでなるべく多くの人と会話しました。食事後も広間で別れを惜しみつつ、時間を過ごしていました。わずか4日間とはいえ、学会の内容のみならず、いろいろな人と出会って会話をし、貴重な体験でした。

帰りは、いつもタクシーやシャトルバスの件でお世話になっているこのホテルのフロント嬢が宿まで送ってくれました。

明日はロッキーの山頂でホークウォッチングです。同行することになる人から、食事を用意するので、明朝6時にこのホテルで集合するようにと言われました。

2008年9月26日 (金)

RRF大会3日目

本日でRRF大会3日目です。ホテルに枕銭1.33ドル残し(小銭を処理するため)、シャトルバスで8:00までに会場に到着し、Erick Greene博士のPlenary Speaker: Raptors―From a Different Point of Viewに出席しました。ここで、東洋人の女性がいました。海外で東洋人に出会うと、日本人でなくてもなぜかホッとします。彼女は香港人で、Ettaという名で、いただいた名刺によるとトビの研究をしているということでした。

続いて口頭発表です。9:00からClark博士の講演が二連発でした。Krider's HawkとHarlan's Hawkについてです。この両者はアカオノスリの亜種ですが、尾が赤くないものです。13年前にカナダで見たのは後者でした。前者についてはDNA鑑定についての研究でした。

その後も口頭発表がありましたが、すべて出席したわけではなく、広間でコーヒーを飲みながら、他の会員と会話していました。バイソンの話題が出たので、「今は増えすぎて間引きしているそうですね」と言ったら、ここのレストランではバイソンバーガーなるものがあるということでした。そこで、昼食はバイソンバーガーでした。光栄にも、Clark博士、Davis博士、それにEttaと同席しました。

それから、ホテルの売店でさらに絵ハガキ15枚を購入しました。また、Buteo BooksでMeyburg & Chancellor共編のRaptors in the Modern WorldおよびGerrard & Bortolotti共著のThe Bald Eagle: Haunts Habits of a Wilderness Monarchをカードで購入しました。その周辺をうろついていたら、数人の学生グループと意気投合し、近くのバーに飲みに行こうということになったのですが、疲れていたので、「胃が痛いから」と言って辞退しました。今考えると惜しいことをしました。学生と言えども、将来の猛禽研究者のタマゴですし、猛禽本の著者になるかもしれません。先のことを考えると、彼らと親しくなっておくべきでした。

それで、少し後悔しながら、ホテルのレストランでぶらぶらしていたら、スペイン人1人とアルゼンチン人2人のグループから誘われて同席しました。このときはビールを注文しました。彼らとは英語で会話をしていましたが、スペイン語訛りのせいか、聞きとりにくかったです。それでもスペイン人の会員は、スペインにはヒゲワシがいると教えてくれました。また、アルゼンチンにはコンドル6種とカラカラ3種が見られるとのことでした。さらに近くにいた初老の男性2人が加わりました。そのうちの1人から名刺をいただき、R. Wayne Nelsonという方でした。13年前にカナダのガリアノ島でハヤブサを見たと言ったら、それは多分、オオハヤブサとアメリカハヤブサのハイブリッドだろうということでした。

午後5:00~7:00、ホテルの近くの画廊でパーティーがありました。鳥や自然を題材に作品を制作しているアーティストで、気さくな方で、いろいろ話をしました。熊本に旅行されたとかで、そのとき入手した浮世絵を題材にイラストを描いたということで、その絵ハガキをいただきました。画廊に魚を掴んでいる猛禽のオブジェがあり、「ミサゴか?」「ヘビクイワシとのハイブリッドみたいだな」「いや、クロコンドルだろう」と議論したりもしました。

午後7:00~9:00はホテルの裏庭でピクニックとなりました。風に吹かれて、少し寒い思いをしつつも、食事し、ビールを飲んでいました。ここでもいろいろな人と話をしました。北海道に住んでいたと言ったら、「グリズリー、いやブラウンベアは見たか?」と訊かれたりもしました。

その後は宿の人がシャトルバスで迎えに来てくれました。

2008年9月25日 (木)

RRF大会2日目

今日はRRF2008年度大会の2日目です。午前9時ごろ、ホテルのシャトルバスで会場に行きました。実は8:00~8:30にミズ―ラへの歓迎の講演があり、8:30~9:30に恐竜から鳥類への進化の話があったのですが、それには顔を出しませんでした。

9:30~10:00のCoffee Break(この間にも何人かの人々と会話しましたが)を経て、10:00~12:00に2部屋に分かれて口頭発表がありました。もちろん、両方とも顔を出すわけにはいかず、片方のみでした。内容は理解できるものもあり、できないものもあり、という感じでした。スライドにも映像を映し出していたので、まったくわからないというわけではありませんでしたが、詳しい要旨が配布されていなかったのが残念でした。12:00~13:40が昼食時間で、ホテルのレストランで食事している人もいましたが、ぼくはコーヒーや菓子をつまんだ程度で済ませました。13:40~15:00に口頭発表、30分のCoffee Breakを経て、15:30~17:00にまた口頭発表がありました。

17:30~19:30がポスター発表でした。このときはポスターの前で、直接解説してもらえました。学生から年輩の研究者まで、いろいろな人が解説していました。その中で、Peregrine FundのLloyd Kiffという方から興味深いお話をうかがいました。Peter Steyn博士など、猛禽本の著者とお知り合いだと言っていました。名刺をいただいたので、いずれEメールで問い合わせてみようかと思っています。その他、奥さんが日本人だという方もいました。出会ったどの方も親切で、会話していて楽しかったです。

この日はTシャツ(15ドル)と、昨日目をつけておいた豪華本Life With an Indian Prince(100ドル)そしてJohn Baker著のThe Peregrine(5ドル)を購入しました。また、ビールとワインが有料でした。

20:00から近くの映画館でLife With an Indian Princeというちょっとした映画を見ました。アメリカの鷹匠兄弟とインドの藩王との交流を描いたドキュメントで、ラガーハヤブサなどの猛禽を捕獲する映像がありました。これはもちろん鷹狩り用ですが、サメイロワシなどは小型の猛禽を捕食するせいか、害鳥扱いでした。もっとも、時間が遅くなっていたので、途中で退出して宿に戻りました。

翌日は早く会場に行きたかったので、モーニングコールを頼み、25セントをチップとして出しておきました。

2008年9月24日 (水)

RRF大会初日

本日はいよいよ、Raptor Research Foundationの2008年度大会の初日です。昨日は疲れて1日中、寝ていましたが、今日は初めての遠出となります。朝食はホテルのヴァイキングで腹ごしらえしました。大会はミズーラの別のホテルで正午から受け付けということなので、11時ごろ、タクシー会社に電話して迎えに来てもらいました。枕銭として2ドル残し、出掛けにフロントで外出する旨を告げると、ホテルのシャトルバスなら無料で送迎するということでしたが、もうタクシーは手配したので、明日からということにしました。会場まで11ドルでした。

会場は結構大きなホテルでした。まだ正午前でしたが、受け付けは準備できており、学生ふうのヴォランティアが数人いました。名前を名乗ると、ぼくのネームプレートを渡されました。他に日本人はいないか聞いてみましたが、ぼく以外は皆無だということでした。午後6時から開会レセプションということで、それまで暇なので、付近を散歩することにしました。

まず、昼食として、街中の屋台でチリドックとマウンテンデューをいただきました。それから近くを歩きまわったのですが、特に変わったものはありませんでした。図書館で読書したり、ホテルの側を流れている川のサイクリングロードを散歩したりしましたが、午後4時ごろ、会場に戻りました。

そこで、受け付けにおいてTシャツを購入したら、巨大マグカップまでくれました。割らないようにTシャツに包みました。また、ホテルの売店で絵ハガキを15枚購入しました。その後、会場を物色していたら、Buteo BooksとPeregrine Fundが書籍を販売していました。洋書コレクターとしては食指が動きます。Peregrine Fundなど、そこで出版したPeregrine Falcon Populationsなる949ページもの本をわずか5ドルという信じられない値段で売っていました。無論、購入しました。1988年出版でしたが、新品同様でした。5冊は並べていたようです。思うに在庫が残っていたので、この際に捨て値で叩き売ろうとしていたようです。他に、Life With an Indian Princeという物凄い装丁の本を100ドルで出していました。豪華本に弱いぼくですが、この日はあまり大金を持っていなかったので、見送りました。Buteo Booksも古書を山積みにしていました。まず、Robert Kenward著のThe Goshawkを42ドルで購入しました。Amazon.co.jpの半額程度です。また、会場に居合わせたKate Davis著の新刊本であるFalcons of North Americaを22ドルで購入したところ、写真家の一人Nick Dunlopがサインしてくれました。

午後6時から開会レセプションが始まりました。最初は各テーブルでワインを飲み、食事しながら、隣り合わせた会員同士で会話が始まり、その後、他のテーブルも回りました。無論、日本語の通用しない世界で、英語のみの会話ですが、言葉は違えど猛禽好き同士ということで盛り上がりました。学生時代に日本野鳥の会に入会し、「猛禽が好きな人と知り合いたいのですが…」と問い合わせたところ、「ウチではそういう紹介はしていません。パソコン通信をやりなさい」と返され、「それじゃ入会した意味がないじゃないか!」と脱会した思い出があります。そのとき果たせなかった夢が実現しました。

知り合った人の多くから、「学生か?」と訊かれました。ぼくが猛禽類を専攻している学生だと思われたようです。中には、ぼくも学会で発表予定だと思っていた人もいたようです。「アマチュアだ」と回答しました。学生ふうの若い人もたくさんいましたが、彼ら(大部分はアメリカ人)は思っていたよりもまともでした。アメリカの学生というと、軽薄なイメージがあったのですが、真面目な感じの人が多かったです。彼らに比べると、日本人の学生のほうがへらへらしています(ぼくもそういう学生の一人でした)。また、中高年の会員も親切な人が多かったです。初めて対話し、自分の両親くらいの年齢の人もいましたが、リラックスして話せました。そのうち、Bill Clarkというネームプレートの男性が挨拶して回っていました。この人の著書は何冊か読みましたが、実際に会えるとは思いませんでした。

午後8時から、別室でClark博士の講演であるEagles of the Worldが始まりました。ワインを飲みすぎて眠かったのですが、聞いているうちに目が覚めました。文字通り世界のワシ類(クマタカ類含む。ハゲワシ類含まない)の話でした。最初は北米のハクトウワシとイヌワシ、それから極東のワシの話で、オオワシはオウギワシと並んでトップクラスだが、翼開長では世界最大、ということでした。そしてインド亜大陸、アフリカ、中南米、マダガスカルのワシ類について解説がありました。1種1種について丁寧に触れていたので、猛禽ファンにとっては言うことなしです。最新の分類の話もありました。カワリクマタカはクマタカ属から独立するとか、クマタカは日本産亜種と大陸産亜種が分離するとか、モモジロクマタカとボネリークマタカはイヌワシ属に含まれるだろうとか、マダガスカルヘビワシはヒゲワシおよびエジプトハゲワシに近いとか、フィリピンワシはヘビワシ類に近いとか、日本の機関ではおよそ話題にならないと思われることが解説されていました。なお、Clark博士の新刊であるRaptors of Mexico and Central Americaはまだ未完成だということでした。

その後もコーヒーやお菓子を口にしながら、他の会員と話をしていましたが、10時ごろ、タクシーを呼んでもらって宿に帰りました。往路と同じく11ドルだったので、明日はホテルのシャトルバスにしようと思いました。

2008年9月23日 (火)

Sleep, sleep...

今朝は午前7時ごろ、起床しました。朝食はホテルの食堂でヴァイキングとなっていました。おいしそうなものを漁っていると、体格の良さそうなアメリカ人から声をかけられたので、「日本から来た」と答えたら、彼は海兵隊員として沖縄に勤務していたことがあるということでした。ヴァイキングの食事はいずれもヴォリュームたっぷりで、胃袋の小さいぼくなどすぐに満腹してしまい、食事後はしばらく動くのが面倒だったので、ベッドの中にいました。

昼食はホテルの隣のファーストフード店で摂りました。ここもヴォリュームがあり、すぐに満腹しました。その後、ホテルの近くを散歩しましたが、風景は札幌の郊外に似ていました。どこまで行っても同じような風景で、道に迷いそうだったので、ホテルに戻りました。

それからモンタナ州立博物館に恐竜の化石を見に行こうと思って、ホテルのフロントに行き方を質問したのですが、ボーズマンという街にあり、バスで2時間半かかるというので、諦めました。それから、タクシー会社の電話番号を教えてもらいました。

エレヴェイターでボタンを押したときに気づいたのですが、「チィー」という音がしました。7月に家族になった愛猫チビタのことを思い出しました。やつはまだ、幼いせいか、「ニャーニャー」ではなく、「チィーチィー」と鳴くのです。

どっちみち、昨日の空の旅でくたくたに疲れていたので、午後はひたすら寝ていました。

明日からいよいよ学会がスタートします。

2008年9月22日 (月)

13年ぶりの北米大陸

昨日の記事でお知らせしましたが、今日から10月1日までの予定で、モンタナ州のミズーラまで旅行です。同街で開催されるRaptor Research Foundationの2008年度大会に出席するためです。

午前7時、自宅を出て、成田空港へ向かいました。到着したのは9時前、少し早すぎる時間帯でした。9時17分、日本円を米ドルに両替しました。200,000円持っていましたが、うち150,000円を1,363ドルに両替し、50,000円を予備として残しました。その後、ノースウェスト航空のカウンターでチェックインし、空港内で昼食をとり、午後1時ごろ、出国手続きをしました。出発までにまだ時間があったので、1時半から2時半まで、空港の仮眠室で休息しました。2時50分ごろ、ノースウェスト航空機のシアトル行きへ乗り込み、座席につきました。機は3時50分に出発しました。

海外旅行はいつもそうですが、9時間の空の旅は退屈でしんどいものでした。時々、飲食したり、トイレに行く他は、ただひたすら座席についたままです。隣に、手の不自由そうな男性(おそらく外国人)がいました。ステュワーデスは日本人が多かったのですが、キツイ雰囲気の人が多く、乗客にはつっけんどんに対応していましたが、「働く女性」という感じで良かったのではないかと思います。彼女たちに比べると、JALやANAのステュワーデスたちの過激なくらいの接客サーヴィスが異常に思えたりもします。機内食は2回出ました。アルコール類は5ドルでした。ビールを注文して10ドル札を出しましたが、おつりがないというので、ワインもついでに注文しました。少し酔っ払いましたが、ここのところ不眠症のせいか、眠ることはありませんでした。

9時間の空の旅の後、シアトル空港に到着しました。現地時間で午前8時半でした。北米大陸は学生時代のカナダ旅行以来13年ぶり、アメリカ合衆国は初めてでした。入国手続きに1時間ほどかかりました。係官の男性はいずれも腰に拳銃と警棒をぶち込んでいました。日系人と思われる女性の係官が日本語で支持を出していましたが、日本人らしさはなく、アメリカ人そのものの振る舞いでした。

その後、10時半にアラスカ航空機に乗り換え、1時間の飛行のあと、12時50分にミズーラ空港に到着しました。アラスカ航空機は小型のプロペラ機で、機内の通路は中央1本で、座席は左右に2列でした。ミズーラ空港は函館空港よりも小さいくらいで、エルク、ピューマ、グリズリー、シロイワヤギの剥製が飾られ、まさにシートンの世界でした。空港の売店でMajestic Eaglesという本を購入し、レストランでチリドッグとビールを注文しました。その後、タクシーでホテルへ向かいました。運転手は女性で、熊本に旅行したことがあるそうで、日本語を少し知っていました。料金は13ドル75セントでした。

ホテルにチェックインして、部屋に入りました。ステュディオタイプの結構広い部屋でした。疲れていたので、すぐに寝てしまいました。夕方、目を覚まし、午後9時ごろに自宅へ電話をかけました。国際電話のかけ方がわからなかったので、ホテルの従業員に教えてもらい、チップとして1ドル渡しました。それから、再び、眠りにつきました。

[註]ここで書いた内容は、現地でノートにメモしておいたものです。PCは持っていきませんでした。(10月17日)

2008年9月20日 (土)

North American Birds of Prey

本日、AbeBooksに注文していたScott Weidensaul著のNorth American Birds of Preyがアメリカの古書店から届きました。本体8.95ドル+送料12.95ドル=合計21.90ドルでした。

1989年に出た本で、北米産の猛禽を扱ったものです。収録種はクロコンドル、ヒメコンドル、カリフォルニアコンドル、ミサゴ、ツバメトビ、オジロトビ(ハイイロトビと同種扱い)、ニシクイトビ、ミシシッピトビ、ハクトウワシ、ハイイロチュウヒ、アシボソハイタカ、クーパーハイタカ、オオタカ、クロノスリ、モモアカノスリ、ハイイロノスリ、ハネビロノスリ、カタアカノスリ、ミジカオノスリ、アレチノスリ、オジロノスリ、オビオノスリ、アカオノスリ、アカケアシノスリ、ケアシノスリ、イヌワシ、カンムリカラカラ、アメリカチョウゲンボウ、コチョウゲンボウ、オナガハヤブサ、ハヤブサ、ソウゲンハヤブサ、シロハヤブサ、およびフクロウ類19種です。

この本も惰性で買ってしまったものです。北アメリカの猛禽本は多数出版されており、特筆すべき点はありませんでした。ただ、日中に飛翔中のメンフクロウを2羽のカラスが攻撃している写真がありました。

Weidensaulの著書としては、1996年に出版されたRaptors: Birds of Preyという本がありますが、こちらは名著です。猛禽類全体についての概要に触れられています。このような本こそ日本でも出版されるべきでしょう。

正直言って、ここのところ猛禽類の書籍に関してマンネリ化しつつあります。2日後にRaptor Research Foundationへ出席すべく、モンタナ行きを控えているのですが、その後は何か変化するかもしれません。書籍だけの世界ではなく、実際に人と接して会話する世界に飛び込むべき時期がきたのでしょう。

2008年9月15日 (月)

日本鳥学会2008年度大会

ホームページとブログを立ち上げて、早2年になりますが、最近になってHPを御覧になった方から、直接問い合わせのメールをいただくようになりました。今までは掲示板やブログで遣り取りしてからメールでお話しするケースが大半でしたが、6月にとあるTV局の方からアッテンボローの番組について、続いてとある動物の研究者の方からヤシハゲワシについての問い合わせをいただきました。そして先月、猛禽類がお好きな方からメールがあり、遣り取りするようになりました。この方は日本鳥学会の会員で、今月12日から立教大学で2008年度大会が開催される情報を得ました。同大学は自宅から徒歩20分の場所にあるので、顔を出すことにし、その方ともお会いして食事することにしました。

ぼくはアナログ人間です。PC上での遣り取りは苦手です。というのも、顔も年齢も知らず、HNのみで本名も知らない相手と会話するのが不安だということもあります。そうでなくても、できれば目の前にいる相手と酒でも飲みながら直接会話をしたいというのが本心です。だから、最初はHNで知り合っても、メールで遣り取りするようになった人とはできるだけ本名を名乗ることにしています。しかしながら、ネットで知り合った人と直に会うのは、この方が初めてでした。

立教大会は12日から受け付けを開始し、13~15日にわたって開催されました。そこで12日にその方と立教の正門で待ち合わせし、付近の焼き肉屋で食事しながら猛禽談義をしました。これは初めての体験でした。というのも、日本野鳥の会の探鳥会ではそんなことできなかったわけですから。

13~15日の大会では、すべてを見ることはできませんでしたが、猛禽関係の発表はほぼ顔を出し、質問も積極的にしました。ポスター発表もなるべく多く見ました。紹介してくださった方もポスター発表をされていました。

15日のチョウゲンボウのヘルパー行動の観察について、チョウゲンボウは雛を識別できるかという議題だったので、オーストラリアではクロムネトビがオーストラリアチョウゲンボウの雛を捕食目的で巣に連れ帰り、そのまま育ててしまった、という話をしたら、びっくりされました。ちょっとスパイスが効きすぎたかなと思いました。

また、大成建設の青島正和さんが「環境容量に達するオオタカ個体群の動態シミュレーション」について発表され、「里山ではオオタカは増加しつつある」としたところ、「山岳地帯ではどうなのだ。そこのところははっきりさせなくては話にならん」とツッコミを入れた人がいました。

それ以外にも、自由集会で「森林性大型猛禽類の採餌環境改善の取り組みとその課題」に出席し、公開シンポジウムの「熱帯の鳥類学」も興味深かったです。今月末にRaptor Research Foundationへの出席を控えているので、その意味でも意義ありました。

なお、帰宅したらAbeBooksに注文していたRopes著のThe Campaign of Waterlooが届いていましたが、これについては明日書きます。

2008年9月10日 (水)

The Status & Conservation of Birds of Prey in the Transvaal

早いもので、AbeBooksを利用して1年以上になります。猛禽本でほしいものがたくさんあったのですが、Amazonでは通常は新本のみ、古書となるととんでもなく高価だったりします。そこでAbeBooksを使い始めたのですが、今まで気になっていた猛禽本(いろいろな本の参考文献のページに出ている本)が自分の納得できる値段で簡単に入手できるので、財布の中身が許す範囲ですが、片端から買いまくりました。主な猛禽本はほぼ入手してしまい、最近では惰性で購入しているありさまです。というより、ここのところはナポレオン戦争本(ワーテルロー本onlyですが)のほうに傾いています。

今回、入手したWarwick Tarboton & David Allan共著のThe Status & Conservation of Birds of Prey in the Transvaalなる長い題名の本も、惰性で購入したものです。本体28.08ドル+送料15.50ドル=合計43.58ドルでした。特筆すべきは初めてニュージーランドの古書店から購入したくらいです。やはり、行ったこともない国から本が送られてくるのにはワクワクします。

この本は、南アフリカのトランスヴァール博物館が1984年に出版したもので、同地のワシ・タカ類62種の生態や保護について解説しています。カラー写真やイラストなどは1点もなく、モノクロ写真が若干で、あとは分布地図と図表だけという一般の読者には何ら面白味のない本です。読んで楽しい本ではなく、アフリカの猛禽本には必ず参考文献として挙げられているから購入したようなものです。まさに惰性の本です。ぼくは一見、面白くなさそうな本でも、あとで役に立つと思うと買ってしまうのですが、この本が役に立つのは10年くらいあとのことになりそうです。

内容について、少しだけ紹介します。まず、ヘビクイワシはトランスヴァールでは1068つがいが繁殖しており、食物はバッタが87%、齧歯類が3.9%、トカゲが3.3%、鳥類が1.8%で、ヘビを含む他の獲物は1%にも満たないということでした。コシジロイヌワシは120つがいが繁殖、食物の92%はハイラックスで、他は家畜のヤギ、ミーアキャット、リクガメ、鳥などです。ゴマバラワシは546つがいが繁殖、食物は鳥類が45%、爬虫類が38%、哺乳類が17%です。カンムリクマタカは105つがいが繁殖、食物はレイヨウ類が42.7%、ハイラックスが28.7%、サル類が15.3%(うちヒヒの幼獣が1.0%)、アフリカタケネズミが5.3%、ジェネットおよびマングースが4.7%で、鳥類の捕食例は皆無でした。サンショクウミワシは168つがいが繁殖、食物の69%が魚類で、31%が鳥類でした。

さすがに疲れたので、この辺にしておきます。上記のように、ひたすら数値だけの無味乾燥な内容です。この本が果たして自分にとって役立つのか、そしてその日がいつになるのか見当もつきません。

2008年8月22日 (金)

King of Birds

本日、AbeBooksで注文していたSeton Gordon著のThe Golden Eagle: King of Birdsがイギリスの古書店から届きました。本体30.12ドル+送料12.67ドル=合計42.79ドルでした。ポンド表示では、本体15.00ポンド+送料6.50ポンド=合計21.50ポンドでした。6月に注文したのですが、2か月かかりました。

本書は1955年に出版されましたが、日本では1973年にイヌワシの生態として翻訳出版されています。こちらのほうも去年、古書で入手しました。だから内容は知っているのですが、原書も購入してしまったわけです。というのもぼくは翻訳の勉強をしているため、訳書を読むと、原文ではどのように表記されていたのかなどが気になるせいです。また、両者を比較することで、訳する上でのテクニックを学ぶのにも役立つと思います。

イヌワシについての翻訳ものとしては、J. Watson著のGolden Eagle(1997)がイヌワシの生態と保全として翻訳されています。こちらのほうは先に原書を購入したのですが、内容が難解で読みこなせなかったので、2年前に訳書が出たときに、これ幸いと買ってしまいました。しかしながら、日本語で表記されていても難しく、翻訳の勉強のために原文と訳文を比較する作業は手間取ると思いました。そこでGordon本から先に取り組んでみようと思ったわけです。

ざっと目を通したところ、原文も平易な文体で、翻訳の教材にはもってこいだと感じました。また、モノクロ写真が多数掲載されていましたが、訳書に載っているものとは若干の相違がありました。

Gordonの著書としては、1927年に出版されたDays with the Golden Eagleをやはりイギリスの古書店に注文していますが、7月に注文したのにまだ届いていません。船便で発想しているのだと思いますが、イギリスで注文すると送料が安い割には待たされることが多いです。

2008年8月19日 (火)

Catalogue of the Birds of Prey

本日、イギリスの古書店に注文していたJ. H. Gurney著のCatalogue of the Birds of Prey (Accipitres and Striges) with the Number of Speciments in Norwich Museumが届きました。この本はAbeBooksで見つけたのですが、内容に関して店に問い合わせたところ、AbeBooksを介さずに直接注文してくれれば安く買える、ということで、注文しました。本体31.00ポンド+送料7.50ポンド=合計38.50ポンドでした。因みにAbeBooks.comでは本体価格が80ドルほどだったと記憶しています。

この本は1894年に出版され、題名通り猛禽類(ワシ・タカ類とフクロウ類)の種名だけを並べたものです。図版は世界地図とアカケアシノスリの雛のモノクロ写真1枚のみです。猛禽本としては骨董品も同様で、現在は何の役にも立たない代物です。博物学的興味と古書趣味で購入したようなものです。おそらく、復刻版も出ることはないでしょう。

当時の分類によると、タカ目(Accipitres)はヘビクイワシ科(Serpentariidae)、コンドル科(Cathartidae)、ハゲワシ科(Vulturidae)、ハヤブサ科(Falconidae)、ミサゴ科(Pandionidae)が含まれます。現在のタカ科に属するワシ・タカ類はハヤブサ科に属するわけです。Swannの分類によると、ハヤブサ科はいくつかの亜科に区分されますが、この本ではそれが扱われていないようです。

属名や種名を見ると、現在では消失したものも多数あります。19世紀という時代にあってはコンピューターもなかったので、分類学者たちは四苦八苦したのでしょう。その苦労の跡が窺えます。

2008年7月17日 (木)

The Peregrine Falcon

本日、AbeBooksで注文していたDerek Ratcliffe著のThe Peregrine Falconがオーストラリアの古書店から届きました。本体68.97ドル+送料23.00ドル=合計91.97ドルですが、その書店のHPによると、70オーストラリアドルだったそうです。

この本は、題名通りハヤブサについての1種類徹底追及のモノグラフで、1980年に出版され、416ページとヴォリュームがあります。狭く深くの本で、ぼくのような広く浅く型の人間にはハイレヴェルな感じです。実を言うと、高校時代に日本野鳥の会のバードショップでこの本を見かけたのですが、当時のぼくにこのような本が読めるはずもなく、そのときは見送りました。

内容は以下の通りです。

1.The Peregrine and Man

2.The Peregrine's Country

3.Population Trends in Britain

4.Distribution and Numbers in Britain

5.Food and Feeding Habits

6.Nesting Habitat

7.The Breeding Cycle:Pairing and Courtship

8.The Breeding Cycle:Laying to Fledging

9.Movements and Migration

10.Breeding Density and Territory

11.Population Regulation and Dynamics

12.Ecological Relationships with other Birds

13.The Pesticide Story

14.Other Enemies

15.Appearance, Form and Geographical Variation

16.Conservation and the Future

何分も分厚い本なので、完読するのは先のことのようです(ここのところ、次から次へと洋書を買いまくっているので、積読の山が高くなる一方です。思い切ってシノプシスでも作らなければ…)。

第12章のEcological Relationships with other Birdsを読んでみました。ハヤブサと他種の鳥類の関係です。他の捕食者とでは、ワタリガラスやノスリとは生息地が重なっている場合には争いになることがあります。イヌワシはハヤブサにとって脅威ですが、著者は雌のハヤブサがイヌワシのつがいを攻撃しているのを目撃したそうです。また、イヌワシはハヤブサの獲物を横取りすることもあります。シロハヤブサもハヤブサより優位にあるということでした。チョウゲンボウやコチョウゲンボウはハヤブサを避けます。ワシミミズクはハヤブサを捕食する例があります。餌食になる鳥としては、ハシボソガラスはときとしてハヤブサの卵を盗んだりもします。フルマカモメはハヤブサに襲われると胃内容物を吐き出して反撃することもあります。

この本には、G.E.Lodge作のハヤブサがワタリガラスを攻撃している絵が描かれていますが、これは高校時代にこの本を立ち読みしたときに見た記憶がありました。

2008年7月 2日 (水)

The Journal of Raptor Research 2

本日、2冊目のThe Journal of Raptor Researchが届きました。Volume 42 Number 2 June 2008です。

内容は以下の通りです。

Nest Density, Productivity, and Habitat Selection of Red-Shouldered Hawks in a Contiguous Forest

Effects of Human Land Use on Western Burrowing Owl Foraging and Activity Budgets

The Influence of Salinity on the Diet of Nesting Bald Eagles

The Feeding Behavior of the Black Kite (Milvus migrans) in the Rubbish Dump of Rome

Two-year-old Nesting Behavior and Extra-pair Copulation in a Reintroduced Osprey Population

Dietary Shifts Based upon Prey Availability in Peregrine Falcons and Australian Hobbies Breeding near Canberra, Australia

次に、Short Communicationsがあります。

Use of Body Mass, Footpad Length, and Wing Chord to Determing Sex in Swainson's Hawks

A Technique for Nighttime Trapping of Burrowing Owls with a Bow Net

Raptor Predation of Northern Bobwhite Nest

最後に、Lettersがあります。

Ferruginous Hawks Successfully Fledge Six Chicks

Ear Tufts in Ferruginous Pygmy-Owl (Glaucidium brasilianum) as Alarm Response

Steppe Eagle (Aquila nipalensis) Foraging Behavior in Mongolia:A Combined Use of Diversionary and Covert Ambush Tactics?

Record Mass for North American Golden Eagle (Aquila chrysaetos canadensis)

Does Migration Flyway of Short-toed Snake-Eagles Breeding in Central Italy Reflect the Colonization History?

Adult Conspecific Scavenging by American Black Vultures (Coragyps atratus)

以上です。具体的な内容に関して質問をいただければ、ぼくのわかる範囲で誠心誠意、説明します。

なお、ハクトウワシのメニューにチャンネルキャットフィッシュ(Ictalurus punctatus)、オオクチバス(Micropterus salmoides)、ブルーギル(Lepomis macrochirus)、パンプキンシード(L. gibbosus)、イエローパーチ(Perca flavescens)など、アクアリストにとって馴染み深い名前が多数含まれていました。

2008年6月30日 (月)

アフリカ南部の猛禽ガイド

本日、AbeBooksに注文していたDavid Allan著のFirst Field Guide to Birds of Prey of Southern Africaがイギリスの古書店から届きました。1999年出版のアフリカ南部で見られる猛禽類のフィールドガイドで、ワシ・タカ類42種、フクロウ類4種が収録されています。本体7.40ドル+送料10.72ドル=合計18.12ドルでした。文庫本サイズで、57ページのコンパクトな本でした。

同じ著者の本としては、1996年のA Photographic Guide to Birds of Prey of Southern, Central and East Africaを持っています。2000年に丸善で入手しました。当時はネットユーザーでなかったため、洋書を入手するには行き当たりばったりで見つけるか、書店に置かれている洋書目録で検索して注文するしかありませんでした。この本も目録で見つけて注文し、数か月待たされた上でやっと入荷連絡があり、めでたく入手できました。ペーパーバックで144ページとコンパクトながら、収録数は豊富で、カンムリクマタカがサルを掴んでいる写真も載っていたので、言うこと無しです。

英語圏ではアフリカ産の猛禽本は大きなウェイトを占めています。かのLeslie Brownはケニアに住み着いて研究していましたし、ワシの専門家Peter Steynやハゲワシの専門家Peter Mundyの他、Kemp夫妻やTarbotonといったそうそうたるメンバーが様々な猛禽本を執筆しています。何といっても現在の地球上で最大規模のメガファウナが残っており、大型動物の死肉に依存しているハゲワシ類が豊富だということもあるのでしょう。

また、欧米ではアフリカ、特に南アフリカはバードウォッチャーにも人気があるらしく、猛禽以外のバードウォッチングガイドも豊富に出版されているようです。日本でも、そういうトゥアーがあるのなら是非とも参加してみたいものです。

2008年6月24日 (火)

孫引き

本日、AbeBooksに注文していたIan Newton著のThe SparrowhawkおよびColonel R. Meinertzhagen著のPirates and Predatorsが届きました。どちらも高い本で、前者は本体100.40ドル+送料9.75ドル+追加料金21.60ドル=合計131.75ドル、後者は本体139.50ドル+送料13.95ドル+追加料金11.50ドル=合計164.95ドルとなりました。前者はイギリスから、後者はアメリカから購入しました。イギリスから買うと、ちょっとヴォリュームのある本だと追加料金を取られることも珍しくはないのですが、アメリカから取られるのは滅多になく、まだ3度目です。どちらも自分としては高い買い物だったのですが、出品されているものとしては最安値で、前者は200ドル以上はざら、後者は300ドル以上で最高値は500ドルなんていうのもありました。実は去年の11月、H. K. Swann著のA Monograph of the Birds of Preyを買ってしまったためにリボ払いする羽目になったのですが、今月で完了したため、解放感もあったわけです。

前者は1986年に出た本で、題名通りハイタカについてのモノグラフです。396ページと少し分厚い本で、ざっと見たところ、図表やモノクロ写真が多く含まれていました。全体のイメージは同じ著者のPopulation Ecology of Raptors(1979)と似た感じです。正直言って、かなり難解な内容です。Jeff Watson著のThe Golden Eagle(1997)と相通ずるものがあります。Watson本は和訳されたので、こちらも誰かに翻訳してほしいところです。1種類徹底追及本としてはBrown著のThe African Fish Eagleなどは読みやすいのですが、Brownの文体は平易ですし、一般の読者への理解も配慮しているようです。

後者は1959年出版で、著者のMeinertzhagen(ドイツ系?)はColonelという肩書きがついているので、陸軍大佐です。20世紀前半に活躍したらしく、著作も多数あります。この本は捕食性の鳥類をざっと述べたもので、Amateur(カラス、モズ、カッコウ、ジサイチョウ、ハゲコウ、サギ、カモメetc.)とProfessional(フクロウ類およびワシ・タカ類)に二分して扱っています。

後者を購入した理由は、2006年5月29日の記事で触れた、クリミア戦争のバラクラヴァ会戦(1854)におけるイギリス軍の軽騎兵旅団の突撃の直後、戦場にシロエリハゲワシが群がったという話の元ネタについて知りたかったためです。これについて日本語で読めるものとしては、平凡社の動物大百科7(鳥類Ⅰ)でNewtonが解説しており、動物の狩りの百科で今泉忠明さんが引用しています。これの元ネタはどこから来たのかと思ってNewtonのPopulation Ecology of Raptorsを参照したところ、53ページに以下のような記述がありました。

The food searching of griffons is proverbially efficient. Following the Charge of the Light Brigade in the Crimean War, so many birds gathered on the battlefields that shooting squads had to be posted to protect the injured(Meinertzhagen 1959).

そういうわけで、Meinertzhagen本を読んでみたくなりました。早速、調べてみると、128ページに出ていました。

The griffon must wander in search of food over southern Europe more frequently than is generally supposed. During the Franco-Prussian War of 1870-1 large numbers were attracted by dead horses; and the late Capt.Sanderson, a Crimean veteran, told me in 1904 that hundreds collected on the field of Balaclava after the charge of the Light Brigade and special squads were detailed to shoot them, as wounded men were by no means safe from their attentions.

これで元ネタがわかりました。著者がクリミア戦争の体験者であるSanderson大尉なる人物から直に聞いた話だったのです。Newtonはこの本からその話を引用し、それをさらに今泉さんが孫引きしたというわけでした。

2008年6月 7日 (土)

The African Fish Eagle

本日、AbeBooksに注文していたLeslie Brown著のThe African Fish Eagleがイギリスの古書店から届きました。AbeBooks.comで注文したので、本体23.97ドル+送料8.86ドル=合計32.83ドルでしたが、ポンド表示では本体11.95ポンド+送料4.55ポンド=合計16.50ポンドでした。5月20日に注文し、その日のうちに発送されたはずですが、5月30日に店主の奥さんからメールが来て、御主人が突然、入院されたとかで、発送が遅れたということでした。

本書は題名通り、サンショクウミワシについての1冊の本です。Brownの猛禽本はこれを含めて7冊ありますが、とうとう全冊入手しました。1980年に出版されましたが、この年にBrownは63歳で亡くなっています。長生きしていればもっと多くの著書が出版されたと思われるので、残念です。

内容は以下の通りです。

Ⅰ A Portrait of the Fish Eagle

Ⅱ Watching Fish Eagles

Ⅲ The Fish Eagle's Day

Ⅳ The Fish Eagle as a Fisherman

Ⅴ The Fish Eagle and Economics

Ⅵ Territory and Population Regulation

Ⅶ Courtship, Matiing and Breeding Behaviour

Ⅷ Adolescence and Survival

Ⅸ Unanswered Questions

Brownは猛禽類について世界的権威だった人物ですが、その文章は平易で、ぼくのような一般人が読んでも充分に理解できます。この20年間、いろいろな猛禽本を読みましたが、難解で取っつきにくい文体の本にも出くわしました。英文の場合、読みながら頭の中で翻訳できれば読みこなせるという自信があります。

また、Brownはフィールド派の研究者です。学者というと、研究室に閉じ籠って没頭するというイメージがありますが、彼は大自然の中に飛び出して、体を張って研究対象と向き合っています。そのせいか、彼の著書は没後28年の今になっても新鮮さが色褪せていません。日本人の猛禽ファン諸氏にも、彼の著書は是非読んでほしいと思っています。

サンショクウミワシの食性ですが、漁師として、猟師として、略奪者としての三つの面があります。主食は魚ですが、フラミンゴなどの鳥も捕食し、コウノトリ、サギ、ペリカン、ウ、そしてミサゴなどの獲物を強奪します。北アメリカのハクトウワシがミサゴの獲物を奪うことは有名ですが、ミサゴは汎世界的に分布するため、それぞれの地域でウミワシ類から横取りされているようです。

なお、サンショクウミワシのメニューですが、熱帯魚ファンにとっても馴染みの深い魚が多く含まれています。クラリアスなどのナマズ類、シクリッド(カワスズメ)類などです。本書にもタイガーフィッシュを仕留めた写真が載っていました。タイガーフィッシュはカラシン類に属する肉食魚で、熱帯魚としても飼育されています。鋭い牙を剥き出した凶悪な面構えで大型魚ファンに人気があります。“アフリカの白い牙”の異名を持つ猛魚も、ワシにかかっては形無しなのです。

本日はAmazon.co.ukに注文していたAn Account of the Battle of Waterlooも届きましたが、これについては明日、書きます。 

2008年5月31日 (土)

Captive Raptor

本日、Amazon.co.ukに注文していたRichard Naisbitt & Peter Holz共著のCaptive Raptor:Management & Rehabilitationが届きました。本体17.81ポンド+送料7.98ポンド=合計25.79ポンドでした。

この本については、こちらのページで「猛禽類の飼育管理とリハビリテーション」というタイトルで紹介されていますが、その通りの本です。去年の11月に購入したNick Fox著のUnderstanding the Bird of Preyと同じ出版社の本で、猛禽類の飼育および鷹狩り愛好者のための本です。ぼくのように猛禽類の野生での生態をメインに調べている人間にはちょっと違う分野と言えます。

ぼくがなぜ、この本を購入したかというと、装丁に惹かれたからです。オウギワシとトキイロコンドルの写真が使用されているからです。双方とも飼育個体なのでしょうが、このために購入したといっても過言ではありません。

装丁が立派な割には、173ページとあまりヴォリュームのある本ではありませんでした。内容はほとんどが飼育管理に関することばかりでしたが、ぼくにとって参考になった部分は第1章のRaptor Survival Strategiesでした。猛禽類の野生での狩りの方法について大まかに解説されていますが、15ページに猛禽類の種類別の能力が表にまとめられています。Lisning、Hovering、Soaring、Prospecting、Quartering、Still huntingについて、ワシ・タカ類107種とフクロウ類17種が取り上げられており、簡単ではありますが、参考になりました。

ところで、この本が紹介されているこちらのページで扱っているのは鷹狩り関連本ばかりですね。野生での生態についての書籍は扱わないのでしょうか。ぼくはかつては日本野鳥の会のバードショップで猛禽本を漁っていたものです。もちろん、ゆきあたりばったりの運任せでした。今ではAmazonやAbeBooksで計画的に購入できるので、夢のような時代になりましたが。

2008年5月28日 (水)

ヒトは食べられて進化した

今月に入ってから和書を買いまくっていますが、ぼくの誕生月なので、西武池袋のクラブオンカードで1日の買い物につき200ポイントが加算されるためです。2000ポイント貯まると2000円の商品券と交換してくれます。あちらの販売作戦だとわかっているのですが、日ごろから買おうと思いつつ買いそびれていた本などを購入するきっかけにもなります。そういうわけで、本日は貯まった2000ポイントを商品券と交換できたので、それを使って去年から気になっていたハート&サスマン共著のヒトは食べられて進化したを購入しました。

本書は原題のMan the Hunted:Primates, Predators and Human Evolutionからもわかるように、人間はハンターとして進化したとする従来説とは逆に、人間は肉食動物の餌食として狩られる存在として進化した、という視点で描かれています。Amazonの書評やカスタマーレヴューもそのようなことが書かれています。それでは、どのような動物に捕食されていたのでしょうか。内容は10章構成ですが、第4~7章で具体的な捕食者の顔ぶれが並んでいます。第4章はネコ科とクマ科、第5章はイヌ科とハイエナ科、第6章はニシキヘビ、コモドオオトカゲ、ワニなどの爬虫類、そして第7章「空からの恐怖」では猛禽類が挙げられています。ぼくがこの本を推す理由は、この章は猛禽ファンなら読んで損はないものだからです。

上野動物園の猛禽舎の前には、猛禽類が人を襲うことはないという表示があります。日本ではクマに襲われたり、スズメバチに刺されて死ぬ人の具体的な数値が挙げられていますが、猛禽類に襲われるケースは皆無だとしています。ところが海外ではそうではないようです。本書の第7章でクローズアップされているアフリカのカンムリクマタカは現実に人を襲った例があります。本書ではPeter Steyn著のBirds of Prey of Southern Africaの内容を引用していますが、ザンビアで登校中の7歳の少年がカンムリクマタカの若鳥に襲われて病院送りとなり、そのカンムリクマタカは通りかかった女性に鍬で殴り殺された記録があります。また、ジンバブウェでは巣から幼児の頭蓋骨の一部が発見されたこともあります。さらに、レイモンド・ダートによって1924年に発見された猿人アウストラロピテクスの子どもの化石(タウングチャイルド)の傷は、当初はネコ科の肉食獣によるものと思われていましたが、カンムリクマタカに殺されたサルの骨の傷と類似点があり、カンムリクマタカかそれに近縁の大型ワシに襲われたということが後に判明しました。化石人類にとって、猛禽類は肉食獣と並んで恐るべき捕食者だったのではないかと推察されるのです。

それではなぜ、本書が猛禽ファンにとってオススメかというと、特にカンムリクマタカを中心に、今まで日本語の書籍では読めなかった情報が満載だということです。上記のSteynの著書ではカンムリクマタカが7歳児を襲った例が紹介されていますが、この本は1982年に出版されており、英語圏では当時から知られていた話です。2001年に出版されたFerguson-Lees & Christie共著のRaptors of the Worldでも引用されています。しかしながら、日本語の書籍として出版されたのは本書が初めてではないかと思われます。他にも、カンムリクマタカ研究の第一人者として(英語圏では)著名なLeslie Brownがカンムリクマタカの雌に襲われて負傷しましたが、この話も紹介されています。これについては、Brown著のBirds of Prey:Their Biology and EcologyおよびEagles of the World(いずれも1976年出版)に写真入りで紹介されています。カンムリクマタカが恐るべき存在であることは英語圏では昔からよく知られていましたが、日本語の媒体では今まで紹介されてこなかったのです。本書が邦訳出版されたのは、そういった意味で画期的なことであり、猛禽ファンにとってまたとないプレゼントだと思います(参考文献についてはこちら)。

上記の内容は巨大動物図鑑でも紹介されています。こちらでは、SteynおよびBrownの著書が引用されており、最初にこれを読んだときには原書を当たったのではないかと思いましたが、Steynの姓名が「ピーター・ステーン」と仮名表記されており、出版年が1983年となっていたこと、襲われた少年の名前まで触れられていたこと、Brownの件も原書をそのまま引用したとは思えず、出版年も1977年となっていたことが疑問でした。本書を読んで、納得いきました。ハート&サスマンがさらに詳しく調べたものだったのです。また、オウギワシとカンムリクマタカの足のイラストがありますが、これらはBrownの著書で描かれていたものをハート&サスマンが転用し、巨動で使用されたようです(Brownの本では左右逆向き)。

大したことではありませんが、214ページに次のような記述があります。アフリカ南部ではカザノワシがヒヒやベルベットモンキーを捕食する。そして210ページに“カザノワシ”の餌食になった動物の骨の写真があります。この“カザノワシ”とはコシジロイヌワシの誤りです。英名はどちらもBlack Eagleですが、カザノワシはアジアに分布しています。一方、192ページの猛禽類の足の図(Brownの著書からの転載)では、オウギワシ、ボネリークマタカ、サンショクウミワシ、カンムリクマタカとともにカザノワシの足が描かれていますが、こちらは本物のカザノワシです。

第4章では、マカイロドゥス、ホモテリウム、メガンテレオン、ディノフェリスといった化石ネコ類についての解説もあり、ネコ好きにとっても楽しめます。

2008年5月26日 (月)

Hawks, Eagles, & Falcons of North America

本日、AbeBooksに注文していたPaul A. Johnsgard著のHawks, Eagles, & Falcons of North Americaがアメリカの古書店から届きました。出品されているもののうち、一番安いものを選んで購入しました。本体11ドル+送料9ドル=合計20ドルでした。

この本は1990年に出版され、題名通り北米の猛禽類の本です。ワシ・タカ類を扱っていますが、コンドル類は収録されていません。403ページで、予想以上にヴォリュームがありました。

内容に関しては、こちらのページでざっと紹介されています。冒頭に若干のカラー写真やイラストが載っていますが、あとはひたすら文章とモノクロイラストのみの本です。

特筆すべきは第1章の分類です。なぜかというと、文一総合出版の「日本のワシタカ類」が、猛禽の分類に関して、Brown & Amadon(1968)のEagles, Hawks and Falcons of the Worldとともに本書をかなり参考にしているからです。そこで、本書で扱っている分類を是非とも読んでみたかったのです。ざっと目を通した限りでは、本書もBrown & Amadonの分類をベースにしていましたが、Peters(1931)以降のさまざまな研究者が唱えた分類を踏まえて、独自の分類を編み出していました。Brown & Amadonでは、タカ目をコンドル亜目、タカ亜目、ハヤブサ亜目に分け、タカ亜目をさらにミサゴ科、タカ科、ヘビクイワシ科に区分していました。本書ではそれに若干変更し、ヘビクイワシ科を独立の亜目とし、ミサゴをタカ科ミサゴ亜科としていました。また、ハヤブサ科をカラカラ亜科とハヤブサ亜科に分けていました。タカ目は4亜目4科となるわけです。タカ科の細かい区分はBrown & Amadonをそのまま踏襲していました。これを「日本のワシタカ類」がそっくりそのまま取り入れたわけです。なお、コンドル類をコウノトリに近縁とするSibley et al.(1988)説も紹介されていましたが、当時はまだそれほど普及していなかったせいか、あまり重要視されていないようでした。

モモアカノスリの群れについて興味深い解説がありました。モモアカノスリはつがいから7羽までのグループを形成しますが、中心となるのは繁殖可能な1羽の雌とアルファ雄で、その他の個体がヘルパーとなります。それに次ぐベータ雄と残りのガンマと呼ばれる成鳥もしくは若鳥の雄や雌です。彼らはグループで狩りをすることにより、1羽では無理な大型の獲物も捕食することが可能となり、オオカミやリカオンの社会性にも類似したものがあるようです。これは初耳でした。

2008年5月19日 (月)

オオタカ観察記

一昨日に購入したイヌワシの四季に続き、本日はオオタカ観察記を購入しました。どちらも文一総合出版の本です。この本は昨年の7月に出版されました。

著者の氏原巨雄さんは画家で、鳥類を主な題材としており、個展も開催され、図鑑などにも執筆されているとのことでした。この本は著者の9年にわたるオオタカ観察をイラストを交えて書籍化したものです。観察は1998年にはじまり、2007年まで続きました。

収録されているイラストは実に見事なもので、溜め息が出ます。さすがは画家の作品です。猛禽類の本を読むとき、実物をそのまま映した写真もいいものですが、イラストでも優れたものは言葉では表現できないほどの感動を覚えます。俗な言い方をすると、自分もこんなイラストを描けるだけの才能が欲しい、というものです。それができたら、自分のホームページで紹介できるのにと思います。

観察も実に細やかなもので、オオタカの野生での姿を詳細に描写するとともに、愛情も伝わってきます。舞台は東京近郊の森なので、人の出入りも多く、オオタカの繁殖が妨害されまいか、著者は気を揉んでいるのですが、読んでいるぼくまでもひやひやさせられます。これはオオタカの生態を記録したTVを見ても同じ気持ちになります。

2005年8月3日の記録に、ツミの若鳥2羽が現れ、オオタカの若鳥2羽と空中戦が行なわれたとの記述がありました。体の大きさからすると、ツミはオオタカの餌食になってしまいそうで、実際に捕食されることもあるそうですが、小柄でもヒット・アンド・アウェイを有効に活かせれば、空中戦を展開することも可能なのでしょう。ツミがカラスを攻撃している映像を見ましたし、ぼく自身も北大構内でチゴハヤブサとカラスの空中戦を目撃したことがあります。

巻末に、他の鳥の観察もつけ加えられていました。アオバズク、アオゲラ、コゲラ、カワセミ、ヤブサメ、エナガがイラスト付きで紹介されていました。

2008年5月17日 (土)

イヌワシの四季

本日、書店にてイヌワシの四季を購入しました。著者は猛禽類生態研究所長の関山房兵さんです。河北新報社の新聞連載を書籍化したものだということでした。

この本が出版されたのは去年の9月のことで、書店の書棚で何度か目にしましたが、すぐには購入せず、立ち読みしていました。ぼくは洋書で欲しいものがあるとすぐに買ってしまうのですが、和書はしばらく模様眺めのことが多いです。いつでも買えるという安心感があるからかもしれません。しかしながら、そうしているうちに絶版になってしまうこともしばしばなので、買うべき本は買えるうちに買ってしまうべきなのです。

内容は、著者が40年近くにわたって東北の山地でイヌワシを観察した記録が簡潔に、しかし克明に記されています。写真も数多く掲載されています。題名通り、四季を通しての観察で、獲物となる動物についてや、オオタカ、クマタカ、オオワシ、ハヤブサ、ミサゴなど他種の猛禽についてもわずかですが触れられています。オオタカやクマタカはイヌワシの餌食になることもあるため、イヌワシと生息地が重なる場所では回避行動を取るとか、イヌワシもより大型のオオワシには一目置くなど、猛禽同士の関係も興味深かったです。また、本題とは外れますが、西表島のカンムリワシのことも書かれていました。

また、イヌワシが自動車に轢かれて死んでおり、近くにキツネの頭蓋骨とワシの糞があったという例がありました。どうもイヌワシがキツネを捕食したものの、満腹してうまく飛び立てず、ちょうど通りかかった車に撥ねられたようです。他にも、火山ガスの発生する谷で、イヌワシがキツネの背に爪を喰い込ませたまま、双方とも死んでおり、近くにノウサギ2頭の死骸があったという話もありました。

猛禽類の雛同士は殺しあう習性があり、イヌワシも通常、卵を2個産みますが、先に孵化した雛が年少の雛を殺してしまうケースが多いようです。これをカイニズム(カインとアベル現象)というのですが、海外ではアシナガワシの雛を人為的に隔離し、成長してから再び一緒にしたところ、殺し合いにはならなかったという実験があります。殺し合いは孵化後間もない時期に起こるということでした。

参考文献はほとんど和書または日本語の論文で、洋書や翻訳書はわずかでした。日本の猛禽研究は英語圏とは別の独自の方法で進められているようです。

2008年5月10日 (土)

Catalogue of the Accipitres

本日、Amazon.comに注文していたRichard Bowdler Sharpe著のCatalogue of the Accipitres, or Diurnal Birds of Prey, in the Collection of the British Museumが届きました。本体23.99ドル+送料8.98ドル=合計32.97ドルですが、日本円の表示も出ており、本体2588円+送料968円=合計3556円ということでした。

この本は1874年に出版されたものですが、2005年に復刻されました。題名からして、大英博物館の所蔵標本の目録だと思っていましたが、当時の猛禽類の総括で、SwannのA Monograph of the Birds of Prey(1924-1945)と似たような内容です。479ページで、巻末には絵画が14点収録されています。Swannの著書のように、各種の学名変遷歴が添付されていますが、あまり正確なものではありませんでした。

何しろ19世紀に出た本なので、分類は相当違和感があります。まず、当時はタカ目にフクロウ類を含め、ハヤブサ亜目、ミサゴ亜目、フクロウ亜目に大別しています。ミサゴ亜目にはミサゴ属とウオクイワシ属のみが含まれ、残りのワシ・タカ類はすべてハヤブサ亜目に含まれています。ハヤブサ亜目はハゲワシ科とハヤブサ科に大別され、ハゲワシ科はハゲワシ亜科とコンドル亜科、ハヤブサ科はカラカラ亜科、タカ亜科、ノスリ亜科、ワシ亜科、ハヤブサ亜科があります。さらに凄いことに、カラカラ亜科にはヘビクイワシとノガンモドキが、ワシ亜科にはワシと名のつく鳥の他にサシバ属やトビ類が、ハヤブサ亜科にはカッコウハヤブサ属も含まれています。Swannの分類よりもさらに古い世界を垣間見たものです。分類内容について、いずれ各種解説で紹介します。

同じ著者のシリーズには、Catalogue of the Striges, or Nocturnal Birds of Prey, in the Collection of the British Museumがあります。未購入ですが、読んでみたい本です。

2008年4月27日 (日)

ハヤブサの写真集

本日、Amazon.co.jpに注文していた熊谷勝さんの写真集ハヤブサが届きました。本体4820円+消費税241円=合計5061円でした。

この写真集が出版されたのは1991年、当時ぼくは浪人でした。もちろん、こんな高い本を買える余裕などありませんでした。おまけに、このころは猛禽とは離れていて、ナポレオン戦争のほうに関心が向いていたものですから。大学に入学して少し落ち着いたときに、宮崎学さんの鷲と鷹および伊藤正清さんのハヤブサは購入しましたが、貧乏学生の身分で、やはりナポレオン戦争を優先していたので、猛禽の写真集をそう何冊も購入することは無理でした。そういうわけで、本書は4月22日に届いた須藤一成さんのイヌワシとともに、買い逃し組になってしまったわけです。

そして先日、風さんの譲ってくださったイヌワシを読んで、この本を思い出しました。最近は書店でも見ないので、絶版だろうと考え、古書がマーケットプレイスに出品されてはいないだろうかと期待をかけたのです。そしたら、1冊在庫あり、と表示されているではありませんか。何も考えずに即注文しました。そういうわけで今日、届きました。

この本もイヌワシと同じく大型本で、高価なわけです。83ページで、写真は61点、ハヤブサの魅力を余すところなく伝えています。ハヤブサの持ち味と言えば、スピードです。ぼくは残念ながら、ハヤブサの狩りはTVでしか見たことがありませんが、この本の舞台となった室蘭でハヤブサの夫婦を見ていたときに、雌が頭上わずか数メートルの高さをビュンと通り過ぎ、そのスピードに圧倒されました。また、カナダへバードウォッチングに行き、ハクトウワシやヒメコンドルと同時にハヤブサが出現したことがありましたが、この3種の中で一番小さいのに、ワシやコンドルよりも低い位置を飛んでいたせいか、重量感がありました。動物園でも見たことがありますが、やはりフィールドで観察してこそその魅力を堪能できます。変な喩えですが、イヌワシなどの大型猛禽が、歩兵隊を中心に、騎兵隊と砲兵隊で編成された完璧な軍隊だとすると、ハヤブサは騎兵と騎馬砲兵からなる機動部隊のようなものかもしれません。

巻末には著者のハヤブサへの思い入れが簡潔に、しかし深く語られていました。高校卒業後、自衛隊の写真班に入隊し、4年間に勤務の後に舞台となった室蘭へ移り住み、9年間ハヤブサを追い続けて撮影し、写真集となりました。ぼく自身が二兎を追って一兎も得られなかったから痛感するのですが、このような思い入れはすばらしいと思います。著者のホームページを閲覧してもよくわかります。

余談ですが、ハヤブサは鷹狩り関係者の間では「ペレグリンハヤブサ」と呼ばれているそうですが、どうもこれがしっくりこないのです。確かに英名はPeregrine Falconで、洋書にはそのように表記されています。また、外国人と会話するときにはぼくもその名称を使うわけです。しかしながら、Peregrineというアルファベットの綴りはともかく、「ペレグリン」と仮名書きされると違和感を覚えるのです。

2008年4月22日 (火)

イヌワシの写真集

本日、いつも猛禽がらみでお世話になっている風さんが譲ってくださった須藤一成さんの写真集イヌワシが届きました。1994年に出た本で、定価が4500円もする高価な本です。今では絶版です。

この本が出版されたのは1994年、当時ぼくは大学の教養部に属していました。このころはナポレオン戦争に没頭しており、その関係の本ばかり購入しており、猛禽関係はなおざりになっていました。というよりも、学生の一人暮らしとあってはいつも金欠で、食事もまともではなく(1日2食なんてものざら)、4500円もする写真集にはとてもではないけれど手が出なかったのです。

猛禽本もまったく買わなかったわけではありませんでした。宮崎学さんの鷲と鷹および伊藤正清さんのハヤブサはこのころ入手しています。特に前者は以前からどうしても欲しい本でした。この本を最初に読んだのは、中3のときのことで、当時ぼくはものすごく猛禽に熱中していました。学校の図書室で毎日のようにこの本を読んでいたものです。この本では日本で繁殖している16種のワシ・タカ・ハヤブサ類+オオワシを掲載しているのですが、山(イヌワシ、クマタカ、ノスリ、チュウヒ、チョウゲンボウ)、森(オオタカ、ハイタカ、ツミ、ハチクマ、サシバ、チゴハヤブサ、カンムリワシ)、水辺(ミサゴ、トビ、ハヤブサ、オオワシ、オジロワシ)と環境別に分けており、アッテンボローのThe Living Planet(当時、NHKの海外ドキュメンタリーで「生きものたちの地球」として放送された)の影響もあって、実に興味深かったのです。これは現在のぼくの動物観を形づくる一因となっています。しかしながら、多くの写真集と同様、中学時代のぼくには高根の花で、大学生になるまで購入はお預けでした。

他にも猛禽類の本は書店で何冊か目にしたのですが、大学時代はナポレオン戦争を邁進しており、ほとんど購入することはありませんでした。二兎を同時に追うのはなかなかできません。ぼくが再び猛禽に興味を持つようになったのは卒業後の2000年、アッテンボローのThe Life of Birdsを見てからですが、買い逃した本がたくさんあることに気づきました。本書イヌワシもその1冊でした。古書で入手しようと思っていたところ、風さんが譲ってくださるということだったのです。

そして今日、写真集はゆうパックで送られてきました。開封してページを開くと、著者のサイン入りでした。風さんは著者とお知り合いと聞いていたので、これはすごいことだと思いました。掲載写真は79点、1枚1枚に解説はついていませんが、その必要を感じさせないほどの説得力がありました。中でもノウサギを捕獲する連続シーンなど、迫真の傑作でした。巻末には著者のイヌワシへの思いが記されており、簡潔ながら思い入れが伝わってきました。

この本はぼくにとって強烈なインパクトがありました。これをきっかけに、何かが変わると信じています。

なお、本日はAbeBooksに注文していたA. F. Becke著のNapoleon and Waterlooの初版本が届きましたが、これについては明日、書きます。

2008年4月21日 (月)

Conservation Studies on Raptors

本日、AbeBooksに注文していたI. Newton & R. D. Chancellor編のConservation Studies on Raptorsがアメリカの古書店から届きました。この本は、猛禽類の論文集で、1985年に出版されました。ペーパーバックの482ページで、表紙の右下に折れ目が入っているのが難点でしたが、他は申し分ありませんでした。本体15ドル+送料13ドル=合計28ドルでした。

内容についてなのですが、届いたばかりなので、ろくに目を通していません。ざっと列挙しておきます。

Part Ⅰ:Mediterranean Raptors

1 The Present Situation of Birds of Prey in Portugal

2 Breeding Raptors in Portugal:Distribution and Population Estimates

3 The Status of Diurnal Birds of Prey in Catalonia, Northeastern Spain

4 The Status of Birds of Prey in Yugoslavia, with Particular Reference to Macedonia

5 Status and Conservation Problems of Birds of Prey in Greece

6 The Decline of Birds of Prey Populations in Egypt

7 Present Distribution and Status of Raptors in Morocco

8 The States of Vultures in Greece

9 Present States of the Griffon Vultures on the Northern Slopes of the Western Pyrenees

10 The States of the Bearded Vulture in Corsica

11 The Griffon Vulture in Yugoslavia

12 Ecology and States of the Black-shouldered Kite in Extremadura, Western Spain

13 Status and Conservation of Eleonora's Falcon in Italy

14 Breeding Success and Conservation Management of Eleonora's Falcon

Part Ⅱ:Tropical Forest Raptors

15 Falconiform of Tropical Rainforests:A Review

16 Species Diversity and Comparative Ecology of Rainforest Falconiforms on Three Continents

17 Composition of Falconiform Communities Along Successional Gradients from Primary Rainforest to Sercondary Habitats

18 States of Wet Forest Raptors in Northern Argentina

19 Status and Conservation of Forest Raptors in the Western Indies

20 Birds of Prey and their Conservation in the Sundarbans Mangrove Forests, Khulna, Bangladesh

21 The Status, Ecology and Conservation of the Mauritius Kestrel

22 The Tropical Rainforest Raptors:State of Knowledge, World Situation and Conservation Strategy

Part Ⅲ:Migration of Raptors

23 Techniques and Methodology Used to Study Raptor Migration

24 A Resume of Raptor Migration in Europe and the Middle East

25 Israel:An International Axis of Raptor Mifration

26 Raptor Migration in the Red Sea Area

27 Notes on the Raptor Migration across the Central Mediterranean

28 The Continental and IslandMigration Route of the Southeast Mediterranean:Problems and Propositions

29 Dynamics of the Transisthmian Migration of Raptors Between Central and South America

30 Migratory Raptorial Birds of Bangladesh

31 Food Erquirements for Deposition of Energy Reserves in Raptors

32 Observations of Aerial Hunting, Food Carrying and Crop Size of Migrant Raptors

33 A Difference in Prey Selection by Adult and Immature Peregrine Falcons During Autumn Migration

34 Migration and Mortality of Sharp-shinned Hawks Ringed at Duluth, Minnesota, USA

35  Habitat Used by Migrating Sharp-shainned Hawks at Cape May Point, New Jersey, USA

Part Ⅳ:The Peregrine Falcon

36 Peregrine Recovery in the United States

37 Population Status, Pesticide Impact and Conservation Efforts for the Peregrine (Falco peregrinus) in Sweden, with Some Comparative Data from Norway and Finland

38 The Peregrine Popukation in Finland

39 Population Trends of the Peregrine Falcon (Falco peregrinus)

40 The Breeding and Release of Peregrines in West Germany

41 The Ecology of the Peregrine Falcon in Italy:First Results from Five Sample Areas

42 Population Studies of the Peregrine in Australia

43 Preliminary Reports on Changes in Egg-shell Thickness in Australian Falco Species

Part Ⅴ:Management and Conservation of Raptors

44 Colour-ringing of Fennoscandian Peregrines

45 Colour-ringing of White-tailed Sea Eagles in Northern Europe

46 Raptor Radio-tracking and Telemetry

47 Winter Feeding as a Management Tool for White-tailed Sea Eagles in Sweeden

48 The Effects of Artificial Feeding on Griffon, Bearded and Egyptian Vultures in the Pyrenees

49 Captive Breeding of Australian Raptors

50 A Review of Cross-fostering in Birds of Prey

51 Persecution of Raptors in Europe Assessed by Finnish and Swedish Ring Recovery Data

52 Falcon Breeding as a Conservation Tool in Arabia

Part Ⅵ:The Biology of Vultures

53 The Biology of Vultures:A Summary of the Workshop Proceedings

論文というものに初めて接したのは、大学の水産学部にいたころのことで、もちろん、魚など水産関係のものでした。ゼミなどで使用したこともありましたが、当時はその意義を理解しておらず、興味も持っていませんでした。今だったら大学の図書館に入り浸るのですが、惜しいことをしました。そういうわけで、今後はこのブログでもゼミ形式で取り上げてみようと思っています。

2008年4月16日 (水)

鷹狩りへの招待

本日の午後1時ごろ、池袋のユニクロでジーンズを2本、購入しました。池袋駅は我が家から徒歩30分の距離にありますが、病気のせいか、このような繁華街に足を運ぶのは気が進まず、なかなか行く機会はないのです。購入したジーンズは裾上げしてもらいましたが、受け取りは4時ということだったので、時間潰しのため、ジュンク堂に行きました。いつもの通り、鳥関係の書棚へ向かったところ、本書「鷹狩りへの招待」が目に止まり、手に取ってみました。そして衝動的に購入を決意し、定価が1100円と手ごろなこともあったので、すぐにレジへ向かいました。帰宅後、数時間で完読しました。

この本については、こちらのサイトで紹介されていますが、著者の波多野鷹さんは諏訪流放鷹術の鷹匠です。本職は作家ということですが、著書を読むのは今回が初めてでした(詳しくは著者のサイトである放鷹道楽を参照)。

鷹狩りはぼくにとって未知の分野です。今までその関係の本を熟読したことはありませんでした。猛禽全般について扱った本には少しは鷹狩り関連にもページが割かれていますが、あまり詳細ではありません。専門用語などになじみがなく、取っ掛かりがなかったわけです。本書はぼくのように今までなじみがなかったけれど、興味はある、という読者に、鷹狩りとはどういうものなのかわかりやすく解説した本です。

鷹狩りについて思っていたことがあります。日本の野鳥は原則的に捕獲や飼育が禁止されています。そのため、鷹狩りに使用されるのは外国から輸入されている鳥です。これが納得いきませんでした。というのは、日本の伝統文化であるからには日本の猛禽を使うべきでしょうし、輸入された鳥を使って日本の野山で狩りをするのもアンフェアではないかと思うのです。また、輸入鳥が帰化したり、在来種と交雑する恐れもあります。伝統文化としての鷹狩りを後世に伝えていくためには、日本の猛禽を合法的に使用を認めてもいいのではないかということです。著者はこれと同じことを記しており、現行法の矛盾についても触れていました。また、この本を頼りにタカを飼おうとか、鷹狩りを始めようとか、決して思わないでいただきたい、とも触れていました。

それから、著者はもともと英語が苦手だったのですが、鷹狩りについての洋書を読んでいるうちにそれを克服し、外国にも多くの友人ができたというエピソードがありました。ぼくも高校時代は英語が苦手で、大学受験で苦労したのですが、洋書にアタックすることでいつの間にか読めるようになった経験があるので、納得です(正確には、猛禽本も最初は読めなかったのですが、ナポレオン戦争本を読んで英語力をつけ、猛禽本も読めるようになったわけですが)。著者はぼくに近い感覚の方ではないかという気がしました。

なお、ぼくは鷹狩りには興味はありますが、知りたいというだけで、自分自身がやりたいとは思っていません。理由は、鳥の死骸をいじくる勇気がないからです。ぼくがホームページを立ち上げたばかりのとき、ある人から質問されました。「研究しているのか、それとも趣味でやっているのか」。「趣味でやっている。研究するなら、鳥の死骸も扱わなければならない。自分は水産学部卒なので、魚の死骸はさばけるが、鳥の死骸をさばく勇気はない」。子どものころから、魚とはいじくるもので、鳥とは見るものだったのです。

2008年4月 8日 (火)

The Journal of Raptor Research

2月18日に入会したRaptor Research Foundationですが、ついに今日、その研究報告書であるThe Journal of Raptor Researchが郵送されてきました。Volume 42 Number 1 March 2008となっています。表紙はツバメトビのイラストが描かれていました。

内容は以下の通りです。

Predators of the Swallow-tailed Kite in Southern Louisiana and Mississippi

Cross-Continental Patterns in the Timing of Southward Peregrine Falcon Migration in North America

Notes on Great Horned Owls Nesting in the Rocky Mountains, with a Description of a New Subspecies

Biology and Conservation of Blakiston's Fish-Owls (Ketupa blakistoni) in Russia:A Review of the Primary Literature and an Assessment of the Secondary Literature

Invertebrate Diet of Breeding and Nonbreeding Crested Caracaras (Caracara cheriway) in Florida

次に、Short Communicationsに、以下の記事があります。

The Dho-Gaza and Mist Net with Eurasian Eagle-Owl (Bubo bubo) Lure:Effectiveness in Capturing Thirteen Species of European Raptors

Rainstorm Effects on Osprey Brood Survival

A Simple Artificial Burrow Design for Burrowing Owls

Post-Fledging Estimation of Annual Productivity in Boreal Owls Based on Prey Detritus Mass

The Diet of the Little Owl (Athene noctua) in the Desert Habitats of Northwestern China

最後に、Lettersがあります。

Pinching Off Syndrome in Two White-Tailed Sea Eagles (Haliaeetus albicilla) in the Czech Republic

Neck-drooping Posture of Oriental White-backed Vultures (Gyps bengalensis) in Close Proximity to Human Observers

Kleptoparasitism by Eurasian Buzzard (Buteo buteo) on Two Falco Species

Domestic Fowl (Gallus domesticus) in the Diet of Northern goshawks (Accipiter gentilis) in Poland

Probable Second-brooding in the Black-shouldered Kite (Elanus caeruleus) in Central Spain

Presence of the Blue Swimming Crab (Portunus pelagicus) in the Diet of the Pharaoh Eagle-Owl (Bubo ascalaphus) in Abu Dhabi, United Arab Emirates

以上です。内容は、正直言って今のぼくにはハードです。特に図表や数式が出てくるとお手上げです。でも、せっかく入会したからにはチャレンジするつもりです。

上記の記事の内容について質問がある方は御遠慮なく。誠心誠意、回答させていただきます。それが自分にとっても勉強になります。どうしても難解な部分についてはご容赦を。

それから、今年モンタナで開催される学会の案内書も送られてきました。行きたいけれど、懐が…。

なお、3月13日にWingspanという機関誌がPDFファイルで送られてきましたが、「イヌワシの生態と保全」の著者ジェフ・ワトソン博士の訃報(2007年9月)がありました。まだ54歳ということでしたが、癌を患っていたそうです。

2008年3月24日 (月)

Hunters of the Sky

本日、AbeBooksに注文していたAlan Richards著のBirds of Preyがイギリスの古書店から届きました。本体11.74ドル+送料12.16ドル=23.90ドルでした。

題名のBirds of PreyはRaptorsと並んで英語圏の猛禽本ではありふれたものですが、副題のHunters of the Skyに惹かれました。もっとも、副題のほうもとりたてて目を引くものでもなく、アッテンボローのThe Life of Birdsの猛禽特集Meat-EatersがNHKで放送されたときも、「空のハンター」という題名でした。

この本は1992年に初版が出て、その後も再版されましたが、ぼくは初版本のハクトウワシの表紙よりも、2005年に出た再販本のチュウヒワシの表紙の方がほしかったので、AbeBooksで検索したときも、表紙を確認して購入しました。

実はこの本、1月18日に届いたCarving Birds of PreyとともにAmazon.comに注文したのですが、品切れということで届きませんでした。そこでAbeBooksで検索したわけです。最近出版された新しい本なので、入手は簡単でした。

届いた本を手にしたところ、思ったよりもヴォリュームがありました。値段が安価で、追加料金も取られなかったので、大型本ではないかと察してはいたものの、薄っぺらい写真集だと思っていたものです。しかし、144ページの結構重い本でした。

内容は以下の通りです。

Chapter 1 Scavengers of the Bird World

Chapter 2 Eagles that Feed on Fish

Chapter 3 Agile Flying Forest Hunters

Chapter 4 Low Flying Strikers

Chapter 5 Sky Hunters of the Plains and Grasslands

Chapter 6 Hunters of Snakes, Lizards and Reptiles

Chapter 7 Owls of Temperate and Tropical Forest and Open Plates

Chapter 8 King of the Birds World

Chapter 9 Full Flight Attackers

Chapter 10 Owks of the Northern Forests and Tundra

御覧の通り、死肉食の鳥やフクロウ類も含んでいます。各グループにどのような鳥が属しているのか、ざっと紹介し、代表種を解説しています。写真は豊富で、被写体の魅力を余すところなく伝えています。そういった面からも、鳥の写真を見て楽しみたいという方にはお勧めです。

2008年3月17日 (月)

Eagle & Birds of Prey

本日でもって、このブログのアクセス数は15,000件に達し、一日の平均アクセス数は22件になりました。実はこの22件という数字はこのブログを立ち上げて間もない2006年6月の統計がそうだったのですが、一時期は16件まで落ち込みました。再び22件に戻るまで、実に半年以上要しました。

さて、本日Amazon.co.jpに注文していたJemaima Parry-Jones著のEagle & Birds of Prey(Eyewitness Books)およびBirds of Prey(RSPB Ultimate Sticker Book)が届きました。後者は猛禽類の写真のシール集です。もっともぼくはそのようなものを必要としてはいないので、シールを使用することはないと思います。

前者は猛禽類として邦訳出版された本ですが、残念なことに出版社が倒産したために絶版となってしまいました。何しろ猛禽本の訳書がほとんど出版されていない状況下にあって、このように子どもでも親しめる本が邦訳されたのは誠に好ましいことだったからです。小学生時代のぼくが読んだら狂喜しただろうと思います。この本は買おうと思っていたのですが、上記の理由で入手できず、このたび原書の購入となりました。

内容に関しては、こちらのサイトで紹介されていますので、省略します。ただ、ここでも触れられていますが、子ども向けではあるものの(Amazonでも9~12歳向けとなっている)、大人が読んでも面白いものです。写真やイラストが豊富なので、ビジュアル的にも良質です。洋書を読んでみたいが、いきなり専門書は抵抗がある、という方にはうってつけではないかと思います。訳書が絶版になったものの、原書が入手可能なわけですから、喜ぶべきことなのです。

この本には、ゴマバラワシとイボイノシシの成獣が睨みあっているシーンがあります。子どもを守ろうとするイボイノシシの母親を、ゴマバラワシが翼を広げて威嚇しています。

2008年3月 6日 (木)

フランスの猛禽本

本日、Amazon.frからLes Grand Livre des Rapaces DiurnesRapaces Nicheurs de Franceが届きました(他にWaterloo:De la bataille a legendeも届きました)。

Amazon.frからは今まではナポレオン戦争本(それもワーテルロー本)ばかり購入していたのですが、今回初めて猛禽本を購入しました。フランス語の猛禽本はこれまで一度も手に取ったことはありませんでした。

前者は猛禽全般に触れたもの、後者は題名通り、フランスに分布している猛禽類の本です。さっそくページを開いてみましたが、文章はまったくちんぷんかんぷんです。それもそのはず、ぼくは猛禽類のフランス語での呼称をまるで知らないのです。状況は高2のときに初めて英語の猛禽本を購入したのと同じです。つまり、写真やイラストを見て楽しむというやり方です。そうしていながら、頻出する単語を頭に叩き込んでいくことになるのでしょう。もちろん、精読するには仏和辞書と格闘せざるを得ませんが――。

ところで、前者を読んで気づいたのですが、かなりいい加減な本でした。というのも、写真の解説がかなり違っていたのです。猛禽の仏語名には暗いぼくですが、学名を見ればわかります。さっそく拾ってみました。

P6 トビの写真をイヌワシと表記

P54 オナガイヌワシの写真をカタジロワシと表記

P81 ミミヒダハゲワシの写真をシロエリハゲワシと表記

P82、83 ハクトウワシの写真をオジロワシと表記

P116 オオタカの写真をハヤブサと表記

P147 カンムリクマタカの写真をボネリークマタカと表記

P161 マダラハゲワシの写真をコシジロハゲワシと表記

ざっと見ただけでも、これだけ散見できました。他にもまだあるかもしれません。

参考文献を見ると、それほど多くはなく、英語文献が半分を占めていました。フランス語の猛禽本はそれほど豊富ではないのかもしれません。I.Newton & P.Olsen編(1990)のBirds of PreyがOiseaux de proie(2003)として仏訳されていました。

ともあれ、この本で猛禽全種の仏名が入手できました。これを足掛かりに他の本にもチャレンジしていくつもりです。

2008年3月 3日 (月)

Life Histories of North American Birds of Prey

本日、AbeBooksで注文していたArthur Cleveland Bent著のLife Histories of North American Birds of Preyがスウェーデンの古書店から届きました。2月16日に注文し、19日に出荷されたということです。2巻シリーズで、それぞれ1937年と1938年に出版されました。本体130ドル+送料20.85ドル+追加料金15.16ドル=合計166.01ドルとなりました。

実はこの本、猛禽本としては古典の部類に属しますが、何度も再版され、安価で入手できます。しかし、ぼくはわざわざ初版本を買ってしまったのです。SwannのA Monograph of the Birds of Prey以後、古書狂いしてしまったところがあるのですが、再販本がペーパーバックばかりなので、ハードカヴァーが欲しかったわけでもあります。

著者はアメリカの鳥類学者で、20世紀前半にかけて、さまざまな野鳥本を執筆しています。その一環として、本書もあるわけです。内容は北米産の猛禽類の生活史を、19世紀末から20世紀にかけての研究者やナチュラリストの論文や書簡から描いたものです。収録種は、第1巻がカリフォルニアコンドル、ヒメコンドル、クロコンドル、ツバメトビ、オジロハイイロトビ、ミシシッピトビ、ニシクイトビ、アメリカハイイロチュウヒ、アシボソハイタカ、クーパーハイタカ、オオタカ、モモアカノスリ、アカオノスリ、カタアカノスリ、オビオノスリ、アレチノスリ、ハネビロノスリ、ミジカオノスリ、クロノスリ、ハイイロノスリ、ケアシノスリ、アカケアシノスリ、イヌワシ、オジロワシ、ハクトウワシ、オオワシ、ミサゴ、第2巻がシロハヤブサ、ソウゲンハヤブサ、ハヤブサ、コチョウゲンボウ、オナガハヤブサ、チョウゲンボウ、アメリカチョウゲンボウ、カンムリカラカラ、グアダルーペカラカラ、そしてフクロウ類です。70年前の書籍なので、学名が違っていたり、亜種ごとに述べられていたりしています。

ぼくは北米の猛禽本を手にすると、まずはオビオノスリから読み始めるのですが、この種のヒメコンドルへの擬態が報告されたのはもっとあとのことなので、別の種類から読んでみました。ノスリ類でも鳥類捕食性の強いミジカオノスリのページです。ミジカオノスリがアシボソハイタカを捕食したのは、当時既に知られていました。また、興味深い話もありました。ミジカオノスリの暗色型はかつてはLittle Black Hawkと呼ばれて別種とされ、Buteo fuliginosusなる学名もついていました。しかし、1889年に両者がつがいとなって営巣しているところが観察され、同種ということになりました。このつがいは雄が暗色型でしたが、雌雄どちらにも両方の型が存在します。

この本を読んで驚いたのは、鳥を撃ち落とした、という記述が出てくることです。今だったらタブーですが、当時の研究者にとってそういうことも当たり前だったのでしょう。

他にも面白い話がたくさんありそうですが、何しろ分厚い本なので、完読するのは遠く先のことになりそうです。

2008年2月23日 (土)

BrownのBirds of Prey

本日、AbeBooksに注文していたLeslie Brown著のBirds of Preyがアメリカの古書店から届きました。本体6ドル+送料17ドル=合計23ドルでした。

実は、この本の初版(1976年)は6年前、既に星尾ブックシェルフから購入しています。こちらにはTheir Biology and Ecologyという副題がついています。今回、入手した本は、1997年の再販で、副題はついていませんが、Amazon.co.ukで検索してみたところ、ページ数は同じ256ページで、著者のBrown博士は1980年に死去しているので、同じ本の再販だというのはだいたい見当がつきました。それがわかっていてなぜか購入してしまったのです。しかも、初版本をすでに押さえてあるのに、わざわざ再販本を、です。これには深い理由があるのですが、とてつもなく大それた理由なので、今は秘密にしておきます。

そしてざっと目を通してみましたが、内容は初版本とまったく同じでした。ただ、カラー写真が若干、色鮮やかな印象がありました。そういうわけで、ちょっと得した気分になりました。

内容はというと、まさに猛禽類を生物学および生態学的に解説した本です。

Classification and distribution

Habitats and their inhabitants

Anatomy, structure, and way of life

Hunting and feeding methods

Migration and nomadism

Breeding biology

The ecology of predation

Conservation and protection

Appendices

Bibliography

つまり、分類、形態、生息場所、狩り、渡り、繁殖、保護など主要な部分はカヴァーされています。人間との関わり(文化、鷹狩りetc)は省かれていますが、これは他の書籍で補えるでしょう。

いつもこのブログで書いていることですが、英語圏では猛禽類の書籍が日本とは比べ物にならないくらい豊富で、多岐にわたっています。これらの本を読んでいつも思うことですが、こういう本が日本でも出版されればいいのに、ということです。もちろん、Brown & AmadonのEagles, Hawks and Falcons of the WorldやFerguson-Lees & ChristieのRaptors of the Worldが邦訳出版されれば言うことはないのですが、まず無理でしょう。爆発的な猛禽ブーム(バードウォッチングとか鷹狩りといったレヴェルではなく、世界の猛禽類の野生での総括的な全容を理解したもの)でも巻き起これば話は別ですが。しかしながら、本書およびIan NewtonのPopulation Ecology of Raptorsの2冊は絶対に邦訳出版するだけの価値はあると思うのです。もちろん、日本語で読める類書が皆無だということもありますが(これは他の猛禽本も同じですが)、ただ単に珍しい種類を紹介するのではなく、猛禽類の野生での生態を理解するには必要不可欠だと確信しています。もっとも、どちらも1970年代に出版されたため、少し古いという点は否めませんが、それでも充分な価値はあるはずです。

ともあれ、今のぼくにできることは、このような本を読んで、こつこつホームページを作っていくことだけなのです。

[追記]1月30日の記事で、風さんのコメントにあったDean Amadon博士について調べてみたところ、2003年1月12日に90歳で死去されていたことがわかりました。ぼくがEagles, Hawks and Falcons of the Worldを古書で入手したのが2002年なので、そのときはまだ御存命だったことになります。それにしても、このような偉人とお会いになった風さんが羨ましいです。因みにLeslie Brown博士が亡くなったのは1980年。当時、小3だったぼくはアフリカのセレンゲティにおけるハゲワシ類6種の喰い分けに興味を持っていました。 (3月19日、記)

2008年2月18日 (月)

Raptor Research Foundation

本日、猛禽類の学会であるRaptor Research Foundationへ入会しました。Membershipからのオンライン入会だったので、手続きは簡単でした。この学会を教えてくださったのは、元旦の記事へコメントをいただいた猛禽の部屋の管理人の風さんです。風さんのサイトは以前からのぞかせてもらっており、掲示板やブログにもお邪魔させていただいていましたが、このような学会を紹介していただき、感謝感激です。

思えば、猛禽類に興味を抱いたのは、今から30年前の幼稚園時代に旺文社の鳥類図鑑を手にしたときに始まります。以来30年間、猛禽道をひた走りに走りぬいた…というわけにはいきませんでした。他にも趣味を抱えていたため、なおざりになっていた時期があったのです。そもそもぼくは動物全体が好きで、小・中学生時代は特に魚などの水生動物を水槽で飼育することに夢中になっていました。バードウォッチングを始めたのは、中学生のときですが、学業と両立せず、不完全燃焼に終わっていました。ぼくにとって、魚とは水槽で飼うものであり、鳥とはフィールドで見るものであったので、どうしても魚のほうが身近な存在でした。大学も水産学部に進学し、今でも家で熱帯魚を2匹飼っています。もっとも、熱帯魚に関しては、洋書を漁るほど熱中はしませんでした。中学生時代、アクアライフという月刊誌を購読していましたが、要するに日本語で読める媒体で満足していたためです。ただ、かなり長期にわたって持続していた趣味ではありました。

このブログでは今まで何度か書きましたが、猛禽類には何度か波がありました。短期間ではあったものの、やたらと熱中して書籍などを読みまくっていたものです。一番最初の大きな波は中3のときのことでした。きっかけは、NHKで放送されていたアッテンボローの「生きものたちの地球」(原題The Living Planet)でヒゲワシが骨を落として割るシーンを見たことと、同時期に出版された平凡社の「動物大百科」を購読したことでした。そこで、ルーズリーフに猛禽類の記事を書き始めたのですが、高校受験に阻まれて、あえなくストップしました。高校時代に再開を、と思いましたが、参考文献の不足のためと、ワードプロセッサーを持っていなかったのが原因で、いつかはきっとと悲願を立てつつ、いつしか遠のいてしまいました。高2のときに日本野鳥の会のバードショップでWeick & BrownのBirds of Prey of the Worldを初めとする洋書を何冊か購入しましたが、当時は英語が苦手で読みこなせず、また、大学受験に突入したために、なおざりになりました。浪人・大学時代にはナポレオン戦争に熱中し、ますます縁がなかったのです。猛禽熱が復活したのは、大学卒業後の2000年にアッテンボローの「鳥の世界」(原題The Life of Birds)がNHKで放送されたのを見てからで、今まで買いためて、積ん読状態となっていた書籍を読み始めました。その後はナポレオン戦争と両立を試みつつ、現在に至るわけです。2005年に立ち上げたRAPTORNISは、中3のときに不完全燃焼に終わった猛禽ノートを復活させようという悲願に他なりません。

猛禽類との関わりあいではネックとなっている点が二つあります。一つは横のつながりがないということです。学生時代に日本野鳥の会に入会したものの、2年で退会してしまいました。実は入会したとき、猛禽類の好きな人と知り合って、同人誌でも…と思っていたのですが、支部の探鳥会に参加しても、そのような話の合いそうな人はいなかったのです。唯一楽しい思い出は、「野鳥」誌の広告で知ったカナダへのバードウォッチングトゥアーでした。カナダ人のガイドとカタコトの英語で猛禽の話をしたのですが、本当に楽しかったのです。もう一つは、フィールドでの体験が不足しているということです。中学・高校時代は学業に阻まれ、他の趣味と両立できず、大学時代に病気を患ったため、フィールドとはずっと縁がなかったのです。どこに行けばどんな鳥を見られるか、まったく知りません。結果的に、洋書と映像作品で頭でっかちとなってしまったのです。まあ、趣味でやる分にはどんな形でも楽しければいいのですが、“自己流”であることは否めません。この二点がぼくにとってコンプレックスとなって足を引っ張っていたのです。そういうわけで、風さんから学会を紹介していただき、心から嬉しかったのです。これが新しい第一歩を踏み出すきっかけとしたいものです。

風さん、本当にありがとうございました。

2008年1月30日 (水)

British Birds of Prey

本日、AbeBooksで注文したLeslie Brown著のBritish Birds of Preyがアメリカの古書店から届きました。本体55ドル+送料13ドル+追加料金18ドル=86ドルの買い物となりました。届いてみて、そのヴォリュームに圧倒されました。1976年に出版された本で、400ページの分量で、イギリスのワシ・タカ類24種が解説されていました。去年の6月にAbeBooksを利用し始めて以来、猛禽本をはじめとする洋書を次から次へと買いまくったので、積ん読の山が大きくなる一方です。L.Brownの著書は、Eagles(1955)、African Birds of Prey(1970)、Eagles(1970)、Birds of Prey(1976)、Eagles of the World(1976)の5冊を既に購入しており、Dean Amadonとの共著で猛禽のバイブルであるEagles, Hawks & Falcons of the World(1968)も初版と復刻版の両方ともしっかり入手しています。

さて、この本が届いたとき、とんでもないことに気づきました。1月23日の野良ネコの「くろちゃん」の死です。その日は、去年の10月23日のネオタの死からちょうど3か月後ですが、両方ともその日を挟んで猛禽本をAbeBooksで購入しているのです。ネオタの死の直前である10月16日にIan NewtonのPopulation Ecology of Raptorsを注文し、17日に出荷され、ネオタの死後の24日に届きました。そして件の本は1月16日に注文し、18日に出荷され、「くろちゃん」の死後の今日30日に届きました。価格はNewton本が本体75ドル+送料17ドル=92ドル、Brown本が上記のように86ドルです。ページ数はNewton本が399ページでBrown本が400ページ、出版年はNewton本が1979年でBrown本が1976年と似ているのです。どちらもアメリカの書店から届きましたが、Brown本はButeo Booksからでした。このButeo BooksとはNewton本を出版したところなのです。どちらもビニールのラッパーで包まれていました。そういうわけで、何か因縁めいたものを感じました。今後、猛禽本を購入する際には身近なネコの死を懸念しなければならないのかもしれません。

2008年1月18日 (金)

Carving Birds of Prey

本日、昨年末にAmazon.comに注文していたAnthony HillmanのCarving Birds of Preyが届きました。この本は、バードカーヴィングの猛禽用の型紙集で、収録されているのは、ツバメトビ、オオタカ、ハイイロチュウヒ、アカオノスリ、ハクトウワシ、ミサゴ、ヒメコンドル、カンムリカラカラ、アメリカチョウゲンボウ、ハヤブサ、アメリカワシミミズク、シロフクロウの12種分の型紙です。平とじで、型紙として使用するためには、ホッチキスの針をはずして、ページをばらすことになります。ぼくは別に木彫りをやるわけではなく、ただ何となく購入してしまったので、おそらく書棚にしまいこんだままになってしまうだろうと思います。

アート本としては、Floyd ScholzのBirds of Preyという本を持っています。この本は、Amazon.co.jpで購入しましたが、最初は普通の猛禽本だと思って注文したところ、届いてみたらアート本でした。そのため、積ん読の山に埋もれて、ほとんど読むこともないのですが、装丁が豪華なので、持っているとリッチな気分になれます。そのために所持しているようなものかもしれません。

実は、ぼくは猛禽が好きですが、猛禽グッズなどを収集することはありません。十代のころは熱帯魚のグッズを集めていたことがありましたが、場所を取るし、持っていてもあまり意味はないので、収集癖はありませんでした。まったく興味がないわけではなく、サーベルタイガーの頭骨レプリカや、ナポレオン戦争関係ではレプリカのフリントロック式拳銃やサーベルを購入したこともありますが、コレクションには至りませんでした。もし収集癖があったら、膨大な金額を費やしたでしょうし、家の中で生活するスペースもなくなっていたと思います。

ぼくの高校時代の友人で、中世ヨーロッパのコインや日本刀の刀装具を集めている人がいます。彼は何でも自分の給料より高価なものも買うそうで、破産寸前の生活をしているということです。ただ単にやみくもに買い漁るのではなく、コレクションの図録を作ってコミケで販売したりしており、それなりに有意義な収集をしているようです。

それで、なぜぼくがカーヴィングをやるわけでもないのに件の本を購入したかというと、ぼくは猛禽本を収集しているからです。カーヴィングが目的ではなく、猛禽関係の書籍を所有したいがために購入した、というわけなのです。

2008年1月15日 (火)

The Wind Masters

本日、Amazon.comに注文していたPete Dunne著のThe Wind Mastersが届きました。副題のThe Lives of North American Birds of Preyから見当がつくように、北アメリカ産の猛禽類の生態を描いた本です。収録されているのは、シロハヤブサ、オオタカ、ミジカオノスリ、ヒメコンドル、ハクトウワシ、コチョウゲンボウ、カンムリカラカラ、カギハシトビ、オジロノスリ、アカオノスリ、アシボソハイタカ、カタアカノスリ、モモアカノスリ、クロコンドル、ハイイロチュウヒ、ハヤブサ、アレチノスリ、ニシクイトビ、アカケアシノスリ、ハイイロノスリ、オジロハイイロトビ、アメリカチョウゲンボウ、ソウゲンハヤブサ、クロノスリ、ミサゴ、オビオノスリ、ツバメトビ、ミシシッピトビ、ハネビロノスリ、クーパーハイタカ、ケアシノスリ、イヌワシ、カリフォルニアコンドルの計33種類です。イラストはDavid Allen Sibleyの筆によるものです。

早速、北米の猛禽で一番興味のあるオビオノスリから読んでみました。冒頭の部分にオビオノスリがヒメコンドルに擬態してハトを捕食する様子が物語風に描かれています。その後、オビオノスリの生態について詳述されています。図鑑ではなく、読み物としての体裁の本です。

同時にSutton夫妻のHow to Spot Hawks & Eaglesも届きました。こちらは北米の猛禽類のバードウォッチングガイドで、カラー写真がふんだんに使用されており、収録数は上記の本からカリフォルニアコンドルを除いた32種です。ただし、写真が掲載されていない種もありました。

2008年1月10日 (木)

Hawks in Focus

午後11時過ぎ、AbeBooksに注文していたCupper著のHawks in Focusが届いているのに気づきました。本当は数日前に家族が受け取っていたようなのですが、ぼくが気づかなかったのです。オーストラリアの猛禽本で、1981年に出版されました。本体39.78ドル+送料15.50ドル=55.28ドルでした。収録種はオーストラリアハイイロトビ、クロオビハイイロトビ、シロガシラトビ、アカムネトビ、トビ、フエフキトビ、クロムネトビ、ウスユキチュウヒ、チュウヒ、クロハヤブサ、チャイロハヤブサ、ハヤブサ、オーストラリアチゴハヤブサ、ハイイロハヤブサ、オーストラリアチョウゲンボウ、チャイロオオタカ、アカエリツミ、ハイイロオオタカ、シロハラウミワシ、オナガイヌワシ、ヒメクマタカ、カンムリカッコウハヤブサ、ミサゴ、アカオオタカの24種です。

英語圏の猛禽本は地域別ではやはりヨーロッパと北米がダントツで、アフリカがこれに次ぎますが、オーストラリアのものも若干出版されています。手持ちの本ではこれで4冊目です。それ以外では2006年にインドの猛禽本が1冊出版されており、東南アジアと中南米は今のところ皆無です。今年の夏にメキシコと中米の猛禽本が出版されるそうなので、楽しみにしています。

この本は、上記の24種の猛禽を順々に解説したものですが、著者が撮影した写真もふんだんに使用されています。なんでも巣を撮影するためにクレーンを使ったそうです。27年前の写真なので、少し古いのですが、良質です。

まだ全部目を通したわけではありませんが、面白い記事がありました。クロムネトビがオーストラリアチョウゲンボウを育てていたものと、ハイイロオオタカとチャイロオオタカの交雑です。後者については他の書籍で知っていましたが、前者は初耳でした。ざっと読んでみると、クロムネトビの巣でオーストラリアチョウゲンボウの雛が確認され、最初はエッグコレクターがチョウゲンボウの卵をトビの巣に混入したものと思われていたそうですが、真実は、トビがチョウゲンボウの巣を襲って親鳥を捕食し、ついでに雛を自分の巣に持ち帰ったのですが、何を勘違いしたのか、自分で育ててしまったそうです。非常に興味深い話でした。

この本は去年の12月19日にオーストラリアの書店に注文しました。現在、捕鯨問題をめぐってオーストラリアと日本の間がぎくしゃくしているので、ひやりとしたものです。

2008年1月 7日 (月)

Raptors of the Pacific Northwest

本日、Amazon.co.jpに注文していたThomas Boskowski & Dwight G. Smith共著のRaptors of the Pacific Northwestが届きました。この本は題名からわかるように、アメリカ合衆国北西部の太平洋岸に生息する35種の猛禽についての本です。そのうち、ワシ・タカ類はヒメコンドル、ミサゴ、オジロハイイロトビ、ハクトウワシ、ハイイロチュウヒ、アシボソハイタカ、クーパーハイタカ、オオタカ、カタアカノスリ、ハネビロノスリ、アレチノスリ、アカオノスリ、アカケアシノスリ、ケアシノスリ、イヌワシ、アメリカチョウゲンボウ、コチョウゲンボウ、シロハヤブサ、ハヤブサ、ソウゲンハヤブサの20種で、フクロウ類15種も収録されています(フクロウ類には疎いので、和名を知らない種もあり、省略します)。

ペーパーバックの152ページで、大してヴォリュームはなく、気軽に読める本です。写真も多数載っており、視覚的にも楽しめます。北米産の猛禽本はいろいろ出版されており、本書もさして特筆すべきものではありませんが、合衆国北西部の太平洋岸に着目しており、地元のバードウォッチャーにとってガイドとして重宝されるのを目的としたようです。

ぼくは学生時代、初めての海外旅行としてカナダへのバードウォッチングトゥアーに参加しました。場所はカナダのヴァンクーヴァーで、この本の舞台とごく近い場所です。そのときはアカオノスリ、ハクトウワシ、ハイイロチュウヒ、ヒメコンドル、ハヤブサの5種を見ましたが、これらはすべてこの本に収録されており、懐かしいものです。それ以外にアシボソハイタカの尾羽も拾いました。地元には他にもバードウォッチングに来ている人たちがたくさんおり、根強いファンがいることを実感しました。本書はそれを思い出させてくれました。

2007年12月 5日 (水)

A Synoptical List of the Accipitres

本日、AbeBooksで注文したA Synoptical List of the Accipitresがイギリスの古書店から届きました。11月22日に届いたA Synopsis of the Accipitresと同じ書店からです。前回の書籍の初版にあたる本で、1919年から1920年にかけてSwannによって編纂されたワシ・タカ類の分類表です。前回の書籍は1冊の本という体裁でしたが、今回のものは4冊の冊子という形になっており、しかもページがつながっていました。ペーパーナイフで切り開く形式のものだったようですが、前の持ち主がナイフを入れずに、古書店に引き取られたようです。とにかく、大変な値打ちもののようです。

ページを切り開かなければ読むことはできません。そこで、チェコスロヴァキア製のナイフを取り出して切ることにしました。このナイフは中学時代に母の友人からもらったもので、ファルシオン(西洋円月刀)のような形をしています。さっそく、ページにナイフを入れたところ、気持ちがいいほどすっぱりと切れました。こうしてすべてのページを難なく切り開いたのですが、こんな経験は生まれて初めてでした。これでまた古書狂いしそうな予感がします。

内容は、前回届いたA Synopsis of the Accipitresよりもさらに古い分類で、猛禽類が亜種まで含めて載っていました。現在の分類では認められなくなった“幻の”種や亜種も豊富です。これもいずれ、ホームページで紹介する予定です。

2007年12月 3日 (月)

Raptors at Risk

本日、AbeBooksに注文していたChancellor & Meyburg編のRaptors at Riskが届きました。新品でした。ペーパーバックながら895ページもある分厚い本です。

この本は学術論文集です。The World Working Group on Birds of Prey and Owls(WWGBP)によって2000年に出版され、過去に同様の論文集が何冊が出ています。内容についてですが、正直言ってぼくのようなアマチュアにはハードルが高すぎるといったところでしょうか。すべての内容を理解するのは今の段階では無理ですが、いつかは読みこなしたいと思っています。もちろん、そのためには努力しなくてはなりませんが。

おおまかな内容についてですが、以下の13のパートに分かれています。

1.Current Studies of African Raptors

2.Biology & Conservation of the Vultures of the World

3.Falcons in Asia and the Middle East

4.Conservation Models for Raptors of the World

5.Raptors in Urban Environments

6.Understanding Distribution - the Whys and Wherefores of Geographical Ranges of Raptors

7.Predation and Feeding Ecology

8.Conservation Biology of the World's Migratory Raptors

9.Islands and Raptors

10.Impact of Electricity Utility Structures on Raptors

11.Biology of Owls with Emphasis on Vocalisations

12.Taxonomy, Phylogeny, Development in Raptors DNA Studies and other Theoretical Aspects

13.General Studies

一口に論文集といっても内容はかなり多岐にわたっています。その中で特に目を引くのがDNAによる分類についてで、従来からの分類を徹底的にひっくり返しています。新しい分類が“常識”となるにはまだまだ時間を要するかもしれませんが、未来がどうなるか、見当もつかないわけです。それよりも、ぼく自身がこのような書籍を読みこなせなくてはどうしようもないのですが。

2007年11月26日 (月)

Understanding the Bird of Prey

本日、Amazon.co.ukに注文していたNick Fox著のUnderstanding the Bird of Preyが届きました。この本は一昨日に届いたBirds of Prey(Usborne New Spotters' Gides)と一緒に注文したものですが、なぜか別々に送られてきました。

早速、読んでみました。どういう本かというと、鷹狩りの書籍なのです。今までに読んでいた猛禽本は野生での生態についてのものが大半だったので、違和感がありました。鷹狩り本はこれが初めてというわけではなく、Emma Fordの凄い豪華本も持っていますが、本書ほど本格的な鷹狩り本は初めてでした。

因みに、ぼくは鷹狩りに関してはまったく門外漢です。日本語の書籍でもその関係の専門的な本は読んでいません。総合的な本の中で軽く触れられている程度です。実は数年前、鷹狩りをやってみようと思ったこともありましたが、ぼくは鳥をじかに手で触れてみる自信がないのです。今まで、鳥に直接触れた経験は、小6のとき、迷子のアヒルを自宅の池で保護したのと、中1~高1の間に巣から落ちたスズメの雛を何羽か家で育てたくらいしかありません(アヒルは飼い主のもとに戻り、スズメは死んでしまったものと、自然に戻ったものがいました)。さらに、ぼくは鳥の死骸が苦手なのです。鶏肉も食べられないくらいです(ニワトリは生きている姿も駄目ですが)。魚だったら小学生時代から飼っているし、大学も水産学部だったから平気ですが。ホームページを開設したときも、ある人から、「研究でやっているのか、それとも趣味か」と訊かれたので、「趣味でやっている。研究だったら鳥の死骸をさばいたりしなくてはならない。水産学部卒なので、魚の死骸ならさばけるが、鳥の死骸をさばく勇気はない」と返答しました。鷹狩りにも憧れたことはありますが、タカが捕らえた獲物をさばけなくてはどうしようもありませんからね。だから、今後、生きている猛禽に触れる機会はないと思います。

そういうわけで、せっかく買ったこの本も、あまり読まないのではないかと思われます。もっとも、伝統文化としての鷹狩りはいずれ調べてみようと思っているので、そのときには役立つかもしれません。

2007年11月22日 (木)

A Synopsis of the Accipitres

本日、AbeBooksで注文していたSwannのA Synopsis of the Accipitresがイギリスの古書店から届きました。1921年から1922年にかけて編纂された猛禽類のリスト(亜種を含む)で、もちろん当時の分類に沿って書かれたものです。ページはいかにもペーパーナイフで切りました、という感じです。ただ、各種亜種に若干の解説が付けられて羅列されているものですが、ぼくは分類表を見るのは好きで、しかも80年前の分類ときていますから、大いにそそられます。それに最近は古書狂いしているようなところがあり、特に年代物とくるとたまらないわけです。

Swannは20世紀初頭に、世界の猛禽類の分類を体系化させるというパイオニア的な業績を残しました。今から見ると違和感のある分類が用いられていますが、現在の分類に至るまでの歴史を知ることができ、博物学的な意味で価値があります。現在の猛禽類の研究者も彼の著書を参考にしています。この分類表についてはいずれホームページで紹介します。

今日はAmazon.co.jpに注文していたJerry LiguoriのHawks from Every Angleも届きました。北米産の猛禽の飛翔姿をさまざまな角度から撮影した本です。

2007年11月21日 (水)

豪華本

本日、AbeBooksに注文していたPeter Steyn著のHunters of the African SkyおよびPhilip Burton著のVanishing Eaglesが届きました。どちらも新品同様でした。

前者はアフリカ南部の猛禽についての本で、Graeme Arnottがイラストを担当しています。内容は、Steynが1982年に著したBirds of Prey of Southern Africaで使用したイラストに若干プラスしたもので、96ページの薄い本ですが、大型本です。どうも限定出版で、猛禽関係者に配布するために作った本のようです。

後者は世界のワシ33種を紹介した本で、Trevor Boyerがイラストを担当しています。英名でいうEaglesですから、ハゲワシ類やヘビクイワシは含まれず、クマタカ類が扱われています。ニューギニアオウギワシやモルッカイヌワシといったマイナー種も収録されており、このような本はおそらく日本ではまず出版されないでしょう。

この2冊はいずれも大型本で、きれいなイラストが多用されています。装丁は豪華です。古書とはいえ、このような本が数千円で入手できるのですから、猛禽ファンにとってはたまらないわけです。

英語圏では、猛禽類について魅力的な書籍がまだまだたくさんあります。日本でもこのような本を出版してほしいですが、先は遠いようです。

2007年11月13日 (火)

A Monograph of the Birds of Prey

本日、AbeBooksで注文したH. Kirke Swann著のA Monograph of the Birds of Preyがアメリカの書店から届きました。本体650ドル+送料14ドル=664ドルの買い物でした。

この本は、Swannが1924~1945年にかけて著した全部で16部からなる世界の猛禽全種を紹介したものです。もっとも、Swannは1926年に死去しており、その後はAlexander Wetmoreが遺稿を編集しました。2巻にまとめられており、Vol.1は487ページ、Vol.2は538ページですが、古い本なので恐ろしくヴォリュームがあります。何でも412冊の限定出版だったということでした。

内容はというと、文字通り古典です。20世紀初頭の分類が用いられています。タカ目全体をコンドル亜目(コンドル科のみ)とハヤブサ亜目(ハゲワシ科、ヘビクイワシ科、ハヤブサ科)に分け、ハヤブサ科はカラカラ亜科、タカ亜科、ノスリ亜科、ヒゲワシ亜科、ワシ亜科、トビ亜科、ハヤブサ亜科、ミサゴ亜科に区分しています。現在の分類から見ると相当違和感がありますが、博物学的な意味では興味深いものです。

収録種は326種ですが、現在ではシノニムとして“消失”した猛禽も載っています。例えばヒメオウギワシ属のEcuadorian Crested Eagleは現在ではヒメオウギワシと同種扱いですが、当時は別種とされ、Morphnus taeniatusなる学名がありました。また、学名変遷歴も載っています。ヘビクイワシは1779年にMillerによりFalco serpentariusとして記載され、1783年にHermannによって新属Sagittariusとして独立しましたが、なぜか1790年にVultur属に移されていたりします。一見してツルに近縁のような外観のヘビクイワシが、18世紀に既にワシやタカの一種とみなされていたことが興味深いです。オウギワシは1758年にVultur harpyjaとして記載され、1788年にFalco属に移され、1816年に現在のHarpia属として独立しました。

この本を読んで面白いと思ったら、よほど重症の猛禽熱に感染していると言えるでしょう。しかしながら博物学的な話も奥行きがあるものです。

2007年11月10日 (土)

H. von Michaelisの猛禽本

本日、AbeBooksに注文していたH. von MichaelisのBirds of Prey:A Kinshipが届きました。オーストラリアの古書店からで、本体価格56.74ドル+送料13.60ドル=70.34ドルでした。著者のH. von Michaelisは1912年にドイツで生まれ、1937年に南アフリカへ移住し、画家および鷹匠として知られています。この本をまだ全部読んだわけではないので、詳しいことはよくわからないのですが、学者ではないようです。この本は、画集兼エッセイ集のようなものですが、猛禽類のカラー図版10点はかなりのものです。時間的余裕があったら、通読してみたいと思います。

それから、Amazon.co.jpに注文していたAlan TurnerのPrehistoric Mammalsも届きました。ネオタのことが絡んでいるのですが、ネコ科について追及しようと思い、化石ネコの資料として購入しました。National Geographicの本で、化石哺乳類全般に触れています。子ども向きということですが、内容はしっかりしています。ネコ科ではメガンテレオン、ディノフェリス、ホモテリウム、クセノスミルス、スミロドン、そしてニムラヴス科として独立しましたが、ホプロフォネウスがイラストで紹介されています。今後は化石ネコ類についても洋書漁りをするつもりなので、まずはこの本といったところでしょうか。

さらに、やはりAbeBooksに注文していたP.J.MundyのThe Comparative Biology of Southern African Vulturesも届きました。南アフリカの古書店からで、7月に注文したのですが、4か月かかりました。本体90.00ドル+送料24.80=114.80ドルです。ミミヒダハゲワシ、シロガシラハゲワシ、ズキンハゲワシ、ケープハゲワシ、コシジロハゲワシの5種についての研究で、文体はいかにもタイプライターで打ちました的な凄い本です。ぼくには少し難しすぎる内容かもしれませんが、いつかは役に立つだろうと思います。

2007年11月 6日 (火)

コシジロハゲワシ

ネオタの死後、2週間経った今日、上野動物園へ行ってきました。お目当ては今年になって入ったというコシジロハゲワシです。上野動物園はぼくが子どものころは猛禽の種類も豊富で、ハゲワシ類はクロハゲワシ、ミミハゲワシ、ベンガルハゲワシと3種いましたが、いつのまにか減ってしまい、1種もいなくなりました。ハゲワシが好きなぼくとしては寂しく思っていたものです。そしたら、コシジロハゲワシが入ったとのこと。動物番組でアフリカのサヴァンナで死肉漁りをしている“ハゲワシ”は大抵本種なので、見ないという手はないのです。

なぜ、今日行ったかというと、平日で朝方まで雨が降っていたからです。しかも9時半の開園と同時に突入しました。ガラガラかと思っていましたが、どこかの幼稚園が遠足に来ていました。まあ、全体的にはすいていたので、良かったのですが。目標のコシジロハゲワシは2羽いました。イヌワシやダルマワシと同居していました。他には、フクロウとオオタカとハヤブサ、ツミとチョウゲンボウ、オオワシとオジロワシ、ダルマワシとカワリクマタカとノスリがそれぞれ同居しており、単独種ではトキイロコンドル、クマタカ、コンドル、そしてなぜかツル舎にヘビクイワシがいました。あと、不忍池の島に飛べなくなったオオワシが2羽いました。一通り見終わったあと、いつものように猛禽舎の前でじっくり見ていったのですが、前の晩に徹夜したので、頭がふらふらで、あとは帰って寝たいだけでした。ネコ科のほうは残念ながらよく見ませんでした。インドライオンとスマトラトラとベンガルヤマネコとマヌルネコがいるのですが、マヌルネコだけしか見なかったのです。ネオタに申し訳なかったです。

ワシという鳥はよく見るとあまり大きくありません。翼を広げると優に2mを超える種もいますが、体重はイエネコくらいで、体そのものは小さいと言えます。実物を目の前にしていないとイメージが膨らんで、とてつもない巨鳥のように想像したりもするのですが。よく、物語の中で、「人間の大人ほどもある大ワシ」などという表現に出くわしますが、明らかに誇張です。そんなにあったら空を飛べませんからね。しかしながら、自重の数倍もの獲物にも果敢に襲いかかって斃したりするので、凄い鳥なのです。

帰宅したら、Amazon.co.jpのマーケットプレイスで注文した豊田有恒のSFダイノサウルス作戦が届いていました。

2007年9月 7日 (金)

Finch-Daviesの猛禽本

一昨日のThe Vultures of Africaに続き、やはりAbeBooksに注文していたThe Birds of Prey of Southern Africaが本日届きました。Finch-Daviesの描いた猛禽画にAlan Kempが解説を加えたものです。1980年に出版された本で、1726冊の限定出版です。本体価格は175ドル、送料14ドルで、計189ドルの買い物でした。339ページで、ワシ・タカ類64種、フクロウ類12種が紹介されており、イラストは140点に及びます。

Clande Gibney Finch-Davies(1875~1920)はインドのデリー生まれのイギリスの軍人で、18歳でライフル騎兵隊に入隊して南アフリカへ赴き、アングロ‐ボーア戦争と第1次世界大戦に従事し、軍曹を経て中尉に昇進しました。軍務の傍らに野鳥の絵を書き続けて、注目されました。1920年に45歳で亡くなったのですが、南アフリカの猛禽類についての論文も執筆しています。このうちの猛禽のイラスト140点にA. Kempの解説をつけて1980年に出版されたのがこの本です。

イラストについてですが、ものすごくリアルです。特に鳥の羽毛や脚の鱗など、一つ一つ丁寧に描かれています。あまりにもリアルなので、眼の部分などを見ていると怖くなるくらいです。特に、シロガシラハゲワシ、カンムリクマタカ、ヘビクイワシなど神々しく見えます。猛禽ファンにとって、たまらない本です。

猛禽の洋書を読むとき、写真やイラストが多用された本はすばらしいものです。写真でも見事なものがありますが、イラストでも芸術的なものは見ているだけで楽しめます。ぼくは猛禽好きの友人に、洋書を読むことを勧めるのですが、英語が苦手だからという理由で敬遠している人もいます。しかし、イラストを見るだけでも充分に楽しめますし、高校時代に英語が苦手だったぼくもそうしてこの世界に入ったものです。日本語の書籍では絶対に味わえないのですから。

2007年9月 5日 (水)

The Vultures of Africa

本日、1週間前にAbeBooksで注文したThe Vultures of Africaという本が届きました。Peter Mundyら4人の研究者によって1992年に出版されたアフリカのハゲワシ類11種のモノグラフです。460ページの分厚くて重い本です。取り寄せたのはオランダの古書店からで、本体価格211.25ドル、送料19.83ドルで追加料金が11.60ドルかかり、合計242.68ドルの買い物となりました。

洋書を購入するときの目安として、他の書籍の参考文献をチェックするという方法があります。良書であればあるほど、それを参考資料としている書籍も多くなります。そういった意味からも、この本は他のいろいろな猛禽本の参考文献に挙げられており、是非とも入手したい本でした。

収録されている種は、ケープハゲワシ、マダラハゲワシ、シロエリハゲワシ、コシジロハゲワシ、ズキンハゲワシ、ミミヒダハゲワシ、クロハゲワシ、シロガシラハゲワシ、エジプトハゲワシ、ヒゲワシ、ヤシハゲワシの11種です。これだけマイナーな鳥たちを1種類ずつ掘り下げているのですから、猛禽ファンにとって堪えられません。日本では絶対に出版されないでしょう。小3のときにアフリカのハゲワシ類の喰い分けに興味を持って以来、興味を持ち続けたぼくにとって、のどから手が出るほど欲しい本です。

この本を入手しようと思って、6月にAbeBooksで検索してみました。すると1件だけヒットし、三百ン十ドルでした。あまりの値段に気が遠くなり、いずれ懐が豊かになったら買おうと思って諦めました。しかし、その本はすぐに売れてしまいました。そうなると買いたくなるのが人情で、それから1週間、毎日のようにチェックしていました。すると1週間後の6月22日、南アフリカの古書店が320.15ドルで出品していました。「しめた!」と思い、すぐに注文しました。送料は34.82ドルということでした。そしてその日はルンルン気分でフランス語学校へ出かけました。ところが帰宅してPCを開くと、その本は既に他の人に売ってしまったとのメールが届いていました。このときぼくがどれほど落胆したかは想像にお任せします。

そして、意地でも手に入れてやると思い、毎日のようにチェックしていました。そんなことを2か月以上も続けていました。さすがに嫌気が差してきた8月28日、半ば投げやり気分で検索してみたところ、オランダの古書店が出品していました。考えるより行動です。すぐに注文しました。翌日に発送され、今日、手元に届いたわけです。

本の状態はすこぶる良好で、新品同様でした。さっそく開いてみると、イラストも写真もきれいでした。特に、ぼくが一番好きなハゲワシであるシロガシラハゲワシの鮮明な写真が載っていたのが嬉しかったです。それからショッキングな写真もありました。コシジロハゲワシの若鳥がセグロジャッカルに喰われているものです。水浴びをしていて無防備なところをやられたそうです。前にミミヒダハゲワシがジャッカルを喰っている映像を見て驚いたのですが、まさに弱肉強食の世界ですね。

とにかく猛禽の洋書を漁るのは辞められません。日本語の野鳥本では絶対に味わえない、夢のような世界が広がります。

2007年8月11日 (土)

ゴードン著の「イヌワシの生態」

昨日、古書店からAmazon.co.jpで注文したゴードン著のイヌワシの生態が届きました。奇しくも、ロイド著の「猛禽類」と同じ店からでした。平凡社出版の邦訳(大原總一郎訳)で、1974年の第二版(初版は1973年)です。本の状態は、多少は日焼けのあとがありますが、良好で、満足のいく買い物でした。値段は¥1700(定価は¥1300)です。

この本に最初にお目にかかったのは、今から20年前、千葉県行徳市の野鳥観察舎の図書室で、全部は目を通していませんが、翻訳ものだということで、日本人の筆による書籍では得られない情報が満載でした。原書は1955年出版で、著者のS・ゴードンはスコットランド人で、半世紀にわたるイヌワシ観察の他、北半球一帯の情報が集められています。

イヌワシについての書籍といえば、去年、文一総合出版から出たJ・ワトソン著のイヌワシの生態と保全があります。原書は1997年に出版され、ぼくはこちらも購入しています。ただ、ぼくは基本的に広く浅く型の人間なので、1種類を追求した本は苦手で、かつ学術論文となってくるとどうしても取っつき難くなります。特に、数式やグラフなどがあるとお手上げです。そういうわけで、原書を読みこなすセンスがないので、邦訳が出て、これ幸いとばかりに買ってしまいました。ただ、邦訳の残念な点は、原書は「北半球に広く分布する大型猛禽イヌワシ」という視点で書かれているのに、「日本の野鳥イヌワシ」として訳出している点にあります。訳者あとがきに、次のように触れられています。

その一方で、本書の末尾の引用文献で見るように、世界のイヌワシに関する論文は、Watson氏がこの本を書いた段階で512本に上っているが、残念なことに日本での研究はわずか3論文(0.6%)が引用されているにすぎない。これはわが国のイヌワシ研究の成果が過小評価されていることを意味する。そうなる主な原因は、貴重な論文が日本語で書かれていることに起因しており、世界のイヌワシ研究を発展させる上で非常に残念なことである。本書では、この欠けている部分を読者に理解していただくために、第22章の後に、原書にはない「日本の事例・ニホンイヌワシ」を山﨑亨氏に書き下ろしていただいてある。

学術研究の詳しい事情はよくわかりませんが、日本で出版されている野鳥の書籍はほとんどが日本の野鳥ばかりだということを考えると、イヌワシの研究も日本国内にとどまっており、日本の研究者にとってイヌワシとは「日本の野鳥」であって、「北半球に広く分布する大型猛禽」ではないことが、著者と見解が異なるのでしょう。そういった意味では、先に挙げたイヌワシの生態のほうが著者の意を汲んだ翻訳という点で好感が持てました。

2007年7月30日 (月)

逃がした魚は大きい

猛禽の洋書(英語)に手を出してから、19年になります。今でこそ、ネットで洋書を入手するのは楽になりましたが、昔は書店で偶然にお目にかかれるか、書店に注文を出して海外から取り寄せてもらったりしたので、手間がかかり、待たされたあげく、品切れということで涙をのんだものでした。最初のうちは、猛禽関係の洋書は日本野鳥の会のバードショップで漁り、大学に入学してからは生協の書籍部で注文を出していました。

1995年の春、カナダのバードウォッチングトゥアーに参加し、現地でハクトウワシやヒメコンドルなどの猛禽を見て、何年かぶりに猛禽熱が起こりました。そこで、以前から気になっていた本が欲しくなりました。猛禽愛好家にとってバイブルとも言うべき、Leslie Brown & Dean Amadon共著のEagles, Hawks & Falcons of the Worldです。1968年に初版が出て、1989年に再版が出た945ページもある大著です。ナポレオン戦争本だと、チャンドラーの「ナポレオン戦争」に相当すると言えるでしょう。当然、ぼくとしてはのどから手が出るほど欲しい本でした。

そこで大学生協書籍部の洋書目録で検索してみました。すると、再版本が出ていました。一も二もなく、注文したのは言うまでもありません。そして、まもなく入荷案内の葉書がきました。ここでとんでもないヘマをやってしまいました。その葉書をよく読まないで、本は品切れだという知らせのものだと勘違いしてしまったのです! 当時、いろいろな本を生協で注文していましたが、品切れで入荷せずとの案内も葉書が送られてきていたのです。てっきりそれだと思ってしまったのです。葉書は机の引き出しに放り込み、長いこと忘れていました。

そして1999年の秋、大学を卒業したぼくは、実家に戻るため、引越しの準備をしていました。荷物の整理をしていたとき、その葉書が出てきたのです。それをよく読んでみて、「しまった」と思いました。入荷の案内だったのです! しかし、ときは既に遅し、でした。逃がした魚は大きかったのです。このときは本当に悔しかったのです。

どうしてもその本は手に入れたかったぼくは、古書で入手できないかと考えました。しかし、当時のぼくはネットユーザーではありませんでした。可能性は限りなく低かったのです。そのとき思い出したのは、札幌で知りあった友人が、洋古書を探してくれる店を利用している、ということでした。さっそく友人に問い合わせると、教えてくれました。群馬県にある星尾ブックシェルフという店でした。

そのときは、そう簡単に入手できるとは期待してもいませんでしたが、ものは試しだと思って、電話してみました。すると、書籍名と著者名を教えてくれたら、探してみるとのこと。さっそく、件の本と、他にも欲しかった猛禽本4冊を注文しました。すると、いとも簡単に本が送られてきました。件の本は、1989年の再版本と、1968年の初版本の両方を注文しましたが、両方とも入手できました。

こうして、一度逃がした大きな魚は、確実に捕らえました。だから、ここで書けるわけです。

2007年6月25日 (月)

Burtonの猛禽本

昨日、ロイド著の「猛禽類」が届いて有頂天になっていたら、今日になってAbeBooksに注文していたPhilip Burton著のBirds of Prey of the Worldがイギリスから届きました。この本は本体価格が15.28ドルだったのですが、送料が10.71ドルかかり、しかも1.786kgという重い本だったので、追加料金として8.22ドル取られ、合計34.21ドルの買い物でした。

内容はというと、ワシ・タカ類全種のイラストと種ごとの解説がなされており、そのイラストというのが19世紀の博物学の本に載っているもののように、芸術的なものばかりです。特にオウギワシとワライハヤブサのイラストなど、写真と見まごうほどでした。カンムリクマタカやコシジロイヌワシもまた見事なものでした。このブログで何度も書いていることですが、日本では絶対に出版されない、というより、出版しようという発想からして望めない本です。本当に英語圏の人たちが羨ましいです。

イラストが多用された本といえば、Weick & Brown共著のBirds of Prey of the Worldがあります。ぼくが高2のときに購入した猛禽の洋書第1号です。この本はWeickが25年にわたって描きためた1000以上ものイラストが使用されています。しかも、種類によって雄と雌、成鳥と若鳥と幼鳥、亜種や色彩変異までこと細かく書かれています。いつものことながら、猛禽の洋書を開くと、夢のような世界が広がります。そして、日本ではどうしてこのような本が出版されないのか、ため息が出ます。日本の出版社は日本人の鳥好きは日本の野鳥にしか興味を持たないと決めてかかっているのか、それとも日本人に海外の鳥についての情報を流すことは好ましくないと思っているのか、とまで言ったら考えすぎでしょうか。

2007年6月24日 (日)

ロイドの「猛禽類」

6月19日の朝、Amazonでうろうろしていたら、「猛禽類」(グレニス&デリック・ロイド著、高野伸二訳)が1000円で出品されていたので、衝動買いしました。昨日、家に届きました。1973年に主婦と生活社で出版された本で、古書でしか入手できません。どういう本かというと、ワシ・タカ類とフクロウ類全種を簡単に紹介した本で、代表的な種だけですが、イラストもあります。

実はこの本、ぼくは原書(Birds of Prey)を持っています。1969年に出版された古い本です。このような本は英語圏では多数が出版されています。つまり、数ある猛禽本の1冊にすぎないわけです。ところが、これが邦訳されると話は違ってきます。このブログで何度も書きましたが、日本の出版社は基本的に日本の野鳥についての本しか出版しません。猛禽類全種を紹介した本など、現在はどこからも出版されていません。単に日本人の鳥好きが日本の野鳥にしか興味を持たないのかもしれませんし、出版社が日本の野鳥の本しか出版しないので、多くの日本人の鳥好きは日本の野鳥についての情報しか入手できず、世界の鳥の魅力に気づかないのかもしれません。ともかく、英語圏では掃いて捨てるほどある猛禽本でも、日本語に訳されるとダイアモンドのように輝くことになります。

さて、この本も広く浅く型ではありますが、内容はしっかりしています。当然のことながら、猛禽類全体をグローバルな視点で捉えています。日本人の著者の筆による本は、日本の野鳥を中心に書かれているので、ハゲワシ類は日本にも飛来するクロハゲワシについてしか語られていませんし、コンドル類やカラカラ類など日本に生息していない鳥について言及されることもありません。よって、誰が書いても金太郎飴のような本ばかりになってしまいます。まあ、昔から和書で満足できない人たちは洋書に手を出していたのでしょうし、ぼくもその一人ですが、それでも日本語が懐かしくなることもあります。そういうわけで、この本を購入したわけです。

この本を手にして思ったのは、タイムスリップできたら、これを少年時代のぼくにプレゼントしたい、ということです。当時のぼくは英語の本が読めませんから、日本語の本で満足するしかありません。しかし、日本で出版されている本では情報が限られてきます。情報に餓えていたわけです。もっとも、「知りたい」というハングリー精神があったからこそ、今のぼくがあるわけです。ただ、英語圏ではありふれた書籍でも、翻訳されるとその手のファンにとっては貴重な宝物、ということの一例でしょう。

2007年4月19日 (木)

ワシとタカの違い

今月に入って、嬉しいことにこの「RAPTORNISの日記」の閲覧数が増加しました。ホームページRAPTORNISにリンクしたので、そこから入ってくるケースが多くなったようです。

さて、ここでワシとタカの違いについて触れてみましょう。多くの本によると、タカ目あるいはタカ科に属する鳥のうち、大型がワシ、中・小型がタカ、と説明されています。そして必ずといっていいほど書かれているのが、タカと名の付く鳥のうちでも、クマタカのようにワシに匹敵するほど大型の種もいるし、逆にカンムリワシのようにワシという名が付いていても、ノスリほどの大きさしかない種もいる、ということです。さらに、現在ではタカ目とかタカ科と表記しますが、かつてはワシタカ目とかワシタカ科と表記されていたため、ワシとタカは別物だと考えられていたようです。

結論から言うと、タカ科の鳥をワシかタカかどちらかと白黒つけるのはナンセンスです。タカ科に属する鳥はすべてタカであり、その中で大型になり、「○○ワシ」という名称の鳥がワシだと考えるべきでしょう。さらに、タカの中には、ハチクマ、トビ、チュウヒ、ツミ、サシバ、ノスリなど、ワシでもタカでもない名称の鳥も存在しますが、これらはすべてタカと言えます。

英名ではワシがeagle、タカがhawkということになっています。しかし、すべてが割り切れるわけではありません。クマタカ類はhawk eagles、つまりタカのようなワシと呼ばれ、ワシとして扱われています。実際、「○○クマタカ」という名の鳥は多数いますが、これらはイヌワシに近縁で、ワシと考えるべきでしょう。また、タカと呼ばれる鳥がすべてhawkとは限りません。トビはkite、チュウヒはharrier、ノスリはbuzzardとなります。さらに面倒なことに、ノスリは旧世界ではbuzzardですが、新世界ではhawkと呼ばれています。新旧両大陸に跨って分布するケアシノスリは両方の名称で呼ばれています。

それではワシがすべてeagleかというと、そうでもありません。ハゲワシ類はvulturesと呼ばれています。ハゲワシ類は分類学上はウミワシ類に近縁で、文字通り「禿げた鷲」なのですが、eagleと呼ばれるワシがハンターなのに対し、ハゲワシは死肉漁り、つまりスカヴェンジャーです(例外もあります)。そのため、英語圏ではeagleは崇高で気高い存在ですが、vultureは不吉でいやらしいというニュアンスがあります。

それではタカ科以外の猛禽はどうでしょうか。この中で代表的なのはハヤブサ科です。ハヤブサ類は一般の人の間ではタカの中の1グループと見なされていますが、実際はかなり違う鳥です。タカとワシの違いよりも、タカとハヤブサの違いのほうが大きいのです。しかしながら、ハヤブサ類は欧米やアラブ世界では鷹狩りの主役となっています。生物学的ではともかく、鷹狩りという文化の視点では「タカ」と扱っておかしくはないでしょう。それ以外の猛禽ではミサゴ科、ヘビクイワシ科、コンドル科があります。ミサゴは独立の科とする説と、タカ科に含める説があります。ハヤブサ科よりもタカに近縁です。従って、タカとして扱っても問題はないでしょう。ヘビクイワシはワシという名がありますが、外見はまったく似ていません。しかしながら、この鳥も分類学上はワシやタカに近縁だとされています。そしてコンドル科です。これらはハゲワシに外見が似ており、英名もvulturesですが、解剖学的にはむしろ、コウノトリに近縁です。かつてはハゲタカと呼ばれていたそうですが、ワシでもタカでもなく、コンドルはコンドルだと考えるべきでしょう。

堅苦しい話になりましたが、動物の名称というものは、理論詰めに考えるよりも、見た目の印象によるところが大きいようです。これは他の動物についても当てはまります。

2007年3月26日 (月)

ハヤブサに託した地図のない旅

先日、近所の書店でアラン・テナント著のハヤブサに託した地図のない旅(原題On the Wing)という本を衝動買いしました。自然ジャーナリストである著者がメスのハヤブサに発信機を取りつけ、小型機で跡を追うというノンフィクションです。まだ、全部は目を通していません。

それで、なぜ衝動買いしたかというと、書店で手に取って見て、46ページの一文に目が行ったからです。次のように書かれています。

「しかし、ケン・リドルのチームのメンバーはちがった。中世の騎士たちも顔負けの、熱烈な猛禽マニアぞろいなのだ。今昔を問わず猛禽に関する書物をコレクションし、特製のタカかごに少なくとも一羽の猛禽を飼っている」

この“猛禽マニア”および“書物をコレクションし”という言葉にグッときました。というのは、ぼく自身も猛禽マニア(のつもり)ですが、今までやったことは書物をコレクションすることが中心だったからです。フィールドに出るのは億劫だし、カメラや双眼鏡もろくに使いこなせず、かといって猛禽を個人で飼育することには賛同しかねるので、一番手っ取り早い楽しみ方は、書物を読んで楽しむことなのです。最近になって外国のDVDが入手可能になったので、映像で楽しむこともできるようになりましたが。そして、単に読むだけではもったいないので、それを形にしていこうと思って、ホームページ作りを始めたわけです。

猛禽に限ったことではないのですが、ぼくの趣味は関連書籍を集めることに重点を置いています。グッズなどはコレクションする気にはならないのです。持っていて、それだけのことだからです。もちろん、そのようなグッズをコレクションしている人を否定しているわけではありません。ぼくの高校時代の友人は貨幣や刀装具を収集しているのですが、ある意味で敬意を抱きます。とてもぼくにはまねができません。ぼくの場合、自分に興味のあることについて知りたいので、書籍やDVDのみを収集対象としているのは、安上がりです。もっとも、猛禽だけでなくナポレオン戦争についても興味があるので、なかなか双方を両立させるのには骨が折れますが。

難点を挙げると、本というものは読み込めばそれだけ傷んできます。何年も愛読した本などはぼろぼろになるのが辛いです。どうもぼくは蔵書マニアみたいなところがあり、なるべく新しいままで取っておきたい、という気持ちもあります。しかし、本というものは読んでナンボのものなので、愛読書ほど古びてきます。猛禽関係だと最初に入手したWeick & Brown共著のBirds of Prey of the Worldなどはかなり傷んでいます。しかしながら、今まで猛禽について随分世話になった本なので、名誉の勲章みたいなものと言えるでしょう。

2006年10月 5日 (木)

ネットの落とし穴

ぼくの友人にKさんという人物がいます。Kさんとは去年、ネットで知りあいました。彼も猛禽が好きですが、ぼくが中・小型種も含めた猛禽全般が好きなのに対し、彼は大型猛禽、特にカンムリクマタカが好きなのだそうです。

ところで、Kさんとは直接会ったことがなく、Eメールと電話でやり取りしています。最初は、楽しかったのです。猛禽類のことについて話せる友人というのは他にいなかったからです。そもそも学生時代に日本野鳥の会に入会したのも、そのような友人が欲しかったからなのですが、会のシステムでは無理でした。だから、Kさんのような存在は貴重でした。しかし、行き詰まりのようなものを感じるようになりました。彼は自分が好きな大型猛禽の話だと夢中になるのに、中・小型猛禽の話をすると途端に黙りこくるのです。自分の興味の範囲内でしか会話をしない人のようなのです。いったい、Kさんにとってぼくは何なのかと悩みました。

そのKさんは、2ちゃんねるの猛禽スレによく書き込みをしています。彼はそこで何人かの猛禽仲間がいるのですが、ぼくにも何か書いてくれとしきりに催促してきます。それで一度、書き込んだことがあるのですが、送信できませんでした。それで、その後はただ閲覧するに留めました。そして去年の12月、ぼくは自分の猛禽サイトを立ち上げました。そのことをKさんには伝えましたが、大して期待してはいませんでした。彼はその当時、自分のサイトを更新するたびに電話をかけてきて、「見てくれ」と催促していたのですが、どうせぼくのサイトには興味ないだろうと思っていたのです。そしたら、3月になって、Kさんがぼくのアドレスを2ちゃんねるに書き込みました。そこにはこのようなことが書かれていました。

「私の友達でやっぱりワシタカファンが立ち上げたサイト、ついでに紹介しますね。彼のパソコンは、2チャンネルが使えなくて、でもすごく書き込みたいそうです。この掲示板を読んでいつもいろいろと参考にしています。カンムリクマタカ意外にも、すべての鷲が好きな人です」

これを読んだときには、悲しくなりました。Kさんはぼくのやり方をまるで理解していないのです。ぼくは別に2ちゃんねるに書き込みたいわけではないのです。また、ぼくが参考にしているのはあくまでも書籍です。Kさんは自分がネットで情報収集しているからといって、ぼくも同じだろうと思い込んでいるのです。さらに、ぼくのサイトのアドレスを書き込むのなら、一言断ってほしかったのです。Kさんには抗議しましたが、通じなかったようです。

Kさんには申し訳ないのですが、ぼくはネット情報をあまり当てにはしていません。確かに、書籍とは違ってタダで情報が得られますが、そこには落とし穴があります。ネットでは誰でも自由に情報を公開できます。また、匿名も可能です。つまり、どこの誰が発信したかわからない、何のソースに由来するかわからない情報が飛び交っているということです。もちろん、ネット情報でも信用できるものがあります。プライドのある発信者であれば、いい加減な記事を公開したりはしないでしょう。逆に書籍でも真面目に執筆したと思えない出鱈目な駄本もあります。これを見抜くには、なるべく多くの本を読んで目を肥やすしかありません。それでは、ネットは無意味かといえばそうでもありません。ぼくも今、livedoorの猛禽掲示板で会話を楽しんでいます。日本野鳥の会では知りあえなかった友人と会話ができるのだから、大いに活用すべきなのです。

ここでネットの落とし穴を一つ。Kさんのサイトでは何種類かの大型猛禽が紹介されていますが、彼が一番好きなカンムリクマタカのメニューにアフリカンゴールデンキャットという野生ネコが入っています。ぼくが何冊か読んだ猛禽の本にはdomestic cat(イエネコ)というのはあったのですが、アフリカンゴールデンキャットというのは見たことがありません。どうも話を聞いてみると、Kさんが参考にした海外サイトにもdomestic catがあったのですが、彼はどういうわけかこれを「野生のネコ」と勘違いし、カンムリクマタカが生息するアフリカの熱帯雨林に分布する野生ネコとしてアフリカンゴールデンキャットだと思い込んだようなのです。また、彼がカンムリクマタカのライヴァルと見ているゴマバラワシがサーヴァルを捕食するため、それに対抗させたかったのかもしれません。さらに尾ひれがつきます。Kさんのサイトを見てそれを信じてしまった人がいるのです。これがネットの落とし穴です。こういうことになるのも、日本では海外の鳥についての書籍が乏しいせいです。だから、猛禽ファンは海外のサイトに目を通すのです。もっとも、海外の鳥についての情報が簡単に入手できないからこそ、ロマンがあるわけですが。

2006年9月13日 (水)

猛禽掲示板

お久しぶりです。3週間近く、更新をサボってしまいました~。

というのも、先月には「日本の猛禽事情」と題して言いたい放題書きまくっていたのですが、「カンムリクマタカ」でぐぐってみたところ、とある掲示板に猛禽スレを検索しました。ヤマトさんというハヤブサがお好きな方が立ち上げたスレでした。さっそく読んでみたところ、見覚えのある文章が――。なんと、我がサイトの猛禽類の解説が引用されていたのでした。

正直言って感動しました。去年の暮れにサイトを立ち上げて早、半年以上になりますが、自分でも満足いくものができていない状態でした。だから、あの拙い解説を参考にしてくださる方がいることを知り、本当に嬉しかったです。でも、これがずばり「日本の猛禽事情」と言えます。何しろ、日本では海外の猛禽について猛禽ファンを満足させられる本がほとんどありません。皆さん、海外の猛禽サイトをいろいろ調べておられるようです。

それで、ぼくもその掲示板に書き込んでみました。そしてスレ主のヤマトさんと会話がはずんでしまい、ついつい夢中になってしまったのです。というのも、猛禽好きな友人というものが皆無だったこともあります。学生時代、日本野鳥の会に所属していたのですが、要するに猛禽のことを話せる友人がほしかったからです。しかし、会の本部の方は、「そういう話がしたかったらパソコン通信でもやりなさい。友人がほしかったら支部の探鳥会に参加しなさい」とのつれない返事。仕方ないから探鳥会に顔を出したのですが、一度きりで嫌気がさしてしまいました。だって、他の会員の方は定年後に暇だから入会したという感じの年齢層で、その中に大学生がたった一人で入り込んだところで浮いてしまうだけです。いや、同好の士に年齢は関係ないとはと思います。しかし、鳥が好きといっても、支部の探鳥会ではぞろぞろと出て行って、鳥がいるとみんなで望遠鏡やら双眼鏡やらを並べて見ているだけのことだったのです。そういうところで、「カンムリクマタカが――」と言ってもしらけるだけのことです。ただ、ぼくは思うのです。野鳥の会に入会してくる人の中にはぼくのような人間も少なくはないはずです。そういう人を満足させられるような努力を怠っているのではないでしょうか。現在は野鳥の会がどのような活動をしているのかは知りませんが、若い世代の入会者を増やしたいのであれば、鳥の世界がいかに面白いかを知ってもらうように工夫すべきです。デイヴィッド・アッテンボローさんが偉大なのは、まさにその点にあります。

そういうわけで、「我が意を得たり」と思って書き込んでいるうちに、あっという間に半月以上が経過し、ブログの方がお留守になっていたわけです。ただ、思うのはネット上のつき合いだけでは物足りない点もあります。ナポレオン戦争でもそうなのですが、実際に会って本名で知り合った上で、酒でも飲みながら談笑できたらいいのですが。やはり、ぼくはアナログ人間なのです。

2006年8月26日 (土)

Raptors of the World

昨日のことですが、Amazon.co.jpに注文したJames Ferguson-LeesとDavid A.Christie共著のRaptors of the Worldが届きました。世界中のワシ・タカ類全種(コンドルを含む)がカラーイラストで掲載されている、猛禽ファンにとっては貴重で、日本語ではお目にかかれない書籍です。しかし、実は4年前に同じ著者の同じ題名の本をぼくは購入しているのです。992ページの大著で、112ページ分のプレートに313種の猛禽類が紹介され、各種類について詳細な解説があります。しかしながら、この本は高価な上、ヴォリュームがあって扱いにくいです。昨日届いた本はフィールドガイドという形で持ち運びに適しています。内容は、4年前の本のプレートを抜き出しただけで、コンパクトです。しかし、プレートは118ページに増えており、338種になっていました。25種も増えたのです!

新種が発見されたのでしょうか? いえ、違います。結論を言ってしまうと、以前は同じ種に分類されていたものが、その後の研究で別種として扱われるようになったわけです。例えば、サメイロワシとソウゲンワシは以前は同種という扱いになっていました。もっとも、その当時から両者には違いが知られており、同じ種の別の亜種だったのです。その後、両者は別の種類だとする学説が有力となり、現在は別種扱いです。このような例は生物界にはたくさんあります。

身近な例だとトビがそうです。トビは以前、日本を含めたユーラシアとオーストラリアとアフリカに広く分布するという扱いになっていました。このトビという種は7亜種ありました。その後の研究で、日本産の亜種をトビとして、アフリカ産の2亜種をキバシトビとして独立させ、ユーラシアとオーストラリアの残りの4亜種がニシトビとなりました。つまり、3種に分類されたのです。チュウヒとハチクマにも似たようなパターンがあります。

猛禽類の本を読み続けていて気づくのは、新しい本が出版されるたびに、上記のような理由で種類が増え続けていることです。分類学は絶えず進歩しており、最近ではDNAを調べることによって新発見があったりします(コンドルがコウノトリに近縁となったときにはショックでしたが、起こるべきことが起きたという感じでもありました)。ただ、分類とはあくまでも人為的なもので、猛禽類の自然界における生態のすばらしさには関係ありません(ぼくのように、野生での生態と分類の両方に興味を持つ人間もいますが)。

さて、この本を手にして思ったのは、こういう本がなぜ日本では出版されないんだ! ということです。この本はコンパクトで持ち運びにも便利なので、手軽に読むことができます。猛禽ファンにとってはわくわくするような本ですが、そのようなファンは日本国内では少数派なのでしょうか。

2006年8月18日 (金)

日本の猛禽事情 その3

8月12日、東京ビッグサイトで開催されているコミックマーケットへ行ってきました。ぼくの高校時代の同級生が出店しており、そこでぼくが書いたワーテルロー小説を販売してもらいました。当日、友人のそのまた友人が描いたワーテルローの漫画を購入しましたが、工兵司令官のアゾ将軍というマイナーな人物が登場していて、さりげなくマニアックでした。その他、第3回十字軍の遠征(含アルスフの戦い)についての小冊子も買ったのですが、参考文献のほとんどが洋書で、日本語の文献ではなかなかお目にかかれないような分野を開拓する人はいろいろいると実感しました。

そこで気づいたのですが、日本人の猛禽ファンで、日本語の文献だけでは飽き足らず、洋書漁りをしている人はどれくらいいるのでしょうか。いや、洋書を読んでいるだけという人ならかなりいるかもしれません。現にぼくもその1人です。しかし、それをもとにして何かを作りだそうとしている人はどれくらいいるでしょうか。猛禽類のホームページは日本国内のものばかりだし、同人誌で検索してみても引っかかりません。ましてや世界の猛禽についての本を出版しようなどという人は皆無です。書こうという人はいるかもしれないのですが、そういう本を出版しようという所はないのでしょう。

ぼくは熱帯魚を飼っています。小4のときに飼い始め、現在に至るまで細く長くやっています。中学生時代にかなり凝ったことがあるのですが、マニアというレヴェルには達しませんでした。というのは、日本の熱帯魚店で売られている魚を購入し、日本語で読める書籍で満足していたからです。当時、とある熱帯魚の雑誌を愛読していました。その雑誌の執筆陣はマニアと呼ばれる人たちでした。彼らは海外の文献を漁ったり、アマゾンなどの原産地へ採集に出て、今まで日本の業界に知られていなかったエキゾティックな魚たちを紹介してきました。業界を引っ張ってきたのは彼らでした。

猛禽類の場合だと状況が少し異なります。というのも、洋書を漁ったところで、ただ読んで知識を得るだけで終わってしまうからです。ぼくの手元にはアフリカの猛禽についての本(英語)が何冊かあります。しかし、それを日本語訳して出版したところで日本人のバードウォッチャーにウケるとも思えません。アフリカにいる鳥が見たいからといって、簡単に見に行けるわけではないからです。日本人にとっては縁遠い存在なのです。そして、その縁遠い存在に目を着ける出版社もなく、それに夢中になるマニアも少数派になるわけです。

そういった状況で、ぼくのような猛禽ファンにとって嬉しいのが海外の自然番組です。例えば、アッテンボローの「鳥の世界」などは堪えられないものです(製作途中で、アッテンボローさんは47年連れ添った奥さんを病気で亡くされました)。この番組は日本でも放送され、話題になりましたが、多くの日本人の愛好家はメディアの提供する情報で満足しているように思えます。未知の情報を開拓しようとするマニアの出現が待ち望まれます。

2006年8月12日 (土)

日本の猛禽事情 その2

引き続き、日本の猛禽事情について書きます。いや、不平不満をぶちまけます。

前回の記事のコメントで書きましたが、読者が日本語で出版されている本で満足してしまうと、その業界の出版物は固定されることになります。これは猛禽でもナポレオン戦争でも同じことが言えます。猛禽類をはじめ、鳥に関してはほぼ絶望的です。というのも、日本ではバードウォッチングが趣味として確立してしまったため、鳥が好きな人がやることは身近な自然で野鳥を観察するということに直結します。中には海外バードウォッチングに出る人もいるでしょうし(ぼくもカナダへ行ったことがあります)、ペットとして飼育する人もいるでしょうが(日本の野鳥は飼育できないので、この場合は外国産の鳥)、身近な鳥といえば日本の野鳥ということになってしまいます。そのため、出版社は日本の野鳥のみ、もしくはそれを中心とした本しか出版せず、読者もそれに甘んじてしまうのです。

ナポレオン戦争の場合、状況が少し異なります。というのは、これは西洋史上の出来事であり、フランスを中心としたヨーロッパが舞台です。つまり、輸入文化です。今まではナポレオンという1人の人物のみを中心としてきた嫌いがありますが、読者の要望が高まれば、他の人物にもスポットが当てられるかもしれません。例えばネルソン提督の伝記なども出版されています。そのうち、ネイ元帥の伝記が出ることも夢ではないかもしれません。当時の人物の手記や回想録なども少しずつですが、日本語でも読むことができるようになりました。

ここまで書いてきて気づいたのですが、ぼくの鳥との係わり方は、本を読んだり、TVで見たりして、知識を得ることでした。一般の人の場合、フィールドに出て鳥を見ることになります。ぼくも10代のころは双眼鏡を手にフィールドに出たものですが、今では滅多に出ません。それよりも猛禽関係の本を読んだり、アッテンボローの番組を見ている方が楽しいのです。カナダでハクトウワシとヒメコンドルを見たときには感動しましたが、カンムリクマタカを見にアフリカに行くなんてことはそう簡単にはできませんからね。その点はナポレオン戦争も同じです。これを趣味としてやるのは、やはり本を読んだり映画を見て楽しむことが中心となります。ワーテルローの古戦場には2度、パリのアンヴァリッドには1度行った程度です。

話が脱線しました。前回の記事で、旺文社の図鑑について意見をしましたが、ぼくは子供のころ、学研の図鑑も愛読していました。この本は実にいい本でした。というのも、日本の鳥だけでなく、世界の鳥についても体系的に扱っていたからです。子供にとって、日本の野鳥だけが身近な鳥ではありません。ダチョウやペンギンやフラミンゴも動物園などではおなじみです。鳥の本を出版するのであれば、これを忘れてはならないと思います。

この本では、外国産の猛禽類として、次の種を扱っています。ヘビクイワシ、コンドル、トキイロコンドル、ヒメコンドル、カリフォルニアコンドル、クロハゲワシ、シロエリハゲワシ、エジプトハゲワシ、ヒゲワシ、オウギワシ、サルクイワシ、カンムリクマタカ、ハクトウワシ、カラカラの14種です。そして、解説もまたしっかりとしたものでした。ワシ・タカ類は4科に分類されます。ヘビクイワシ科、コンドル科、ワシタカ科、ハヤブサ科です。この本では便宜上、ワシタカ科(現在はタカ科と表記)を死肉食のハゲワシ類と生餌を狩るワシタカ類に分けています。また、ワシタカ科はトビ類、オオタカ類、ノスリ類、ヤマワシ類、ウミワシ類、カンムリワシ類、チュウヒ類が含まれ、ハヤブサ科は真のハヤブサ類、スズメハヤブサ類、カラカラ類、モリハヤブサ類が含まれることも触れています。この解説は、低年齢層の読者にはもちろん、一般向けとしても充分に通用するほどです。というより、現在、日本語で読める一般向けの鳥の本に、これくらい体系的に書かれたものがあるでしょうか。

学研の図鑑には「鳥のくらし」がありました。この本もしっかりした、鳥類全体を捉えた本でした。猛禽類ではアフリカのサヴァンナにおける6種類のハゲワシの喰い分けが取り上げられていました。大型種(ミミヒダハゲワシとシロガシラハゲワシ)と中型種(マダラハゲワシとコシジロハゲワシ)と小型種(エジプトハゲワシとズキンハゲワシ)では死肉のどの部位を食べるかがグラフで表示されていました。猛禽類ではないのですが、オウム類ではペットとしておなじみのセキセイインコの野生での生態を紹介していたり、ニュージーランドのミヤマオウム(ケア)やフクロウオウム(カカポ)といった興味深い種類を紹介していて、小3だったぼくは夢中で読んだものです。鳥好きの子供の興味をいかにして引き出すか、いかにして夢を与えるか、学研はいい本を出してくれたと思います。

それ以外にも、ぼくの小学生時代には図書館へ行けばワクワクするような本がたくさんあったのですが、いつの間にか見なくなりました。外国で出版された本を翻訳したものをときどき見かけますが、高価で入手しづらく、また売れ行きもないのではと思われます。

2006年8月 9日 (水)

日本の猛禽事情 その1

しばらく更新をサボっていたら、8月に入ってあっという間に9日が経過してしまいました。ワーテルロー小説は先週末に完成したのですが、それからしばらく、何もやる気が起きなかったためです。

今回は久々に猛禽の話です。それで、日本における猛禽事情について書いてみようかと思います。いや、「書いてみようか」などという呑気なことではありません。「日本における猛禽事情についての不平不満」をぶちまけようかということです。

ここで、鳥が好きな方に質問します。皆さんが鳥という言葉を聞いて、まず何を連想しますか? 日本の野鳥ですか? 動物園やTV番組に登場する外国の鳥ですか? それとも、人間に飼われている飼い鳥や家禽ですか? 一口に鳥と言っても、いろいろありますよね。何しろ、ざっと1万種はいるわけですから。

鳥が好きな方は当然、鳥の本を読まれることと思います。書店に入ったら鳥の本が置かれている書棚へ足を向けられることでしょう。そこに置かれている鳥の本の背表紙を見てください。ほとんどが日本の野鳥についての本であることに気づかれるかと思います。外国の鳥について書かれた本はあったとしてもごくわずかですよね。なぜでしょうか。

今、ぼくの手元に旺文社の野外観察図鑑の「動物」と「鳥」があります。いずれも、ぼくが子供のころから親しんでいた本です。「動物」では両生類、爬虫類、哺乳類が扱われています。まず、「動物」から見てみましょう。「ネコのなかま」のページを開くと、リビアネコ、ジャングルキャット、ボブキャット、カラカル、サーヴァル、スナドリネコ、オセロット、ピューマ、ウンピョウ、ヒョウ、ジャガー、ユキヒョウ、トラ、ライオン、チーターなど30種ほど載っています。このうち、日本に分布しているのはツシマヤマネコとイリオモテヤマネコの2種だけで、他はすべて外国産です。次に、「鳥」の「ワシタカのなかま」を開いてみます。ミサゴ、ハチクマ、トビ、オジロワシ、オオワシ、オオタカ、ツミ、ハイタカ、ケアシノスリ、ノスリ、サシバ、クマタカ、カラフトワシ、イヌワシ、クロハゲワシ、カンムリワシ、ハイイロチュウヒ、チュウヒの18種が載っています。これらはすべて、日本の野鳥です。それもそのはず、「日本の鳥」という項目だからです。外国の鳥については「世界の鳥」のページでお情け程度に扱われているに過ぎません。このことについて、ぼくは子供のころから疑問に思っていました。この本だけではなく、日本で出版されている鳥の本は、子供向けの図鑑から一般向けのガイドブックにいたるまで、日本の野鳥が中心なのです。外国の鳥について知りたかったり、世界的規模で鳥類全体を捉えたいという読者にとって甚だ不親切で歯痒い思いをさせているというのが現状なのです。

猛禽類についても例外ではありません。ワシ・タカ類は世界中に300種ほどが知られており、そのうち30種が日本で記録されています。そして日本語の書籍で読める情報は、日本産の猛禽に限定されています。外国産の猛禽についても断片的には触れられていますが、世界中の猛禽の全体像を知りたければ洋書に頼らざるを得ないのが現状です。幸い、英語圏ではワシ・タカ類全種を扱った本が何冊か出版されています。英語を苦にしなければ、かなりオイシイ情報が手に入ります。これはナポレオン戦争でも同じことが言えます。しかし、英語が苦手な人や低年齢層の読者にとっては日本の出版事情は厳しいかもしれません。今から20年前の中学生時代のぼくが直面していたのはこういうことでした。もし、時間旅行が実現できて、当時の自分と会うことが可能ならば、現在得られた情報をまとめてプレゼントしたいです。あのころは今のぼくよりも情熱がありましたから。いや、そんなこと言ってしまっても仕方ないですね。ただ、鳥関連の本を出している出版社には、もっと鳥好きの人に夢を与えることも考慮してほしいと思います。

ところで、日本ではなぜ日本の野鳥についての本が主流なのでしょう?

1.バードウォッチングが趣味として定着したため、そういう本でなければ売れないから?

2.日本国民の目を日本の野鳥のみに向けたいという出版社の意向?

3.執筆者が日本の野鳥の専門家のみ?

ここのあたりがよく理解できません。ただ、日本の野鳥だけが鳥ではないよ、外国にも面白い鳥はたくさんいるよ、と言いたいです。ナポレオン戦争についても、以前はナポレオン1人のみにしかスポットを当てていない本が大半でしたが、最近では他の人物や当時の戦闘の実像を掘り下げた本が出版されるようになりました。猛禽類でも、今までは話題にされていなかったマイナーな外国産の鳥について着目した本が出版されてもいいのではないでしょうか。

2006年7月 1日 (土)

コンドルは猛禽ではない

久々にホームページを更新しました。各種解説にコンドル類を加えました。

実はコンドル類を猛禽と呼ぶべきかどうかについては疑問です。彼らはハゲワシ類と同じく、死肉を漁る掃除屋です。しかし、ハゲワシ類の方は猛禽と呼んでもおかしくないような印象があります。

まず、分類学的な点です。ハゲワシ類は捕食性のワシやタカと同じく、タカ科に属します。特にウミワシ類に近縁とされています。文字通り、禿げた鷲なのです。一方、コンドル類は独立したコンドル科に属しています。かつてはタカ目コンドル科だったのですが、DNAを調べたところ、ワシやタカとは縁が遠く、むしろコウノトリに近縁という結果になりました。コンドル類は外見上はハゲワシ類に似ていますが、これは同じように死肉食という生態的地位を占めた結果の収斂現象です。このような例は動物界にはいくらでもあります。

次に、体の特徴があります。足を比べてみます。ハゲワシ類の足はワシやタカと同じく、頑丈で握力も強く、湾曲した鉤爪があります。その気になれば狩りにも使えます。実際に、シロガシラハゲワシのように自らハンティングする種類もあります。一方、コンドル類の足は普通の鳥とあまり変わりありません。細い上に爪も鈍く、狩りには役立ちません。もう一つ、眼の位置です。ハゲワシ類の眼はワシやタカと同様に正面を向いています。これは肉食動物の特徴で、獲物との距離を正確に掴むのに適しています。また、眉上突起といって眼窩の上の縁が出っ張っていますが、これもワシやタカと同じです。そのため、ハゲワシの顔を近くで見ると、険しい印象があります(捕食性の猛禽でもハヤブサ類は眉上突起が発達しておらず、かわいらしい表情をしていますが)。コンドル類の眼はニワトリのように横についています。眉状突起もないので、猛禽らしい印象に欠けています。

コンドル類も自分で狩りをすることがあります。クロコンドルはウミガメの子を捕食しますが、足は使わず、嘴で捕らえます。つまり、Bird of PreyではあってもRaptorではないのです。捕食鳥ではあっても猛禽とは言い難いのです。コンドルに比べると、アオサギやセグロカモメの方が遥かに精悍に見えます。また、クロコンドルがほぼ同大のアカエリクマタカに捕食された例があります。一方、ミミヒダハゲワシやシロガシラハゲワシはワシ類の獲物を横取りするケースがしばしば観察されています。これは足を武器として使用できるかどうかにかかっていると言えるでしょう。

そういう事情もあるのですが、コンドル類は長年、猛禽という扱いを受けており、ハゲワシ類と比較する意味からも、取り上げてみました。

2006年5月29日 (月)

死肉に群がるハゲワシ

戦史上有名な騎兵突撃の例として、クリミア戦争におけるバラクラヴァ会戦(1854年10月25日)での軽騎兵旅団の突撃(The Charge of the Light Brigade)があります。イギリス軍のロード・カーディガン率いる軽騎兵旅団が命令伝達のミスからロシア軍の砲兵陣地に正面突撃をかけたものです。もちろん無謀なもので、突撃に参加した673騎のうち、再結集した者がわずか195騎という結果に終わったのですが、それでも敵陣に到達したイギリス騎兵は、ロシア砲兵を「槍で突き、サーベルで斬った」のです。ぼくがこの戦いについて具体的に知ったのは高3のとき(1989年)のことで、戦史に興味を持ち始め、書店で偶然に見つけたジョン・マクドナルドの戦場の歴史を読んでからです(高い本なので、実際に購入したのは翌年のことでした)。多くの日本人と同様に、長篠合戦(1575年)の定説を信じていたぼくにとって、それから300年近く経ってから、火砲に対して騎兵隊が刀槍による白兵突撃を行なった、というのが信じられませんでした。

ところでぼくはそれ以前にも、この戦いについて読んだことがあります。中3のとき(1986年)のことで、当時は動物(特に猛禽)一筋でした。そのときに購入した動物大百科7(鳥類Ⅰ)に、次のような記述がありました。

シロエリハゲワシの餌探しは、ひじょうに能率がよい。クリミア戦争におけるライトブリゲイドの突撃(1854)の後を追って、あまりにも多くの鳥が戦場に集まったために、負傷者を守るために射撃隊を配置しなければならなかったほどである。

当時は「ライトブリゲイド」とは何のことかさっぱりわかりませんでした。まさか、19世紀という時代に騎兵突撃が行なわれているとは夢にも思っていなかったのです。おそらく、日本語訳した人もわからなかったでしょう。この記事は今泉忠明さんの動物の狩りの百科にも引用されています。

高空を帆翔しながら地上の出来事を常に監視している。1854年の、クリミア戦争中に起きた「ライト・ブリゲイドの突撃」と呼ばれる戦いのとき、無数のシロエリハゲワシが戦場に集まってきたために、負傷兵を守るために特別な「ハゲワシ射撃隊」を配置しなければならなかったという話がある。

今泉さんも実際の戦いの模様は想像がつかなかったと思います(余談ですが、この本でのハゲワシの記事は他の本の引用集と言えます。また、ミミヒダハゲワシとズキンハゲワシが取り違えられていたりもします)。

ハゲワシは動物番組によく登場する鳥です(ただ、いろいろな種類がいるのに、多くの場合、単にハゲワシとしてしか呼ばれていないのが残念です)。特にアフリカのサヴァンナを舞台とした番組には必ずといっていいほど、掃除屋として出てきます。病気や飢えで死んだ動物の肉を漁ることもありますが、大型肉食獣の狩りの際には、それまで鳥影一つ見当たらなかった空を埋め尽くすように現れます。このため、現地の人の間では、彼らは死肉の存在を夢で見て知ると信じられていたくらいです。

実際は、多くの鳥と同じく、ハゲワシは視覚で獲物の位置を知ります。動物が死ぬと、最初に発見した鳥は、たとえ地平線の彼方からでさえもすぐに反応します。さらに、ハゲワシは死肉だけでなく、他のハゲワシの行動も監視しています。1羽が獲物に反応すると、さらに遠方にいた鳥がこれに気づいて跡を追います。こうして次々と連鎖反応が起こり、瞬く間に何十羽もの鳥が殺到してくるわけです。

このハゲワシの行動を、逆に肉食獣も利用しています。ライオンやブチハイエナは上空のハゲワシの動きを追って、肉にありつきます。そのため、ハゲワシもぐずぐずしていると、あとから現れたライオンやハイエナに横取りされるため、ものすごいスピードで肉をたいらげます。マダラハゲワシの群れはヌー1頭なら30分以内に喰いつくします。これで迷惑しているのがチーターやリカオンのように自分で倒した獲物しか食べない肉食獣です。彼らが狩りをすると、まずハゲワシが集まってきて、それに引きつけられて現れたハイエナなどに獲物を奪われるからです。ハイエナも迷惑しています。彼らも獲物を倒すと、さらにライオンがやってきて強奪してしまいます。それを避けるためには、獲物を手に入れたらできる限り早く胃袋に収めるしかありません。ハゲワシは昼行性なので、夜間はこのような現象は起こりません。

と、見てきたようなことを書きましたが、実際にはぼくはアフリカへは行ったことはありません。本とTVから得た情報です(アッテンボローの番組は理解しやすいです)。しかし、似たような経験があります。ぼくは水産学部卒で、学生時代に乗船実習がありました。航海中、船上から見える景色は360度、何も無い大海原だけで、水平線に鳥が1羽いるかいないかでした。実習では何度かトロール網を引き上げて、かかった魚(多くは食用にならない雑魚)の全長と体重を測定していました。すると、何十羽ものカモメが振って湧いたように現れ、網からこぼれた魚を漁っていました。つまり、網をあげると、まず、水平線のかなたにいた1羽が反応し、それに気づいた鳥が次々に引き寄せられるわけです。ハゲワシと同じような原理だったのです。

2006年5月11日 (木)

RAPTORNISの由来

「日記」を始めて3日目で、早くも更新をサボりました。言い訳ではありますが、これを立ち上げたきっかけがアッテンボローさんの誕生日を祝うためだったので、拍子抜けしたせいでもあります。

今回は、ぼくのハンドルネイムであり、HPの名前でもあるRAPTORNISの由来について説明します。結論から言ってしまうと、RAPTOR(猛禽)とORNIS(鳥)の合成語です。

RAPTORとは元来、ラテン語で「略奪者」という意味です。この語は小型肉食恐竜の名前にも使われています。代表的なのがオヴィラプトルとヴェロキラプトルです。オヴィラプトル(卵泥棒という意味)は植物食恐竜プロトケラトプスの卵を盗んだ痕跡があるとされたためにこの不名誉な名を頂戴してしまったのですが、後に自分自身の卵の世話をしていたことが判明しました。ヴェロキラプトル(すばやい泥棒という意味)はプロトケラトプスと格闘したまま化石になったことで有名です。これらの小型肉食恐竜は、ぼくが子供のころは地味な存在でした。ところが1990年代の恐竜ブームでにわかに脚光を浴びるようになってきました。一つは彼らの仲間の化石に羽毛の痕跡が見つかり、鳥類と縁があるのではないかと注目されたこと、もう一つは映画「ジュラシックパーク」の影響です。ぼくがこの映画を見たのは1993年、浪人生最後の夏休みのことでした。この映画ではヴェロキラプトルが「ラプター」と呼ばれているのですが、ここでラプターとは猛禽という意味だと知ったのです。

それまでは猛禽類は一般にBIRDS OF PREYと総称されていました。これにはワシ・タカ類とフクロウ類が含まれていました。それが1990年代後半ごろからRAPTORSの呼称が普及してきました。というのは、BIRDS OF PREYにはいわゆる猛禽類以外の肉食鳥、例えばサギなども含まれるためです。一般にワシやタカは猟師(ハンター)で、サギは漁師(フィッシャー)だというイメージがあります。しかし、ワシが魚を捕らえることもありますし、サギがネズミを食べることもあります。では、両者のどこが違うのでしょうか。ワシやタカ、フクロウは獲物を足で掴んで捕らえます。一方、サギは嘴で捕まえます。それ以外の肉食鳥も同様です。トウゾクカモメは他の海鳥を捕食しますが、やはり嘴を使います。モズはタカのように鉤型の嘴を持っていますが、足が弱いため、獲物を押さえつけることができません。そのため、尖った枝に獲物を突き刺して固定し、嘴で引き裂いて解体します。そのようなわけで、足で獲物を捕らえるワシ・タカ類とフクロウ類を他の肉食鳥と区別する意味でRAPTORSが使用されるようになりました。RAPTORには「ひったくる」という意味もありますから、まさにうってつけの名称と言えます。

次にORNISについて述べます。ORNISとはギリシア語で鳥という意味で、鳥の学名の語尾につけられることが多いのですが、絶滅鳥や化石鳥は学名をそのまま仮名読みされるため、これらの鳥の名称で馴染んだということがあります。例えば白亜紀の化石鳥ではイクティオルニスやヘスペロルニスがありますし、絶滅鳥ではニュージーランドのモア類のディノルニスやマダガスカルのエピオルニスがあります。これらは子供向けの本にも乗っています。ぼくも小学生時代、これらの鳥の名前についている「オルニス」なる言葉に想いを馳せたものです。絶滅鳥には、「もしかしたら生存しているかもしれない」というロマンがありますからね。実際に、ニュージーランドに分布している飛べないクイナの一種タカへ(ノトルニス)のように、一度絶滅したと思われた後に再発見された例もあります(本当は学名はアルファベットで記入しなければ意味が無いのですが、資料が手近にないので、仮名書きで失礼します)。

そのようなわけで、猛禽のHPを立ち上げるにあたり、RAPTORNISなる名称を考え、ハンドルネイムとして使用しているわけです。最初は単にORNISにしようかと思ったのですが、独自の名を使ってみたかったのです。

昨日、更新したかったのですが、今日になってしまいました。これはプラネットアースを見ていたせいです。アイベックスの闘いは2本のサーベルで斬りあっているみたいでしたね。オリックスの角は直刀か剣ですね。動物の角を見て武器を連想するのが、二兎を追うものの宿命です。

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